論理的思考による帰結です。 の商品レビュー

中村啓(著者)

2025/11/03

帯に“協調性ゼロのキャリア刑事”ってあったのでオラオラ系の強い人かと思ってたらそうじゃなくて、こういうタイプの刑事ってはじめてかもと思って読みました。

天才的なカンの鋭さと分析力で初動で犯人を割り出すいわゆる倒叙ミステリーです。
ライトな感じなので普段ミステリーを読まない人や中高生のミステリー好きにおすすめ。

2025/11/02

警察モノの小説をなめているのか。タイトルは面白そうだと思ったんだけど。なんなら「論理的思考」のこともなめてるのか。

「論理的思考による帰結」が単に「妄想がうまく当たったね」としか見えない構成はいかがなものか。どんな論理的思考を経ているのかが、あまりに単純かつシンプル（あえての重複）すぎて、それ……ほかに誰も思いつかなかったの？という感じ。

主人公の阿比留が、警察のなかで「使えない」人として「勝手に動け」と言われているとしても、ほかの「使える」方々は、それにまったく気付かなかったのか？気付かないもしくはスルーするとしても、その背景は何もなしなのか？
しかも「勝手に動け」と言われたからって、どの事件でも真っ先に関係者として挙がる人たちのところに押しかけて、事件の詳細をペラペラしゃべるのはいかがなものか。それ、捜査の妨害にならない？ねぇ、大丈夫？

ついでに、読者にはあらかじめ殺人事件の詳細＆犯人が分かる倒叙ミステリーなんだけど、どの犯人も粗すぎる犯行計画なのに「これで完全犯罪できる」とか自信を持って殺人に突き進むのが微妙すぎる。
むしろなぜ！それで！完全犯罪にできると思ったのか！穴だらけ！！！
犯人それぞれの追い詰められていた事情は分かるよ。でも、その計画でいけると思うのは意味が分からない。
意味が分からないくらいに追い詰められてたということなのか。それならもう少し、なんというか、そういう感じの描写をしてほしい……。

最後の特殊メイクアーティストの事件が、かろうじて一番犯人側も推理側もよかったかな、とは思う。
さくさく読めて読みやすくもあったけれども、そこまで。この証拠からこう推理するんだーとか、犯人のこういう穴がここにつながっちゃうんだ！みたいな驚きや、仕掛けがさっぱりなくて、全体的に肩透かし感がすごい。

2025/10/15

東大卒のキャリアだがＫＹな阿比留と期待の若手・森下。阿比留の論理的思考（想像）がバシバシ当たるが、証拠もなくどうやって立件に持ち込むかがミソ。2人の会話ほか、面白い要素がたくさんで楽しく読了。〈みゅうみゅう〉のXももっと見たいので、続編希望！

2025/09/30

数学力で推理するのかと思っていたらそんなこともなく、最初に犯人が提示されてからストーリーが進行するのでなんとなく物足りなさを感じてしまう。
キャラクターは個性的で会話の掛け合いは面白いだけに推理面での物足りなさがとっても残念でした。

2025/08/10

東大卒・父親が警察庁のエリート官僚の
ボンボン警部が、
周囲に煙たがられながらも
独自の推理で事件を解決に導いていくミステリー集。

上記のとおりの人間模様なので
会話劇なども内容が面白いとかではないけれど、
とかくテンポがいいので
それはそういうもの、程度の認識でどんどん読み進めていける。

事件を解決していくごとに認められていくのはお約束。

ただしれっと味方のような顔をしそうな女性巡査部長のスタンスは好きじゃないぞ？

2025/08/06

ミステリー読み始めようと考えている人や、中高生向けという印象。
連続刑事ドラマの2話目か3話目あたりにありそうな事件が3話。
犯人は読者に提示されているので、刑事である主人公が証拠やアリバイをどう崩すかという部分が見所ですが、特にどんでん返しはありません。
一番引っ掛かったのは国会議員の事件。そもそもずぶ濡れで徒歩で帰宅して誰にも見咎められなかったのだろうか…？　赤いジャケットなんて目立つだろうに、ど田舎ならともかく東京で？？

2025/07/28

いや、まさか、まさか！
河出文庫でこんな読みやすいキャラクター小説みたいなミステリーが読めるとは……。
本作は3つの章からなる。主人公阿比留徹は童顔でサイコパス(後輩談)。数学が得意なエリート。でも周囲からかなり浮いている存在。でも嫌味なキャラではなく、むしろ個人的には庇護欲をそそられる存在。そんな彼と個性的な捜査一課のメンバーが殺人事件の謎を解き明かす。と言っても犯人が先に分かっているタイプのミステリー。
ミステリーとしてはシンプルでわかりやすい。262ページ程の本だが1時間半もせずに読み切れるほど、テンポよくわかりやすい。
まだまだキャラの関係性なども気になるところ。続編が出ればぜひ買いたいところ。

2025/07/27

システム上できませんが、気持ちは4.5です。
個人的に新しいタイプの主人公でした。
周りの方々も個性的な方ばかりで印象に残りやすく、何よりもお話の展開やテンポが心地よくて、最後まで楽しく、そしてあっという間に読破することが出来ました。
犯人の方々が少々ん？と思うところがあり、また主人公の頭のキレが少しだけ異常では…？と思ってしまうところがあったので、-0.5とさせていただきました。
でもとても面白かったです！
もし続編が出る！なんてことがありましたら、絶対に買います。