アウグスティヌス講話 講談社学術文庫

山田晶(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社/
• 発売年月日: 1995/07/10
• JAN: 9784061591868

商品レビュー

2010/05/28

キリスト教神学の基礎…

[文庫ＯＦＦ]

キリスト教神学の基礎を築いた古代ローマ末期の哲学者アウグスティヌスの解説書です。本書は、アウグスティヌスと道元の思想の共通点を指摘し、キリスト教と仏教の接点をも示しているところが特徴的です。野心作と言えるでしょう。

2024/09/29

山田晶の『アウグスティヌス講話』は、キリスト教神学の礎を築いた古代ローマ末期の教父アウグスティヌスについて、新たな視点から光を当てた重要な著作です。

著者と背景

山田晶は、中世哲学研究の第一人者として知られ、特にトマス・アクィナスの存在論研究で高い評価を受けています。その深い学識と洞察力が、本書でのアウグスティヌス解釈にも遺憾なく発揮されています。

内容と特徴

本書は、従来のアウグスティヌス像を覆す斬新な解釈を提示しています。特に注目すべきは、アウグスティヌスの青年時代に関する通説への挑戦です。山田は、『告白』の鋭い読解を通じて、アウグスティヌスの若き日々が単なる放蕩無頼ではなかったことを明らかにしています。

さらに、アウグスティヌスに大きな影響を与えた人物として、従来あまり注目されてこなかった内縁の女性の存在を浮き彫りにしています。この視点は、アウグスティヌスの思想形成過程に新たな光を当てるものです。

独自の視点

本書の特筆すべき点は、キリスト教と仏教の接点を探る試みです。「創造と悪」の章では、アウグスティヌスと道元の思想の共通点を指摘し、東西の宗教思想の対話の可能性を示唆しています。この比較宗教学的アプローチは、山田の広範な知識と柔軟な思考を反映しています。

構成

本書は6つの講話から構成されており、アウグスティヌスの思想の核心に迫る重要なテーマを扱っています。「アウグスティヌスと女性」「煉獄と地獄」「ペルソナとペルソナ性」「創造と悪」「終末と希望」「神の憩い」という各章は、アウグスティヌス思想の多面性を浮き彫りにしています。

評価と意義

本書は、アウグスティヌス研究に新たな視座を提供するだけでなく、キリスト教思想の理解を深めるための必読書としての価値を持っています。山田の明晰な文体と深い洞察は、難解とされるアウグスティヌスの思想を、現代の読者にも親しみやすいものにしています。

また、キリスト教と仏教の思想的接点を探る試みは、グローバル化が進む現代社会において、宗教間対話の重要性を示唆する意義深いものです。

『アウグスティヌス講話』は、古典的な神学思想を現代的な視点から再解釈し、その普遍的価値を浮き彫りにした秀作といえるでしょう。

※以上は私とAI(Perplexity)の共同による書評です。　

2014/11/01

［　内容　］
キリスト教神学の基礎を築いた古代ローマ末期の教父・アウグスティヌス。
その青年時代は、放蕩無頼だったとする通説を、筆者は名筆『告白』の鋭い読解により覆し、子供までもうけて離別した内縁の女性こそ、アウグスティヌスに最も大きな影響を与えた人物と説く。
「創造と悪」の章では、アウグスティヌスと道元の思想の共通点を指摘し、キリスト教と仏教の接点をも示した。
キリスト教理解のための必読書。

［　目次　］
第１話　アウグスティヌスと女性
第２話　煉獄と地獄
第３話　ペルソナとペルソナ性
第４話　創造と悪
第５話　終末と希望
第６話　神の憩い

［　問題提起　］

［　結論　］

［　コメント　］

［　読了した日　］