- 中古
- 書籍
- 書籍
- 1220-04-01
戦争みたいな味がする
定価 ¥3,080
2,200円 定価より880円(28%)おトク
獲得ポイント20P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 集英社 |
| 発売年月日 | 2025/07/25 |
| JAN | 9784087890211 |
- 書籍
- 書籍
戦争みたいな味がする
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
戦争みたいな味がする
¥2,200
在庫なし
商品レビュー
4.5
5件のお客様レビュー
静岡市女性会館図書コーナーの書誌詳細はこちら↓ https://lib-finder.net/aicel21/book_detail_auth?authcode=D%2BxBE7CWB%2B5hsb0%2F1EOtVA%3D%3D
Posted by 
筆者のオンマが今の世の中を見たらなんと言うだろう。MAGAに対しては眉間に皺を寄せ、The summer I turned prettyの人気には「オモ!」と驚くだろうか。 晩年(読後直ぐの今この言葉を書くのがすごく寂しくて哀しいけれど)、筆者と食事を共にした3人目の母の様子は、...
筆者のオンマが今の世の中を見たらなんと言うだろう。MAGAに対しては眉間に皺を寄せ、The summer I turned prettyの人気には「オモ!」と驚くだろうか。 晩年(読後直ぐの今この言葉を書くのがすごく寂しくて哀しいけれど)、筆者と食事を共にした3人目の母の様子は、1人目の時のエッセンスを残しつつ2人目の時の儚さをはらんでいて切なかった。 精神疾患におけるリカバリーは、病気になる前に戻るのではなく病気を経て新たにアップデートすることとされるけれど、その様はまさしくリカバリーで、伴走する筆者の苦慮や省察の言葉には胸に迫るものがあった。 PTSDを抱え、命からがらどうにかたどり着いた新天地で筆者の母を待っていたのはたいていのアメリカに住む韓国系移民女性が経験する差別。かといってアメリカ人との子どもを連れて帰る母国の暮らしも悽愴なことは想像に易く、どれだけ不安で心細かっただろうか。苦難の道を強いられ続ける人生すぎる。 そんな中、自力でコミュニティに根ざす努力をし、夏はブラックベリーレディ、秋はマダムマッシュルームとなった姿にはちょっとしたアメリカンドリームみすら感じた。かっこいい。 1人目の母の頃の描写には、オベントウの力やサンクスギビングの翌日に残りものの七面鳥にテンジャンとキムチを添える逞しい韓国のオンマの姿がある。 過労に近い生活リズムにあっても食べることに手を抜かないオンマの姿勢の根底には、周りの人がお腹を空かせているのを二度と見たくないという苛烈な戦争体験から来る思いが垣間見え、韓国ドラマでよく挨拶がわりのセリフとして出てくる「パンモゴッソ?」が戦争の名残であることを痛感させられた。 私がテキサスに住んでいた時、おからを求めて何キロも車を走らせる先輩日本人の行動力に驚いたことがある。 郷愁をおからに見出し、手に入れることに全力を注いでいた姿を著者の母のキムチのエピソードで思い出した。 人間は食べることをエネルギーに変えることができるし、食べることでエネルギーを蓄えることができるんだと思う。 2人目の母のターンで、当時15歳だった筆者が独学で母の疾患名に辿り着き、さらに母の様子とDSMの症例を比べる描写があり、どれだけ不安だっただろうかと悲しくなったが、ブラウン大へ進学することで地元を離れ「わたしたちは力強くて美しいかませ犬!」と仲間と笑う若者らしい姿も記されていてホッとした。ヤングケアラーではない時間が筆者にあって本当に良かった。この頃の出会いがこの本の訳者と繋がっているとあとがきで知り、胸が熱くなった。 3人目の母と表記される晩年の闘病描写は哀しいけれど、ブラックベリーレディの頃に著者のことをクラストガールと愛を込めて呼ぶ姿がちらりと垣間見える日があり、母然としていて美しく切ない。1人目の母に戻ることはないけれど、3人目の母の中に1人目の母は確実にいる。 「知性で働きなさい、身体ではなく!」という毅然として取り入る隙のないオンマの姿勢は、時代に翻弄され凄惨なくらしを送ってきたオンマとして、娘が性産業で生きる選択に直面する必要がないようにするためのまっすぐな愛で、筆者が読んでいた"学ぶことは、とびこえること"そのものだなと思う。 生存と従属が隣り合わせのくらしを経て、娘の世代ではおなかいっぱい好きなものを食べられるよう愛と教養を授けたオンマの生き様に涙が止まらない。
Posted by 
お母さんは食でアイデンティティを維持してたんだな。お母さんのキムチ、ブラックベリーパイとても美味しそう。最後のチーズバーガーのお話が想像以上に悲しかった。ノラ・オクジャ・ケラーの小説『狐の少女』も読んでみたいけど、まだ未翻訳とのこと。
Posted by 
