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ルポ 薬漬け 医療とビジネスの罠
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 地平社 |
| 発売年月日 | 2025/06/03 |
| JAN | 9784911256213 |

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商品レビュー
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2件のお客様レビュー
地方紙のプレゼント企画でいただいた本。 読む前は若干誤解していて、「医者にかかると、たとえ薬が不要であっても、診療報酬が安いのを補うために薬を処方されることが往々にしてある」というような話だと思っていた。高齢者が不調を訴えるたびに何らかの薬を処方され、さらにはその薬で胃が荒れるか...
地方紙のプレゼント企画でいただいた本。 読む前は若干誤解していて、「医者にかかると、たとえ薬が不要であっても、診療報酬が安いのを補うために薬を処方されることが往々にしてある」というような話だと思っていた。高齢者が不調を訴えるたびに何らかの薬を処方され、さらにはその薬で胃が荒れるから胃腸薬、などと、芋づる式に多くの薬を飲む羽目になる、というのは時々聞く話である(診療報酬の問題だけではなく、受診してきた患者に「大きな問題ではないですから安静に」などというより、薬を出した方が患者も納得しやすいという面もあるのだろうが)。 それはそれで問題だろうが、本書の主題は、主に精神科の薬に焦点を当てている。 本書の主張を全部鵜呑みにしてよいのかどうか、少々判断に迷うところはあるが、なかなか闇が深そうではある。 精神科が日本で敷居が低いかというと、そうとは言い切れない気がするが、「うつは心の風邪」といったフレーズを聞くようになったころから、以前よりは受診しやすくはなっているのだろう。「精神病院」「精神科」ではなく「メンタルクリニック」「心療内科」という看板も入りやすくなっている所以かもしれない。 日本人は概して、薬への抵抗感が低いそうである。何か症状があれば、市販薬に手を伸ばすし、病院を受診して医師に薬を処方されれば素直に服用する傾向が強いという。そして往々にして、多くの薬が処方され、「薬漬け」の状況が生じる。だがその裏には、「政治とビジネス」が絡んでいる、というのが本書の主張である。 現役世代には向精神薬、高齢者に認知症薬や血圧降下剤、子供にADHD治療薬。そして若者たちは市販薬でオーバードーズする。 どんな薬でもそうだが、効力がある薬には副作用がある。毒と薬は紙一重なのだ。何らかの作用があるものを服用する際、飲み方を誤れば害が生じる可能性はある。 精神科の薬も同様で、精神に何らかの影響を及ぼすのだから、使用には注意を要する。しかし、製薬会社にしてみれば、商品なのだから売りたい。それもできるだけ多く。 得てして、さまざまな学会や研究会は製薬会社のサポートを受ける。実際に処方する医師とのパイプは非常に重要なのだ。それは癒着とばかりは言えない。前向きな研究開発にプラスの場合もあるだろう。けれども、行き過ぎると、いわゆる「ズブズブ」の関係になる危険は大いにある。 そこに行政がうまく介入する仕組みができていればよいのだが、国の制度はそう柔軟ではなく、弊害が起こるのを止められなかったり、また起きてしまった弊害に迅速に対応できなかったりする。 精神病の薬の場合、副作用のために、精神にさらに不均衡をきたすことがある。それを抑えるために別の薬を処方されて多剤服用の泥沼にはまり、依存に陥ることも珍しくないようだ。また、症状が好転したから減薬しようとする場合にも、注意深く少しずつ行わないと、症状がぶり返したり悪化したりする。そこには医師の注意深い介入が必要だが、なかなかそういったきめ細かな診断ができる医師は多くない。 最悪の場合、悪循環にはまった挙句、自死を選ぶ患者もいる。薬を服用していなければ防げたのではないかと思われる悲劇も、著者は紹介している。 概して、精神疾患には(いや、ほかの疾患もそうなのだろうが)、「夢のように効き、何の副作用もない素晴らしい薬」などというものは存在しないのだろう。息の長い、丁寧な診察・対処が必要なのだが、それはなかなか困難で、業界全体としても余裕がないのが実情であるように見える。
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日本の薬事情と共にオーバードーズに陥ったルポを綴る。鬱症状で苦しむ女性が薬の服用により心身バランスが崩れ家族や知人の手では助けられないような状態に陥った話、家庭の複雑な事情により薬に頼るようになった話、どの話も壮絶な体験ばかりで読んでいると苦しくなる。
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