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穢れなき者へ 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2025/08/28 |
| JAN | 9784102410417 |

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商品レビュー
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メイン州の島の沖で、対立する上院議員候補二人を含む七人の惨殺体がヨット上で発見され、第一発見者のイズレルが殺人の第一容疑者とみなされる。彼には十年前に実の父親を殺した前科があった。だが、彼が現場にいたのは、州警察の女性警部補サラザールから密命を受けて、このヨットの動向をうかがって...
メイン州の島の沖で、対立する上院議員候補二人を含む七人の惨殺体がヨット上で発見され、第一発見者のイズレルが殺人の第一容疑者とみなされる。彼には十年前に実の父親を殺した前科があった。だが、彼が現場にいたのは、州警察の女性警部補サラザールから密命を受けて、このヨットの動向をうかがっていたからだった。一方、別の島では、十二歳の少年ライマンがアルコール中毒の父親から逃れるためにもぐりこんだ廃屋で、手斧を持った謎の娘と出会う。捜査が進むにつれ、イズレルとライマン、そして大量殺人事件の運命は思いもよらない形で交錯することに――。 「夜を希う」以来、久しぶりにマイクル・コリータを読む。少したじろいでしまう描写もあったが、良い読後感。
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父親殺しの男と、父親から暴力を受けている少年。2つの話が同時進行していく。 2つの話が1つになった時、話はそれぞれの結末へと向かう。 話が1つになるまでが、まどろっこしくて気がはやる。 2つとも愉快な話ではないので、気持ちが盛り上がったり、ワクワクするような展開はないが、淡々と...
父親殺しの男と、父親から暴力を受けている少年。2つの話が同時進行していく。 2つの話が1つになった時、話はそれぞれの結末へと向かう。 話が1つになるまでが、まどろっこしくて気がはやる。 2つとも愉快な話ではないので、気持ちが盛り上がったり、ワクワクするような展開はないが、淡々と進んでいく物語は、焦燥感を駆り立てる。 最後まで、どうなるのかドキドキしながら読了。 少年が跳ぶシーンが、色々と象徴的で良かった。
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★5 父親殺しの男とDVを受けている少年、登場人物たちの息づかいが聞こえてくる物語 #穢れなき者へ ■あらすじ メイン州の島に住むにイズレルは、豪華なヨットで惨殺されている七人の死体を発見する。かつてイズレルは自身の父を殺害した前科があり、第一発見者の彼が事件の容疑者となってし...
★5 父親殺しの男とDVを受けている少年、登場人物たちの息づかいが聞こえてくる物語 #穢れなき者へ ■あらすじ メイン州の島に住むにイズレルは、豪華なヨットで惨殺されている七人の死体を発見する。かつてイズレルは自身の父を殺害した前科があり、第一発見者の彼が事件の容疑者となってしまったのだ。 一方、近くの島に住む十二歳の少年ライマンは、いつも父の暴力に耐えかねていた。ある日父の機嫌の悪さを察した彼は、近くの廃屋に逃げこむ。するとそこには手斧を持った少女が隠れ潜んでいた。大量惨殺事件を背景に、父親殺しと少年少女には何があったのか… ■きっと読みたくなるレビュー ★5 登場人物との距離がめっちゃ近く感じる。漂ってくる不安、混乱、恐怖といった感情… 読むほどに登場人物の息づかいがリアルに迫ってくるんすよね… 本作はアメリカ西海岸、メイン州の島の沖。あたりは海と自然ばかりで、もはや水の音が聴こえてそうなんです。自然あふれるミステリーと言えば『ザリガニの鳴くところ/ディーリア・オーエンズ』を思い出してしまいました。 本作は父親殺しのイズレルと少年ライマンを中心の物語が展開します。第一容疑者のイズレルは、この事件について何かを知ってそう。そして彼と州警察のサラザールは何か裏でつながりがあるらしい。 一方、父親からDVを受けている少年ライマン。彼も辛い境遇ながら、廃屋に隠れている少女ハチェットと関係性を深めていく。謎めいたやり取りながらも、彼らの静かで情の厚みがある交流を見てると、どんどん物語に吸い込まれちゃうんですよね~ 彼らは事件の何を知っているのか、どういった関係性なのか、そして何を目論んでいるのか。読み進めるうちに少しずつ謎が明かされ、全体のカタチが見えてくるんだけど、読むほどに深みにハマっちゃうんですよ。 唯一味方になってくれた雑貨店の女性、ダールがカッコイイのよ。彼女の胸を張った生き方、責任のある行動は心に刻まれましたね、自分だったら同じような振る舞いができるのかしら。 そして本作で描かれる犯罪については… もう情けなくて涙もでませんね。権力が大好きだけならまだしも、子どもの対する暴力だけは許せない。さらにもっと身の毛もよだつ背景があるんですが、もう腹立たしくてこれ以上は語れません。こんなことは世界中で無くなって欲しいと願わずにはいられませんでした。 物語が後半に入ると、イズレルとライマンの関係性が発展していく。終盤の盛り上がり&畳み込み&エモさったら、他では味わえない感動でしたね。少年ライマンの姿、これは全人類が求めるべきものだと思いました。 ■ぜっさん推しポイント 事件の背景を振り返ってみると、今の世の中、信じられるものなんてあるのだろうか?と、考えずにはいられなくなりました。 大人たちは未来がある少年少女たちを守り、成長の手助けをするという、当たり前のことができていない。我々はどんなに辛い立場であろうとも正直であるべき。そして決して不可能ではないと信じることが重要なんですよね。
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