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倚りかからず ちくま文庫
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倚りかからず ちくま文庫

茨木のり子(著者)

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倚りかからず ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房/筑摩書房
発売年月日 2007/04/10
JAN 9784480423238

倚りかからず

¥660

商品レビュー

4.2

68件のお客様レビュー

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2025/07/16

旅先で雨に閉じ込められ、仕方なしに行った官民連携の今どきのステキなパプリックスペースのライブラリーで読む。 「倚りかからず」の一編があまりに有名だから、詩集も読んでみたいと思っていたが、なかなか詩というものに馴染めておらず読めていなかった。 冒頭の「木は旅が好き」で思わず涙ぐんで...

旅先で雨に閉じ込められ、仕方なしに行った官民連携の今どきのステキなパプリックスペースのライブラリーで読む。 「倚りかからず」の一編があまりに有名だから、詩集も読んでみたいと思っていたが、なかなか詩というものに馴染めておらず読めていなかった。 冒頭の「木は旅が好き」で思わず涙ぐんでしまった。続けて何回も読む。そのまま、あとはちょっと急ぎ気味だったが、全編を読む。茨木のり子の詩は「自分の感受性くらい」と「倚りかからず」と「わたしが一番きれいだったとき」の3編しか知らなかったし、だけど、すごくかっこいいと思っていたが、この詩集の詩もかっこいい。毅然としてる。倚りかかっていない。「あの人の棲む国-F.Uに-」「鄙ぶりの唄」「時代おくれ」全部のタイトルをあげたいくらいとても良かった。1999年って、つい最近のようで、四半世紀も前。でも古びてない。 何気なく手に取っただけなのに、とてもとても惹きつけられ、このように生きていきたいと強く思わされた。手元に置いてたびたび開きたい。25年遅れてしまったが。

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2025/05/07

1999年に発表された詩集の文庫版。著者が72,3歳の頃になります。 また、発表時以降のものから追加された3篇のうちの一作「球を蹴る人」は、当時、現役サッカー選手として名を馳せた中田英寿さんへのもので、当時の雰囲気を懐かしく思いださせもする作品でした。 普段使いのことばで表現...

1999年に発表された詩集の文庫版。著者が72,3歳の頃になります。 また、発表時以降のものから追加された3篇のうちの一作「球を蹴る人」は、当時、現役サッカー選手として名を馳せた中田英寿さんへのもので、当時の雰囲気を懐かしく思いださせもする作品でした。 普段使いのことばで表現された詩たちなのですが、やっぱり素晴らしかったです。なんというか、生命から生まれる言葉であり、柔らかで、繊細だったり力をこめていたり、そしてセンスが跳ねていて見事だったりしました。 そして、詩の中味としては、内省的といったらいいのでしょうか、読んでいて頷かされるところがあれば、たしなめられるところもある。気づかされたり、思いださせてくれたりもする。 自分の足で立って生きなさい、というメッセージのある方のようですが、でもその作品からは優しさというか、人の体温がしっかり感じられもしました。だから、おそらく極端な人ではないですし、型やパターンにはめてしまう人でもないのがよくわかります。もしも極端に見えることがあるのだとしたら、見ている側のほうが極端なんであって、ご本人はごく自然な姿勢でいらっしゃる。茨木のり子さんご自身は、そういう、時代や社会の趨勢のようなものに振り回されたり巻き込まれたりするのを嫌がってがんばったからこうなんだと僕には思えました。そして、かくありたい、と思いましたねえ。 では、ちいさな引用をひとつ。 __________ 苦しみに負けて 哀しみにひしがれて とげとげのサボテンと化してしまうのは ごめんである (「苦しみの日々 哀しみの日々」の一節 p80) __________ →僕もこんなのはごめんなのだけど、自分の生活の中で傍目で見ていて、トチ狂ってしまって性格もひどく悪くなってしまった人というのはこれなのかもなあ、と思いました。

Posted by ブクログ

2025/05/04

岩波文庫の「自分の感受性くらい」を読んだあとに、たしか前に読んだはずと探してみたら、ちくま文庫「倚りかからず」がやっぱりあった。もう一度と読み進めた。何と「倚りかからず」の詩だけ読んであとは放っておいたようだ。まことに恥ずかしい。 こちらの詩集の方が直截的な言葉が迸る、強い調子だ...

岩波文庫の「自分の感受性くらい」を読んだあとに、たしか前に読んだはずと探してみたら、ちくま文庫「倚りかからず」がやっぱりあった。もう一度と読み進めた。何と「倚りかからず」の詩だけ読んであとは放っておいたようだ。まことに恥ずかしい。 こちらの詩集の方が直截的な言葉が迸る、強い調子だ。山根基世さんの解説でいろいろ教わった。茨木さんが詩は「生る」ものだと話していたこと。そして「夕鶴」の山本安英さんとの交流のこと。 一つひとつの詩が「生る」背景には、それを支える宝のような現実との関わりがあったのだなあと詩作の素晴らしさを思い知らされた。難しさも含めて。

Posted by ブクログ