因果ばなし 八雲えほん

東雅夫(編者), 小泉八雲(原作), 中川学(絵), 円城塔

• 販売会社／発売会社: 岩崎書店
• 発売年月日: 2025/10/17
• JAN: 9784265092505

商品レビュー

2025/11/15

NHKの朝ドラ「ばけばけ」効果で地方書店にも小泉八雲関連書籍が平積み状態に！

本書は岩崎書店が刊行する『八雲えほん』全4巻の第一冊。2025年10月30日初版。「ミミナシホーイチ」「むじな」「ゆうれいだきのでんせつ」と続巻が出るらしい。

物語自体は1分で読み終わる長さなので、あらすじを書いたら終わってしまう。だから書かない（笑）
購入したのは大好きな中川学さんの絵本だから。中川さんの作品は、基本的にデジタルで作成されている。しかし、絵柄や構図は伝統的な日本画のモチーフが生かされている。コンピュータで描かれた絵には、やはりコンピュータで彩色された色味が似合うという事か。美しい。

そして改めて小泉八雲を読んだ。“昔の日本の怖い話ってこうだったよなぁ”って感じた。なんて言うか、原因も結果もない、理由もなければ実証されることもない。それなのに『因果』と言い切られてしまう…ただただ恐ろしい。その抗えなさ、理不尽さが真骨頂なんだと思った。
…実は世の中の出来事の大半はそうだったりするんだけどね。おぉ、コワ（汗）

2025/10/02

本書は円城塔の名前で検索して新刊書としてリストアップされたので通販で入手したものだが、円城塔は翻案で原作は小泉八雲ということだった。始め、翻案というのがどの様なものなのか、円城塔はどの様な立場で関わっているのか良く判らなかった。本書を手に取ってみると、一般書よりも二回りほど大きい一方、厚さが異常に薄かった。そして、中味を見てみたら・・・絵本だった。えーーー、これ1,600円もしたのに(税抜価格)。ページ数を数えてみたら30ページ強。やられたーーー！仕方がない、読むかぁ。え？内容薄い。中川学の絵は迫力があったが、それにしてもコスパ悪いだろう。もうこうなったらお金を回収するために何回も読むことにした。1回目はストーリーを把握、2回目は絵を楽しみ、最後に3回目は全体を舐め回すように時間をかけてじっくり読んだ。はーーー。

しかし、どうして小泉八雲に着目を？そう言えば最近、円城塔が雨月物語を現代語に訳した文庫本が出版されたのは記憶に新しい。本書はその流れを受け継ぐものなのか。また最近、SFマガジン10月号でホラーSF特集が組まれたり、書店でもホラー小説を見る機会が増えるなど、遂にホラーブーム到来か？酷暑が続いているので怪談話も延長なのかと思ったが、ここで突然閃いた。そうか！NHKの朝の連続テレビ小説「ばけばけ」効果だ！これで、ここ一カ月のモヤモヤ感は一気に吹っ飛んだ。そうだよ！これこれ。ということは、このホラーブームは来年まで続くのか。当初は、井上雅彦の異形コレクションがホラーブームの引き金とも思ったが、よくよく考えたら異形コレクションではさすがに引き金にはならんよな。納得！