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怪談小説という名の小説怪談 新潮文庫
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怪談小説という名の小説怪談 新潮文庫

澤村伊智(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2025/05/28
JAN 9784101059815

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商品レビュー

3.9

46件のお客様レビュー

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2026/04/24

構造としてはオカルト(超自然現象の恐怖)を題材にあつかった短編ミステリー小説で、全7話の完成度がいずれも高く、オカルトでなくても成立するトリックもあれば、オカルトだからこそ成立し得るトリックもある。そしてオカルトホラーといえば、映像や語り(音声)など、実際の感覚に訴えられる媒体も...

構造としてはオカルト(超自然現象の恐怖)を題材にあつかった短編ミステリー小説で、全7話の完成度がいずれも高く、オカルトでなくても成立するトリックもあれば、オカルトだからこそ成立し得るトリックもある。そしてオカルトホラーといえば、映像や語り(音声)など、実際の感覚に訴えられる媒体ものがあるためか、特にテキストでなければ成し得ない怖さというものに自覚的に創作されていて、ジャンルとしての小説怪談はこうあるべきという、ジャンルの牽引者的な著者の強い意志が感じられた。超自然現象の恐怖は、超自然が当たり前の世界(たとえばファンタジー)では描けないから、超自然が一応否定されている世界、つまり現実であること、現実味こそが担保されてなければならないということになるのだろう。となると、現実に生きている態(てい)の書き手が怪奇現象に巻き込まれていくという体裁は、現実味の担保と言う意味では用いやすいのであるが、最終編以外はそうでなく、堂々物語の土俵で勝負しているのが凄いと思うし、最終編もモキュメンタリーではあるが、物語(ストーリー)としての面白さと読後の余韻がある(つまり平たく言えばきちんと結末がある)のも凄いと思う。

Posted by ブクログ

2026/03/20

恐怖短編集。 どれもゾワゾワした。 澤村さんの短編は面白い。 「こうとげい」「うらみせんせい」が好み。

Posted by ブクログ

2026/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

以前、わたしの中で怪談小説ブームが訪れている。普段は実話怪談モノを好んで読んでいるのだが、現代ホラーも見てみたいと思い手に取った一冊。 短編集ということもあり、好みかそうでないか、印象の濃い薄いに多少の差は出てきそうだが、個人的にはなかなか楽しめた。良い一冊であった。 ◯高速怪談◯ 手頃な値段で帰郷のため、高速代やガソリン代をカンパしながら一台の車に乗り合わせた若手の作家や編集者、カメラマン、漫画家夫婦。乗車中に各々怪談を披露するシーンがあり、途中で編集者が自身の語りで凶悪殺人犯の匂わせを始めた際は「人怖系の話かな?」と思ったが、結末はそうではなかった。SAにて休憩中している際、漫画家が戯れに描いた似顔絵(らくがき)にそっくりな女の死体が転がってくるラストはなんとなく「世にも奇妙な〜」に似たテイストを感じた。 ◯笛を吹く家◯ 子供が失踪すると言う噂の廃墟に魅入られてしまった息子。作中でハーメルンの笛吹きにも触れていたので、てっきりそういう年齢なのかと思ったら「三十七歳だぞ!?連れて行ってくれる訳がないだろ!?」と言う主人公のセリフで唖然とした。そりゃそうだ。ハーメルンもそんな中年のおじさんはお断りだろう。 実際にあった事件(元官僚の父親が引きこもりの息子を……だったり、登戸で引きこもりの男が……だったり)に触れながら描かれる、生きづらさを抱えて長年引きこもってしまった息子と、彼の子育てに疲労しきり、産んだこと自体を後悔している高齢の夫妻の構図がなんとも現代的で胸が苦しい。この夫妻も、もう少し早い段階で福祉に頼れていたらなく何かが変わっていただろうか。 ラスト、主人公が廃墟で息子を探しながらも、内心では「連れて行ってくれ」と願うシーンがなんとも悲しい。「ここは要らない子供を連れて行ってくれる家なのではないか?」。彼らにはもう、それしかもう縋る手立てがないのだろうから。 ◯ククダの仮面◯ とある映画制作チームのメンバーが次々に非業の死を遂げていく話。ホラーというよりはサスペンスを読んでいるようで、読みながら「連続殺人犯は誰なのか?」とハラハラした。暴力を伴ういじめの描写が陰湿で、胸糞にも感じる。犯人、というより原因は結局なんだったのか?個人的にはいじめを苦に自殺した主演俳優による呪い、ないしはその母親の怨霊説を支持する。いずれにせよ超常的な事由で起きた事件ということだ。 ◯こうとげい◯ 因習村っぽい話。新婚旅行で訪れた田舎村のタブーを知らないうちに破ってしまって……みたいな感じ。こういう話で語られる神やら妖怪やら物の怪の存在も恐ろしいが、一番怖いのはそれを信仰している地元の人間たちの狂気的な振る舞いにあると思う。 生贄にされかけていた柴田夫妻を果敢にも助けてくれたミカちゃんは無事だろうか。少なくとも彼女に手を貸した叔父は夫妻を逃した後に恐らく死んでしまっただろうから、ミカちゃんだけは助かってほしいのだが。 ◯うらみせんせい◯ 閉鎖した校舎内に閉じ込められた生徒たちが、何者かによって順番に襲われて惨殺されていく。そこから逃げて生き延びるための攻防劇。描写が最もグロいがこの本の中では一番好きな話でもある。胸糞描写が続いてからの、スカッとする復讐劇。 今までみんなの足を引っ張っていた鈍臭い「猪木ちゃん」が、生徒に疎まれ続けていた「横山先生」に豹変するシーンがゾクゾクした。わたしも含めて、猪木ちゃんのあまりの役立たずっぷりにイライラしていた読者はここで思わず息を呑んだのではないだろうか。 ちなみに生徒をキルしまくる殺人鬼こと『浦見先生』はたぶん人外だからだろうが、三階の窓から平然と入ってきたり、乗用車をペシャンコに潰したりと身体能力が常軌を逸していて面白い。めっちゃ機敏なジェイソンっていうか……。生徒からの教師イジメに耐えかねていた横山先生の祈りや願いに応えて現れたようだが、マジで彼の正体はなんなんだ?学校に巣食う特級呪霊? ◯涸れ井戸の声◯ これも世にも奇妙感ある。作者不明、出所不明の、ネットでまことしやかに囁かれる最恐ホラー小説の話。岸辺露伴の「くしゃがら」ではないが、これは「涸れ井戸の声」という小説の存在を知る、そしてそれを読みたいと思ってしまった瞬間から取り憑かれる怪異なんだろうな。 ◯怪談怪談◯ モキュメンタリー風。風邪をひいて途中退場した徳山がまさかこんなに大活躍するとは。彼がこども荘での悲劇を語り継ぐ理由って本当に悪意なきものなんだろうか。不二先生だけでなく彼もまた何かしらの怪異に取り憑かれていて、筆者の取材を通じて霊障を拡散することで、何か悪いことを起こそうとしているんじゃないのか?

Posted by ブクログ

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