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遠い山なみの光 ハヤカワepi文庫
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遠い山なみの光 ハヤカワepi文庫

カズオ・イシグロ(著者), 小野寺健(訳者)

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遠い山なみの光 ハヤカワepi文庫

770

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2001/09/15
JAN 9784151200106

遠い山なみの光

¥770

商品レビュー

3.6

232件のお客様レビュー

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2025/12/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトル通り、戦後の混乱の中にぼんやりとした光が見えてくるような物語だと思いました。戦後の長崎を舞台としており、今までと価値観が全く変わってしまった時代を生きる人々の姿が描かれています。そんな時代を何とか生き抜こうと、当てにならないアメリカ人の男に頼ろうとする佐知子の姿は万里子の母ではなく、1人の女なのだろうと思います。

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2025/12/20

「読んでから観る」パターンが多い私には珍しく、本書は映画を観てから読んだのだが、今回はそれが良かった!懐かしいけれど哀しく、遠い昔と今は“取り返しのつかないこと”で繋がっている‥だからこそ。それにしても、主人公を演じた俳優陣の佇まいや会話劇の再現度の高さよ!彼女達、彼等の見ていた...

「読んでから観る」パターンが多い私には珍しく、本書は映画を観てから読んだのだが、今回はそれが良かった!懐かしいけれど哀しく、遠い昔と今は“取り返しのつかないこと”で繋がっている‥だからこそ。それにしても、主人公を演じた俳優陣の佇まいや会話劇の再現度の高さよ!彼女達、彼等の見ていた景色や時代を追体験しているような読後感。もう一度映画を観たくなる。

Posted by ブクログ

2025/12/18

カズオ・イシグロの著書を初めて読みました。長編小説としてのデビュー作なんですね。20代の男性がこんなに女性の生涯にフォーカスした作品が書けちゃうのか。すごい。 一人称回想形式なのに主人公はほとんど自分の不平とか不満を言語化しようとしない。 些細な生活上の違和感と思って言葉...

カズオ・イシグロの著書を初めて読みました。長編小説としてのデビュー作なんですね。20代の男性がこんなに女性の生涯にフォーカスした作品が書けちゃうのか。すごい。 一人称回想形式なのに主人公はほとんど自分の不平とか不満を言語化しようとしない。 些細な生活上の違和感と思って言葉にしないのか、言葉にしないことで苦しさを小さくしているのか……それをパッと判読させるような書き方はしていないけれど、後者なんだろうな。 主人公のスタンスは、周囲を注意深く観察している大人しい犬のよう。 登場人物は主人公を含めて、誰も悪人ではないんだけど全員が自然に残酷な部分を持っている、と見つめる書きぶりが読んでいて、まことに辛い。 登場人物たち一人一人の価値観がそれぞれ違っていて、それについて目に見えて争っているわけじゃない。ただ、この人たちが一つの空間にいる状態がとても不穏。でもそれって今、私の存在している社会そのものだ、と思った。 この先、私が生きていてひどく価値観が偏りそうになった時や俯瞰的な視点を求める気持ちになったり、観念的な思い込みに走りそうになってしまった時、あらためて読み返したいと思うかもしれない。私は「個」である、と良くも悪くも帰ってこれる作品。

Posted by ブクログ