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山之口貘詩文集
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山之口貘詩文集
¥1,760
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商品レビュー
4.7
7件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
茨木のり子づてでこの詩人に辿り着いたが、「オキナワ」と呼ばれ職業差別された、汚穢屋なるたいへんな仕事をやらされた(きつい汚い臭い)、まぁひどいことを初めて知ることになった。だが獏さんは「躊躇うことのない素直な感性」で、それを、何十枚の原稿用紙を引き裂きながらではあるが詩に作っていて、賞として名前が残っていることをとてもうれしく思うほどである。
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地球の上での繰り返しなので/月の上にいたって/頭をかかえるしかない筈なのだ 「頭をかかえる宇宙人」の一節。ここがたまらなく好きだ。山之口漠の「地球」とは何だろ?昔からの疑問がこの解説で断片的ながらも理解できた気がする。そして、もっと奥が知りたくなり、この作品に帰ってくる。腹たちま...
地球の上での繰り返しなので/月の上にいたって/頭をかかえるしかない筈なのだ 「頭をかかえる宇宙人」の一節。ここがたまらなく好きだ。山之口漠の「地球」とは何だろ?昔からの疑問がこの解説で断片的ながらも理解できた気がする。そして、もっと奥が知りたくなり、この作品に帰ってくる。腹たちまぎれに現代を生きるのに、ちょいと疲れたら帰ってくる。
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窮乏と放浪の生活を独特のアイロニーとユーモアをもって凝視して、存在すること自体の不安定さを、例えば座布団を敷くことのうちに見抜くばかりでなく、沖縄出身者に対する差別的な眼差しをも見返す詩と散文を集成した一冊。苦難に満ちた日常生活の細部を言葉をもって見つめるなかで、書くことを生き...
窮乏と放浪の生活を独特のアイロニーとユーモアをもって凝視して、存在すること自体の不安定さを、例えば座布団を敷くことのうちに見抜くばかりでなく、沖縄出身者に対する差別的な眼差しをも見返す詩と散文を集成した一冊。苦難に満ちた日常生活の細部を言葉をもって見つめるなかで、書くことを生きることそれ自体にまで高めているが、それが同時に痒いところを「掻く」ことでもあったりするのが興味深い。そのことが示すように、言葉遣いにはごつごつしたところがあるが、語り全体の優しさや軽やかさを失わないのがこの詩人の持ち味だろう。それによって、沖縄が、沖縄から出て東京に生きることが、さらにそれらを見つめる視線が、いっそう明瞭に浮き彫りになっているところもある気がする。山之口貘の詩作は、「やまとぐち」との関わりを含め、李箱やカフカを思い起こさせるが、そのようなマイナー性をもった詩人が沖縄の「祖国復帰」を願ったのはどういうことだったのだろう。
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