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木野寿彦(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2025/09/26
JAN 9784041166048

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商品レビュー

3.9

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2026/08/11
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※このレビューにはネタバレを含みます

人間としてみられない、何のスキルも身に付かない、透明な存在、期間工の話。 恋人が死んだとか、不治の病とか、そういう分かりやすい絶望とはまた違った、行き止まりの世界。そこに生きる主人公、宮田の苦しみはすごく息苦しい。でも、友人浜野のズレた行動・言動が救いになって、スラスラ読める。爽やかさも感じる、不思議なバランスでした。 ラストも良かったな。 宮田自身は、日々の達成感を得るために「エレメント」を盗んでいたと告白していたけど、あれはきっと、居場所がなく捨てられるだけのエレメントに、自分を重ねた意味もあったのでしょう。 自死を思いとどまらせたのが、佐倉まなのAVというオチも良い。 馬鹿げてるんだけど、馬鹿げてるからこそ救われる事って、確かにあるような気がします。 ニーチェの「超人」に対抗して浜野が提唱した概念、「降人」。この競争社会に生きるのは疲れるけれど、でも諦める事も怖い、そんなジレンマにどう決着をつけるのか、興味深く読みました。 浜野の結論は、「降りるってことを肯定的選択肢として持ち続けたい。」というもの。 哲学というよりは、願い、祈りに近い結論で、納得感があるかと言われると微妙です。でも、自分の苦しみを救ってくれる万能薬みたいな言葉は、きっとどこにも存在しないし、かろうじて今を生き抜いていくには、こういう祈りを持ち続けるしかないのかもと感じます。 辛いときも、しれっと生きていきたいな。

Posted by ブクログ

2026/07/16

期間工として働く宮田と浜野、二人を主人公にした物語です。どこか歪で不条理、居心地の悪いエピソードが次々と提示されていきます。そしてふと気づけば、それらは日本の古城で見られる野面積みの石垣のように、周囲を取り囲んでいます。 インカの石垣のような、剃刀の刃すら入らない精緻さではあり...

期間工として働く宮田と浜野、二人を主人公にした物語です。どこか歪で不条理、居心地の悪いエピソードが次々と提示されていきます。そしてふと気づけば、それらは日本の古城で見られる野面積みの石垣のように、周囲を取り囲んでいます。 インカの石垣のような、剃刀の刃すら入らない精緻さではありません。大小の石が不揃いに積まれているにもかかわらず、がっちりと嚙み合って、確かな重みと存在感をもって迫ってくる――そのような印象です。 非人間的な期間工の職場と、その外の世界。そのあいだでかろうじて均衡を保つ二人の姿が見事に描かれて行きます。不思議で、どこかざらついた、妙に後を引く読後感を残す作品です。 しかし。。。。次作はどうなるのでしょうか。書くべきことはすでに書き尽くされたようにも見えます。それとも、また違うテーマがあるのでしょうか。

Posted by ブクログ

2026/07/10

【降りる人】 どういう意味だろう? タイトルに惹かれて読んだ一冊だが、とても面白かった。 地方の工場で期間工として働く主人公とその友人の毎日が、低めのテンションで淡々と綴られていく。 まるで機械の一部のように繰り返される作業。 こういう仕事は私も短期バイトで経験した事があるけど...

【降りる人】 どういう意味だろう? タイトルに惹かれて読んだ一冊だが、とても面白かった。 地方の工場で期間工として働く主人公とその友人の毎日が、低めのテンションで淡々と綴られていく。 まるで機械の一部のように繰り返される作業。 こういう仕事は私も短期バイトで経験した事があるけど、キツかったなぁ。 休憩時間が待ち遠しくてね( ´д`ll) そんな単調な日々にも小さな事件が起きる。 残業前に配布される菓子パンを巡る順列や暗黙のルールは、まさに社会の縮図という感じ。 友人の浜野はニーチェとアダルトビデオが好きだったり、週末は二人で小津安二郎の映画を観たりと、無機質な生活に人間臭さがうまく混ざり合う。 大きな変化のない毎日だが彼等の内面にある悲しみや狂気も感じられるから、ユーモアの中にある少しの緊張感も良い。 私たち人間はきっと危うさと隣り合わせで、なんとかバランスを取りながら生きているのかなぁ、と思った。 そしてバランスを失った時、一線を越えてしまうのかも。 自分の中にもそれがあると考えると、ちょっと怖いな。

Posted by ブクログ

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