論理的思考による帰結です。 阿比留警部の事件簿 河出文庫

中村啓(著者)

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2025/07/08
• JAN: 9784309421957

商品レビュー

2025/11/03

帯に“協調性ゼロのキャリア刑事”ってあったのでオラオラ系の強い人かと思ってたらそうじゃなくて、こういうタイプの刑事ってはじめてかもと思って読みました。

天才的なカンの鋭さと分析力で初動で犯人を割り出すいわゆる倒叙ミステリーです。
ライトな感じなので普段ミステリーを読まない人や中高生のミステリー好きにおすすめ。

2025/11/02

警察モノの小説をなめているのか。タイトルは面白そうだと思ったんだけど。なんなら「論理的思考」のこともなめてるのか。

「論理的思考による帰結」が単に「妄想がうまく当たったね」としか見えない構成はいかがなものか。どんな論理的思考を経ているのかが、あまりに単純かつシンプル（あえての重複）すぎて、それ……ほかに誰も思いつかなかったの？という感じ。

主人公の阿比留が、警察のなかで「使えない」人として「勝手に動け」と言われているとしても、ほかの「使える」方々は、それにまったく気付かなかったのか？気付かないもしくはスルーするとしても、その背景は何もなしなのか？
しかも「勝手に動け」と言われたからって、どの事件でも真っ先に関係者として挙がる人たちのところに押しかけて、事件の詳細をペラペラしゃべるのはいかがなものか。それ、捜査の妨害にならない？ねぇ、大丈夫？

ついでに、読者にはあらかじめ殺人事件の詳細＆犯人が分かる倒叙ミステリーなんだけど、どの犯人も粗すぎる犯行計画なのに「これで完全犯罪できる」とか自信を持って殺人に突き進むのが微妙すぎる。
むしろなぜ！それで！完全犯罪にできると思ったのか！穴だらけ！！！
犯人それぞれの追い詰められていた事情は分かるよ。でも、その計画でいけると思うのは意味が分からない。
意味が分からないくらいに追い詰められてたということなのか。それならもう少し、なんというか、そういう感じの描写をしてほしい……。

最後の特殊メイクアーティストの事件が、かろうじて一番犯人側も推理側もよかったかな、とは思う。
さくさく読めて読みやすくもあったけれども、そこまで。この証拠からこう推理するんだーとか、犯人のこういう穴がここにつながっちゃうんだ！みたいな驚きや、仕掛けがさっぱりなくて、全体的に肩透かし感がすごい。

2025/10/15

東大卒のキャリアだがＫＹな阿比留と期待の若手・森下。阿比留の論理的思考（想像）がバシバシ当たるが、証拠もなくどうやって立件に持ち込むかがミソ。2人の会話ほか、面白い要素がたくさんで楽しく読了。〈みゅうみゅう〉のXももっと見たいので、続編希望！