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木に「伝記」あり 巨樹イチョウの史料を探して全国を歩く 朝日選書1048
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木に「伝記」あり 巨樹イチョウの史料を探して全国を歩く 朝日選書1048

瀬田勝哉(著者)

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木に「伝記」あり 巨樹イチョウの史料を探して全国を歩く 朝日選書1048

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 朝日新聞出版
発売年月日 2025/04/10
JAN 9784022631398

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商品レビュー

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2025/08/16

イチョウはいつ、日本列島に渡来したのか。 ある特定の樹木の歴史を、今も生きる巨樹そのものと古文書、古記録から多面的に明らかにする試みにわくわくしました。 また、中国や韓国とは異なるイチョウや巨樹信仰についての解説も初めて知ることばかりで本当に興味深いです。 それにしても、著者に共...

イチョウはいつ、日本列島に渡来したのか。 ある特定の樹木の歴史を、今も生きる巨樹そのものと古文書、古記録から多面的に明らかにする試みにわくわくしました。 また、中国や韓国とは異なるイチョウや巨樹信仰についての解説も初めて知ることばかりで本当に興味深いです。 それにしても、著者に共同研究を呼びかけた植物学者の先生が夫妻で巨樹を巡り、地道に観察や実測を続けて来られたという話は、苦労に思いを馳せると同時にこんな人生も素晴らしいなあと思いました。

Posted by ブクログ

2025/08/13

かおるひめさんのレビューで興味を持ち紐解いた。中世史学者の著者の元へある植物学者から手紙が届く。「銀杏(イチョウ)の日本への渡来時期を調査しているが、史料面からそれを調べてほしい」と。20年以上に渡る著者の全国調査が始まり、やがて岡山県奈義町にある菩提寺の大イチョウに行き当たるの...

かおるひめさんのレビューで興味を持ち紐解いた。中世史学者の著者の元へある植物学者から手紙が届く。「銀杏(イチョウ)の日本への渡来時期を調査しているが、史料面からそれを調べてほしい」と。20年以上に渡る著者の全国調査が始まり、やがて岡山県奈義町にある菩提寺の大イチョウに行き当たるのである。 全国の巨樹には謂れがある。しかし、きちんとした史料として残っているものは少ない。銀杏の史料として直ぐに思い至ったのは、2年前熊本城で見た大銀杏の謂れ(※1)であるが、残念ながらこの本には載ってなかった。しかし、意外にも岡山県奈義町の古代史が、物凄く突っ込んだところまで展開されていて、長年の疑問も氷解する部分(※2)もあり、とても興味深かった。 イチョウの大きさは幹回りで測るが、それさえ測定は難しい。表紙の菩提寺大イチョウを見たらわかるが、「チチ」が多数垂下し、地面に突き刺さってあるものも多いからだ。また、その表皮を煎じて飲めばお乳が出ると言う信仰もあり、災害で剥がれた枝を仏像に彫ったりしているので、幹回りで樹齢を考えるのは科学的ではない。 結果的には、推察されている13世紀に渡来したという説を裏付ける決定的な文献資料は見つけることはできなかった(幾つかの関連史料はあり)。ただ、14世紀半ばには、確実に摂関家の庭に植えられてはいたことは確かめられたようだ。14-15世紀の南北町・室町時代以降に、イチョウが日本で急速に広まっていったのは、中国・朝鮮・日本の活発な交流時代の影響だろう。日本にとっては、イチョウは「唐物」であり、憧憬の対象だった可能性がある。よって平安時代法然上人お手植えの菩提寺大イチョウ伝説は、かなり怪しいということになる。 著者が奈義町で見つけた文献資料は、江戸時代吉宗の時代(1720年)の、かなり具体的な江戸と地元代官とのやり取りなのであるが、その実証的な調査の仕方そのものが、現代の歴史学の主流「実証歴史学」(※3)を眼前に見させるものであった。また、岡山県のことを此処迄突っ込んで読めたことは嬉しかった(※4)。 ※1 熊本大地震から修理再建された熊本城天守閣の隣に大銀杏がある。一度西南戦争で燃えたらしい。昔から天守閣より高くなれば悪いことが起こるという言い伝えがあったらしい。現在、燃えた後の若芽から育ち高さ20mほどの大木になっている。残念ながら、未だ幹回り7m以上の巨樹になっていないせいか、本書に言及はなかったけど、熊本の巨樹記事は本書に2件載っていた。いずれもチチ信仰についてではあるが、熊本県には広くイチョウ信仰があったことは知ることができた。 ※2 4年前の夏、津山30人殺しの事件現場を訪ねた時に、直ぐ近くの古道の側に、熊谷直実慰霊の桜という古刹看板を見つけた。確かに法然上人高弟の直実が岡山県美作市にある誕生寺を建てたのだと伝えられているから、その帰りがけに山越をしたとしてもおかしくはない。けれどもどうしてこんな山道を?とも思った。この本を読んで疑問が氷解した。1764年、法然上人550年遠忌をキッカケにして所謂「聖地巡礼ガイド本」が作られた。菩提寺は法然少年が修行した寺だし、お手植えの奇跡の銀杏伝説があることから、誕生寺からの道順も詳しく書かれたらしい(八里・31.4キロ)。直実は誕生寺を訪ねた後は、当然菩提寺にも行くであろう。「法然上人25霊場」巡拝の道だったので、当時としては観光スポットとして道すがらに直実ゆかりの桜ぐらいはあって然るべきなのかもしれない。但し、誕生寺自体は直実が建てたという史実はなく、鎌倉時代創建らしい。おそらく弟子の直実が植えた伝説も、後世よくある「作りもの」だったのだろう。 ※3 実証歴史学の何たるかは、既にレビューした小郷和人「歴史学者という病」にある程度は語られている。 ※4 このような、かなり小難しい学術書には図書館の予約はそれほど入らないはずなのに、先日確かめたら現在4人の予約が入っていた。多分、奈義町のことを詳述しているので、関心持つ者が多いのだ。岡山県立図書館のみの現象だと思う。もしかしたら、ローカル新聞に書評が出たのかも知れない。

Posted by ブクログ

2025/07/02

植物学者やDNAの研究者との共同研究で、日本各地の イチョウを訪ね、文献資料を探究する、歴史学者。 その日々の中で、ある一本のイチョウの巨樹の歴史が現れる。 それは関わった人間の歴史でもあった。 カラー口絵2ページ ・はじめに 第一章 なぜ巨樹イチョウか――そもそもの私のミッショ...

植物学者やDNAの研究者との共同研究で、日本各地の イチョウを訪ね、文献資料を探究する、歴史学者。 その日々の中で、ある一本のイチョウの巨樹の歴史が現れる。 それは関わった人間の歴史でもあった。 カラー口絵2ページ ・はじめに 第一章 なぜ巨樹イチョウか――そもそもの私のミッション 第二章 全国にイチョウ史料を求めて 第三章 『美作高円史』の衝撃       ――古文書が語る「享保五年」の事件 第四章 史料の発見者「寺阪五夫」を追う 第五章 「一四、一五世紀」のイチョウ       ――東アジアを視野に入れて 第六章 菩提寺とイチョウに何が起きていたのか       ――中世から再び近世へ 第七章 なぜイチョウの「祟り」は復活するのか       ――「菩提寺略縁起」の誕生 第八章 幻の年代記『菩提寺古今録』は語る       ――江戸後期から明治へ 第九章 「史蹟名勝天然記念物」指定までの道程 第十章 菩提寺イチョウに吹く新しい風 ・おわりに 謝辞、参考文献有り。 共同研究で始まった、現存する巨樹イチョウの来歴を 文献史料で辿り調査する、ミッション。 植物学者による全国の巨樹イチョウのリストや、 仲間の研究者によるDNA解析で全国のタイプ別分布が 分かってきて、調査候補者選びの手掛かりとなった。 そして各地を巡り史料を探すが、縁起や「チチ信仰」は あれど絶対的な文字史料を欠いている。 ところが岡山の菩提寺イチョウとの出会いが衝撃となる。 イチョウそのものが主役『美作高円史』の存在。 御本丸御前御用で将軍吉宗が所望する「こぶ」と枝葉。 伐り取り命令の遣り取りの文書にあったイチョウの姿。 この文書の原史料はあるのか?関わった人たちとは? 子孫を探し話を聞き、図書館等へ足を運び、史料を探す。 それはまるでミステリー探索の如く。 浮かび上がってきたのは、菩提寺の歴史の流れの中での変遷。 由緒と縁起の発生。寺やイチョウに関わる人々の貢献と献身。 史料が失われてしまえば村の歴史が分からなくなる危惧。 しかし、それ以上のことは分からない壁にも突き当たる。 それでも、史料探求の困難さと一冊の本との出会いで 生まれる古文献の力には、何とも言えぬ感動がありました。 一本の木の「伝記」は、文字で遺されたこその 人の歴史でもありました。そしてイチョウの逞しさの歴史も。

Posted by ブクログ