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ほくほくおいも党
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ほくほくおいも党

上村裕香(著者)

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ほくほくおいも党

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 2025/07/16
JAN 9784093867603

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商品レビュー

3.5

16件のお客様レビュー

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2025/11/06

 「宗教2世」が社会問題(認識)化して少し経つが、宗教に限らず「〇〇2世」の問題は、ある。親が何かしら熱心で、それがラジオ体操だとか英会話ぐらいならまあ受け継いでもいいのだが、思想信条のことになるととても厄介だ。  宗教や政治、何かしらの市民活動だったとしても、親の押し付けのなか...

 「宗教2世」が社会問題(認識)化して少し経つが、宗教に限らず「〇〇2世」の問題は、ある。親が何かしら熱心で、それがラジオ体操だとか英会話ぐらいならまあ受け継いでもいいのだが、思想信条のことになるととても厄介だ。  宗教や政治、何かしらの市民活動だったとしても、親の押し付けのなかには度を越した、普通に生きる権利を奪うようなものもある。しかも親が束縛しているという意識が薄い(正しいと信じてやまない)と、長期的に深刻になる。  当著は「活動家2世」と呼ばれる若い人たちがメインキャストの物語。左翼政党の専従職員となったのち、何度も選挙に出て落選を続け「顔はよく見る選挙好きの人」「風変り、というか危ない人」と覚えられる、そんな親に考えを刷り込まされたり党加入を無理強いされる、2世たち。  思えば私の周辺にも左翼系で「選挙によく出るおじさん・おばさん」がいた。地方議員になれたと思いきや突如国政選挙にも出て落選と、あれは何だったんだろう・・・そんな彼らにも家族がいただろうし子供もいたかもしれない、そして親を見てどう育ったのか・育てられたのか、今は想像し得ない。  当著の登場人物も、左翼的な思想が直ちに誤りだと思っているわけではないようだった。どちらかというと思想よりも「家族を犠牲にして(放棄して)活動にのめり込む」親に翻弄されることに悩まされているというか。  選挙や活動のために財産や自分たちの時間を提供しなければいけない、そんなのはおかしい、私だったらブチ切れたいところだ・・・が、子供にとって親は色んな意味で巨大であり壁でもあり、反発心を言葉や行動に移せるかというと、大体の「力弱き」子供は挫けてしまうのでは、と思う。  「ほくほくおいも党」というタイトル、シリアスな内容に似つかわしいとは言えない明るい装丁。これを眺めて、実在する共産党もいつからか赤色以外でポップな「若向けの」ポスターばかりになったことを思い出す。ただ、実際にデモを組んだり集会に出向いたりする人たちは「疲れた中高年」が目立つ。  保守に抗う若い世代が直ちにレフト席に移るわけではない現状下、どうすれば左派的な思想と方向性に共感してもらえるのか、真剣に次世代の声に耳を傾ける態度が指導側に欠けているのでは、という思いに至った。  まさに「お父さんとの対話の要求」に応えられるのか、と。

Posted by ブクログ

2025/10/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

●政治について考えたい方、必見の今オススメの1冊● 表紙を見る限り、「読書の秋?」いや、「食欲の秋」もいいな〜!と思って手に取った。 読み始めると、まさかのテーマは政治と家族をテーマにした物語で、想像とは異なり、ちょっとビックリした! 絶えない活動家2世たち。 「活動家2世」という言葉は、あまり聞かないが、「宗教2世」に似たようなものだと本作を読んだ限りは思った。 主人公の千秋自身、共政党に入党したかったわけでもない。 (やはり、これはまさに親ガチャ失敗というのか…。 そんなことで、日々、父親にコンプレックスを抱えて生きていた。) 「共政党」の支持者ははなかなかいないこともあり、共政党員の家族や2世たちは、生きづらさを感じているケースが多い。 「ほくほくおいも党」(自助サークル)は、千秋にとって同じような悩みを抱える者同士、会話ができる。 それは、彼女にとって、初めてで新鮮な経験だった。 自助サークルの存在を知って、このようなサークルは、生きづらさを軽減させるためには、かなり重要だと感じた。 今の日本のは、連立政権をどこと組むのかが話題になっている。 日本政治の概念として、リベラル、保守、左派、右派などがある。 そこで、どの政党が、どの派に所属しているのかを現在の政党を調べながら読んでみた。 (そうすると、いわゆる左派である「共政党」への理解が深まった気がした。) ここまで、現実、上手くいくとも思えない。 しかし、流石、物語といえるだろう。 最終的に、千秋と父の念願だった対話が叶い、家族の愛を感じられたのはよかったなぁと思った。

Posted by ブクログ

2025/10/13

活動家二世やここ数年問題になっている宗教二世と呼ばれる立場の人たちの生きづらさが、実際問題として親と対話することですべて解決する訳ではないけれど、だからってそれを理由に言葉を奥に抱えたままでは分かることと分からないことが二人の間にあることも分からないし、何よりしないことで分かるこ...

活動家二世やここ数年問題になっている宗教二世と呼ばれる立場の人たちの生きづらさが、実際問題として親と対話することですべて解決する訳ではないけれど、だからってそれを理由に言葉を奥に抱えたままでは分かることと分からないことが二人の間にあることも分からないし、何よりしないことで分かることが見つかることは無い。どちらかの要求だけを相手に飲ませるような半ば暴力の為ではなく、ちょうど中間の地点に日向を一緒につくり合う為に言葉が使われる世界であって欲しいと私は思う。

Posted by ブクログ