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遠い山なみの光 ハヤカワepi文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房 |
| 発売年月日 | 2001/09/15 |
| JAN | 9784151200106 |

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商品レビュー
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戦後の長崎を舞台に、奔放に生きる佐知子とその娘、万里子の姿を、彼女たちを間近で見つめ助力してきた悦子が回想する形で物語が進む。劇的に変わる価値観の中で、それぞれがかつての考え方を揺さぶられ、それが人間関係に影響を及ぼしていく。回想時点の現代、悦子はイギリス人と再婚してイギリスに住...
戦後の長崎を舞台に、奔放に生きる佐知子とその娘、万里子の姿を、彼女たちを間近で見つめ助力してきた悦子が回想する形で物語が進む。劇的に変わる価値観の中で、それぞれがかつての考え方を揺さぶられ、それが人間関係に影響を及ぼしていく。回想時点の現代、悦子はイギリス人と再婚してイギリスに住み、かつての佐知子の選択と距離を縮めているのが面白い。 原題はA Pale View of Hills. 悦子と佐知子、万里子が稲佐山に遊んだ1日の記憶が、この物語の中では唯一明るい場面かもしれず、稲佐山からの復興の眺めと、現在から過去を振り返る眺めがうっすらと読み手の中で交差していく。変わる価値観の中で少しずつ姿を変えながら生き抜く人々の姿がじんわりと染みる。 原文は英語だから、登場人物たちの当時の会話がとても自然でしっくりくるのは、訳者の功績。もともと日本語で書かれたものを読んでいると錯覚するほどだ。
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主人公の一人称小説で、嘘をついていたり、過去と現在が混ざっている可能性もあるから、難しい作品だった。最後の解説を読んで、少し理解できた気がする。直接言葉では言わないけれど深い後悔などが伝わってきた。作品の薄暗い雰囲気の中に、ニキという微かな希望があるのが救いなのかなと感じた。ま...
主人公の一人称小説で、嘘をついていたり、過去と現在が混ざっている可能性もあるから、難しい作品だった。最後の解説を読んで、少し理解できた気がする。直接言葉では言わないけれど深い後悔などが伝わってきた。作品の薄暗い雰囲気の中に、ニキという微かな希望があるのが救いなのかなと感じた。まだ理解しきれていないから、再読したい。
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価値観の転換期、または転換を経た人間の記憶の回想である。記憶や思い出は振り返る時点の自分の状況によって様々に色付けがなされる。未来を予測するには過去を振り返ることである。振り返った先の経験や交友関係に憐憫や畏怖の感情を抱くことは多々あるが、現在の自分や予測される未来の自分が、当時...
価値観の転換期、または転換を経た人間の記憶の回想である。記憶や思い出は振り返る時点の自分の状況によって様々に色付けがなされる。未来を予測するには過去を振り返ることである。振り返った先の経験や交友関係に憐憫や畏怖の感情を抱くことは多々あるが、現在の自分や予測される未来の自分が、当時の周囲人物と同相であることは皮肉的であり、無自覚であることの方が返って幸福を感じられるのだろうか。 他人の価値観に振り回され、迎合し恐らく破滅的な結末を迎えたであろう佐知子親子であるが、悦子一家も一家なりの破滅を経験し、そればかりか佐知子と同様の末路を辿っていくように思えてしまう。重苦しい暗闇にも、過去の回想から希望を見出し、日々の幸福を重ねて生きたいものだ。 ところで、何も子猫を殺すことはなかっただろう。児の亡骸を抱えるとある母を見てトラウマを抱えつつ、くじ引きで子猫に対する慈愛の感情と飼わせてくれると言った母への期待があったのに、子猫が殺されるのを無力に眺めることしかできない万里子の心情には心が軋む。
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