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完全なる人間 魂のめざすもの
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 誠信書房/ |
発売年月日 | 1998/09/15 |
JAN | 9784414304107 |
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完全なる人間
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商品レビュー
4.1
12件のお客様レビュー
マズローは、「欲求の5段解説」を教科書的に知っているだけで、それはなんとなくそんなものかなという感じはするものの、実証データはないわけだし、そんなに深いものとは思っていなかった。 むしろ、「自己実現」を強調することで、一種の労働強化への誘導というディスコースを作っているんじゃな...
マズローは、「欲求の5段解説」を教科書的に知っているだけで、それはなんとなくそんなものかなという感じはするものの、実証データはないわけだし、そんなに深いものとは思っていなかった。 むしろ、「自己実現」を強調することで、一種の労働強化への誘導というディスコースを作っているんじゃないかと思うくらいだった。 が、マズローの本を読まずに批判するわけにもいかないと思って、この「完全なる人間」を読んでみると事前のイメージとは違う感じで、かなり深い。 まずは、人間性心理学、そしてその始祖の一人マズローは、性善説と言われていて、この本の冒頭も「人間の本性は善である」という宣言から始まっている。 こう書かれると、そもそも人間に「本性」はあるのか?とか、善とはなにか?とか、いろいろ突っ込みたくなるんだけど、本を読み進めていくと、そんな単純な話しをしているわけではなく、哲学的にとても深いところから考えていることがわかる。 人間性心理学のベースには、実存主義や現象学があるのは、なんとなくわかってきたのだが、マズローも基本、それらをベースとしている。 そして、マズローは「悪」の存在を人間の外部に位置付けるのではなく、本性かどうかは保留しつつ、人間の内部に位置付けている。そして、この善と悪の二元論の超越みたいなことを考えているようだ。 こうなってくると、ほとんどユングの対立物の結合に近い感じ。 なんだ、そんなことだったのか、だったら、マズローは私とは、わりと近いところにいたんだな〜と。 私自身としては、「社会的構築」的な考えのほうが、しっくりしていて、マズローの本質論的だったり、西洋中心的な部分に違和感を持つんだけど、自分の考えを整理するときに対峙すべきテキストだと思った。 とはいっても、ちょっと文章が難しかったり、「昔」の議論もあるので、なかなかすべてを理解するのは難しいかな? ちなみに、「完全なる人間」の元タイトルは、"Toward a Psychology of Being"でかなりニュアンスが違う。本文にでてくる「完全なる人間」に一番近いのは、「完全なる人間性」で、原文では、"full-humanness"。 ここでのfullは、充分というか、満ち足りたというか、その可能性がしっかりと発現された、とか、そんな感じで、訳は難しいなと思うけど、「完全」ではないような気がする。 あるいは、本文中ででてくる「完全なる人間性」とか、「完全な人間性」とか、「人間」というより、「人間性」にフォーカスした表現のほうがいいのかなとか思った。
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この本の題名「完全なる人間」とは、「人類に特有な部分をすべて備えた人、よく発達をとげ、完全にはたらく人間の能力をすべて備え、どんな種類の明白な疾病、特に中心的、決定的で、人間として必要不可欠の特徴を傷つけるかもしれないような病気にもかかっていない人びとを、とりあげることができる」...
この本の題名「完全なる人間」とは、「人類に特有な部分をすべて備えた人、よく発達をとげ、完全にはたらく人間の能力をすべて備え、どんな種類の明白な疾病、特に中心的、決定的で、人間として必要不可欠の特徴を傷つけるかもしれないような病気にもかかっていない人びとを、とりあげることができる」(p229)人のことである。著者の主張は、病気を中心とした心理学から健康な人をも含めた心理学の拡張にある。 有名なマスローの欲求段階は、この本では詳しく触れられない。しかし、その最終段階である自己実現の段階については、完全な人間に到達した人の特徴として、詳しく触れられている。ただし、この自己実現というのは一般にいわれていることとは大きく異なっている。自己実現というと、「医者や弁護士になりたい」とか理想の実現のことを指すことが多い。しかし、著者は「ショッキングにいえば、自己実現する人は、自己を受け容れ、洞察力を持つ神経症者ということさえできると思う。というのは、こういういいかたは、『本質的な人間状況を理解し、受け容れる』こと、つまり、人間性のもつ『欠陥』を否定しようとするのではなく、これと立ち向い、勇気をもって受け容れ、これに甘んじて楽しみさえ見出すというのと、ほとんど同じである。」(pp162~163)とさえいう。 マスローは、フロイトと同じ神経症者の治療から理論を組み立てた、ということも興味深い。それはフロイト批判であるばかりでなく、アメリカ人からヨーロッパ文化への批判としても読み取れるように思う。
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どっちつかずの自分にマイナスの感情を持つことが多かったが、この本のおかげで解放された。 ただ、とても長い。 集中が何度も途切れた。 しかし人生を変えるような言葉がいくつも詰まっていたので…やっぱり読んでよかった。
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