商品詳細
内容紹介 | 内容:壊滅の序曲.夏の花.廃虚から. 年譜:p177~186 |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 1993/05/20 |
JAN | 9784087520415 |
- 書籍
- 文庫
夏の花
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夏の花
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「1945年8月6日、人類史上初の原爆投下に広島は死体で埋まり、傷ついた人々のうめき声で満ちた。自らも被爆した詩人・原民喜はこの人間存在の凌辱ともいえる悽惨な地獄絵に直面し、「このことを書きのこさねばならない」と固く決意する。名作「夏の花」ほか「壊滅の序曲」「廃墟から」を収録。第...
「1945年8月6日、人類史上初の原爆投下に広島は死体で埋まり、傷ついた人々のうめき声で満ちた。自らも被爆した詩人・原民喜はこの人間存在の凌辱ともいえる悽惨な地獄絵に直面し、「このことを書きのこさねばならない」と固く決意する。名作「夏の花」ほか「壊滅の序曲」「廃墟から」を収録。第1回水上滝太郎賞受賞。」 「静かな短篇である。原民喜(はらたみき)の小説「夏の花」は、人類がつくりだした最もおぞましいものの一つ、原爆による被害を描いているにもかかわらず、おだやかで、しかも、美しい。 1945年8月6日、広島で何が起きたのか、その悲惨さを理解するのは難しい。しかし文学は、読者をそこに連れて行く事ができる。名も無き夏の花のような二元の悲劇を経験されてくれる。再び核兵器を使ったらどうなるのかが記された未来の書でもある。」 (『いつか君に出会ってほしい本』田村文著 の紹介より) 「このことを書きのこさねばならない、と、私は心に呟いた。けれども、その時はまだ、私はこの空襲の真相を殆ど知ってはいなかったのである。」(本文より) 著者は広島市生まれ。1944年に妻がなくなり、さらに45年に広島で被爆した際に多くの死に直面した。このことが、作家としての転機となった。この本は、被爆直後の惨状を記したノートをもとに書いた小説である。詩人としても知られ、「原爆小景」などの作品がある。51年、45歳でs自殺。
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淡々と原爆の様子が語られていく。 原爆は悲惨だ。勿論、これにより多くの名もなき人々(夏の花)が失われ、多くの苦痛を伴った。 ただ一つ、最愛の妻を失い生きる活力を失っていた原民喜に「原爆を語り継ぐ」という一つの存在意義を与えた。彼は自らを奮い立たせるもの結局のところ自身の記憶する...
淡々と原爆の様子が語られていく。 原爆は悲惨だ。勿論、これにより多くの名もなき人々(夏の花)が失われ、多くの苦痛を伴った。 ただ一つ、最愛の妻を失い生きる活力を失っていた原民喜に「原爆を語り継ぐ」という一つの存在意義を与えた。彼は自らを奮い立たせるもの結局のところ自身の記憶する原爆と、それに対する周囲とのギャップを感じるようになり自殺するわけだが、原爆が奪うだけではなく、どこか小さな所で何かしらを「与える」ものでもあったと言うのが新しい視点だった。 愛する人を失うことの悲しみと孤独。想像するだけでも辛い。これを乗り越える術を、その時までに何とかして見つけていきたい。
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広島生まれで原子爆弾被爆者の著者。 原爆が落とされた瞬間、彼は便所にいて、物凄い光のあと真っ暗になり、外を見れば一面吹き飛んでいた、とある。 被爆者たちはみな一様に水を求めて川へ集まり、地獄絵図のようだった。 異口同音に水をくれという言葉がこだます現場。 顔は腫れ上がり、その圧で...
広島生まれで原子爆弾被爆者の著者。 原爆が落とされた瞬間、彼は便所にいて、物凄い光のあと真っ暗になり、外を見れば一面吹き飛んでいた、とある。 被爆者たちはみな一様に水を求めて川へ集まり、地獄絵図のようだった。 異口同音に水をくれという言葉がこだます現場。 顔は腫れ上がり、その圧で目は線のように細くなり、腕は化膿しハエ、蛆がとめどなく湧いていた。 血を吐き、喉が痛くなると数日後には死んでしまうと言われていたとある。ありのままを淡々と綴っているのは意図的なのか。 あまりに数が多すぎて、身内も他人もみな被爆者だらけで枚挙に暇がない。自分を救うのに精一杯。そんな地獄のような場に身を置いていれば、 慣れるのだろうか。著者は元々精神衰弱な所があり、妻が病死したあとは生きる活力を失い、鉄道自殺したそうだ。 中学の教科書に載っていてずっと頭に残っていた本だった。 読んだ後、今度は広島へ行き、原爆について知りたくなった。当時の様子を見て、思いを馳せたい。
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