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西洋近代の罪 自由・平等・民主主義はこのまま敗北するのか 朝日新書1000
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
| 発売年月日 | 2025/04/11 |
| JAN | 9784022953131 |
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西洋近代の罪
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商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
私的な富は、他者との関係において意味を持つため、希少なものとして存在しており、交換価値を持つ。たくさんあったものが少ないものへと転換すると、私的な富は増えるが、公的な富が縮小したことを意味する。公的な富と私的な富は、負の相関関係にある(ローダーデールのパラドクス)。 新しいアイ...
私的な富は、他者との関係において意味を持つため、希少なものとして存在しており、交換価値を持つ。たくさんあったものが少ないものへと転換すると、私的な富は増えるが、公的な富が縮小したことを意味する。公的な富と私的な富は、負の相関関係にある(ローダーデールのパラドクス)。 新しいアイデアや発明は既存の支配機構を脅かしたり破壊したりする可能性があるため、支配者が嫌う傾向にある。そのため、包摂性が乏しく収奪的な政治制度は、十分な経済成長をもたらさない。 資本主義の競争の中で後発的なグループにある国民国家は、経済的な豊かさを確保しようとすると右派ポピュリズムに基づく権威主義的な体制に近接していく。例として、2010年以降オルバン首相が独裁的なリーダーシップをとるハンガリーがあげられる。 資本主義は、不均質性を必要としており、時には政治的な権力や軍事力を用いてそれを維持したり、創出されることがある。したがって、グローバルな市場は、周辺化されたり抑圧されたりしている人々を生み出すことになる。彼らは、その境遇を特徴づけるナショナルやエスニックや文化的な特殊性に同一化して、特殊な属性に自らのアイデンティティの拠り所を見出すことになり、結果として分断をもたらす。 暴力的な政治運動よりも、非暴力の運動の方が、成功率は約2倍高い(チェノウス)。人口の3.5%以上が動員された運動で失敗したものはひとつもない。 トランプ支持者は、トランプの欠点や否定的な性質にこそ同一化し、愛着している。そのため、トランプを貶めようとするリベラルなコメンテーターの発言はかえって反発を呼び、トランプへの支持を高めることになる。また、トランプのリベラルな人に対する顰蹙を買うようなふるまいや、不適切な言葉を使った発言は、支持者に対して自分たちの仲間であることを示す強いメッセージとして機能した。 1990年頃までの資本主義と異なり、サプライチェーン型のグローバリゼーションに基づく資本主義は、先進国の中産階級だけが所属が伸びない仕組みになっている(ミラノヴィッチ)。そのため、格差が急激に拡大する。 寛容な社会、許容的な社会という理念の極限には、一切の道徳の効力が停止する状態、すべての道徳から解放された状態が待ち構えている。したがって、リベラルの多様性・公平性・包摂といった理念は、道徳の不在の不安という疑念を生む。こうした不安を抱くものは、寛容や許容の中で消滅しかけている保守的な価値観、古き良きコモンセンスを称揚し、リベラルの理念に対置する。その道徳や規範が時代遅れのものと感じる保守派は、リベラルが成しとげようとしていることをただ否定することになる。
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「動物化するポストモダン」を思い起こさせるアニメ・映画を題材とした論評含め、各論は面白い。ただ、月刊誌連載した論評をまとめたものなので、全体としてのトピックのまとまりには欠ける。勿論、重要な関連性もあるのだが、個人的にはもう少し主題が絞られていた方が◯ ・グローバルな資本主義の...
「動物化するポストモダン」を思い起こさせるアニメ・映画を題材とした論評含め、各論は面白い。ただ、月刊誌連載した論評をまとめたものなので、全体としてのトピックのまとまりには欠ける。勿論、重要な関連性もあるのだが、個人的にはもう少し主題が絞られていた方が◯ ・グローバルな資本主義のもとで同時発生するナショナリスティックな権威主義。 ・ガザの問題は植民地主義と民族主義という西洋の二つの罪悪を鏡映しにする。 ・敗戦後日本の民主主義はGHQによって作られたものであるために、反植民地主義や反民族主義を真に内面化しトラウマを克服することなく、戦後を引きずっている。 ・虚構の「セカイ」を描く日本人は、世界に対する直接的なコミットメントを持たない。「事実」とは区別される「真実」性とは、コミットメントによりもたらされる。一方で、現実に意味を与えるのも主観的な虚構でありナラティブという、ポストトゥルース的状況。 ・啓蒙主義に基づく西洋近代思想の本質は自己批判性を備えること。しかし、封建制の歴史のあるヨーロッパと比べても西洋の「純化」とみなせるアメリカが、西洋の普遍的価値を否定している。 ・もともとリベラルだったはずの層がテック右派やオルタナ右翼として共和党支持層へ鞍替えしているが、そこにはリベラルが推進する「寛容な社会」の先に予感される道徳の真空地帯への恐怖がある。許容性の拡大は、伝統的な道徳から離脱していくプロセスでもあり、その結果、排外主義や不寛容へと転じている。トランプ大統領はむしろリベラルの指向する姿の極限。 ・こうして、資本主義経済下での中間層の没落を経験したアメリカは、基盤となるはずの自由や道徳資本の喪失、理念の揺らぎを経験している。 上記が特に重要/鋭い洞察と思ったポイント。一方で、他のレビューでも書かれていたが、「日本はかくあるべし」という論にはあまりにも現実感が感じられない。なぜなのか。
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