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マリー・アントワネットのお菓子 姫君の世界史
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マリー・アントワネットのお菓子 姫君の世界史

大森由紀子(著者)

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マリー・アントワネットのお菓子 姫君の世界史

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 創元社
発売年月日 2025/05/12
JAN 9784422215471

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2025/06/14

この文書は、大森由紀子氏による「マリー・アントワネットのお菓子(姫君の世界史)」の詳細な内容要約で、マリー・アントワネットの生涯をお菓子という独特な視点から再考する革新的なアプローチを採用しています。著者は、従来の残酷で享楽的な女王像とは異なる、甘党の一面から彼女の人間性を探求し...

この文書は、大森由紀子氏による「マリー・アントワネットのお菓子(姫君の世界史)」の詳細な内容要約で、マリー・アントワネットの生涯をお菓子という独特な視点から再考する革新的なアプローチを採用しています。著者は、従来の残酷で享楽的な女王像とは異なる、甘党の一面から彼女の人間性を探求し、18世紀の菓子が手作りから大量生産へと移行する時代背景の中で、彼女の人生と思いを身近に感じられるよう描いています。宮廷のお菓子に関する資料がほとんど残っていない中、既存のレシピや文書から彼女の嗜好や時代変化を読み解く学術的なアプローチが特徴的です。 第一章では、マリー・アントワネットが生まれ育ったハプスブルク家の豊かな食文化が詳述されています。政略結婚の道具として育てられた彼女が、パン・デピス(香辛料のパン)やショコラといったオーストリア宮廷の伝統的なお菓子に親しみ、王妃としての教育を受ける過程が描かれています。特に注目すべきは、当時宮廷財政を圧迫するほど高価だったショコラの文化や、ザッハトルテに代表されるオーストリア菓子の伝統、そして1683年のウィーン包囲戦勝利を記念して生まれたとされるクロワッサンの起源など、専門的な菓子史の知識が豊富に盛り込まれています。 第三章と第四章では、フランス王妃としてのマリー・アントワネットの食文化への影響と、プチ・トリアノンでの私的な生活が焦点となっています。ヴェルサイユ宮殿での華麗な晩餐会から、プチ・トリアノンでの堅苦しいエチケットから解放されたシンプルな生活まで、彼女の多面性が描かれています。特に、片手で食べられるタルムーズ、雪の卵を意味するウッフ・ア・ラ・ネージュ、そして彼女のお気に入りだったフロマージュ・グラッセ(アイスクリーム)など、具体的なお菓子の名前とその文化的背景が詳細に説明されています。また、セーヴル磁器への愛好や、1774年に開設したアイスクリームパーラーなど、彼女の個人的な趣味嗜好も興味深く描写されています。 第五章では、フランス革命期の激動の中での食卓の変化と、マリー・アントワネットの悲劇的な最期が描かれています。首飾り事件による評判の失墜、「パンがなければブリオッシュを食べればいいのに」という有名な(しかし実際には彼女が言ったという記録のない)逸話の検証、スウェーデンのフェルセン伯爵との書簡から読み取れる愛情、そして幽閉から処刑までの過程が、食事という日常的な側面から描かれています。革命後の宮廷菓子職人たちの運命や、菓子作りの大衆化についても言及され、歴史の大きな転換点が個人の生活にどのような影響を与えたかが示されています。 本書の最も重要な貢献は、お菓子という文化的媒体を通じて、マリー・アントワネットの人間性と18世紀ヨーロッパの社会変動を結びつけて理解する新たな歴史的視点を提供していることです。単なる菓子の紹介に留まらず、宮廷文化、社交界の変遷、技術革新、政治的激動など、多層的な歴史的文脈の中でお菓子の社会的意義を探求しています。また、パン・デピスからクロワッサン、ザッハトルテまで、現代にも受け継がれる菓子の伝統が、いかに歴史的人物や時代背景と深く結びついているかを示し、食文化史としても高い学術的価値を持っています。 この著作は、歴史学と食文化研究の学際的アプローチの優れた例として、マリー・アントワネットという複雑な歴史的人物を、これまでにない角度から照射することに成功しています。お菓子という日常的でありながら贅沢品でもある食品を通じて、個人の嗜好と社会の変動、伝統の継承と革新、そして歴史の表舞台と裏舞台を巧みに織り交ぜた、独創性の高い歴史的考察となっています。

Posted by ブクログ