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文庫からはじまる 「解説」的読書案内 岩波現代文庫 文芸366
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2025/03/18 |
| JAN | 9784006023669 |

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商品レビュー
4
3件のお客様レビュー
関川夏央は文庫本の「解説」を数多く書いており、その数200に及ばんとする、と本書に書かれている。本書は、その中から21編が選ばれ掲載され、一冊の本として編集されている。 紹介されているいくつかの作品は、関川夏央が解説を書いたかどうかとは関係なく読み、そして、読後に関川夏央の解説を...
関川夏央は文庫本の「解説」を数多く書いており、その数200に及ばんとする、と本書に書かれている。本書は、その中から21編が選ばれ掲載され、一冊の本として編集されている。 紹介されているいくつかの作品は、関川夏央が解説を書いたかどうかとは関係なく読み、そして、読後に関川夏央の解説を読んでいる。そして、その解説は、本文を更に面白く輝かせていたように感じる。 須賀敦子の「ヴェネツィアの宿」の解説を、関川夏央は「彼女の、意志的なあの靴音」という題名で書いている。関川夏央は、実は朝日新聞の書評委員会で須賀敦子と同席していたこともあり、旧知の間柄であったのだ。須賀敦子が亡くなったのが、1998年の3月、そして、「ヴェネツィアの宿」の解説を関川夏央が書いたのが、1998年8月であり、その解説は、同時に関川夏央から須賀敦子への「弔文」のような内容ともなっている。作品についての解説ばかりではなく、彼女の人生、彼女の業績、そして、「意志的なあの靴音」を持った彼女の個性を表す、見事な文章だと感じる。
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(借.新宿区立図書館) 文庫を中心にした解説を集めたもの。惹句の「残された時間で、なにを読むべきか?」が刺さるのは著者と同年齢だからか。とりあえず阿川弘之『南蛮阿房列車』を読書中。あとは須賀敦子にちょっと引かれているが。
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本書は、岩波現代文庫の一冊として、様々な文庫本を入り口に、日本の近現代文学、歴史、文化を深く読み解くための「解説」に特化した読書案内です。単なる作品紹介に留まらず、文学作品が生まれた時代背景、社会経済状況、作家の生涯と思想、作品間の影響関係などを、経済史や社会史、思想史といった隣...
本書は、岩波現代文庫の一冊として、様々な文庫本を入り口に、日本の近現代文学、歴史、文化を深く読み解くための「解説」に特化した読書案内です。単なる作品紹介に留まらず、文学作品が生まれた時代背景、社会経済状況、作家の生涯と思想、作品間の影響関係などを、経済史や社会史、思想史といった隣接分野の知見も交えながら多角的に掘り下げています。「解説のプロフェッショナル」による、読者に新たな視点と知的好奇心を与える、詳細かつ専門的な手引きとなっています。 第一部:近代日本の黎明と苦悩 明治時代の日本の急激な変化と、その中で生きた文学者たちの苦悩を描きます。 社会経済状況: 産業革命(特に製糸業)と農村からの安価な女性労働力の流入、デフレ政策による農村の疲弊と都市への人口集中、工場労働者の過酷な実態、米価変動による生活困窮(横山源之助の調査による熟練工の家計分析など)、日清戦争後の資本主義の成長と伝統的手工業の衰退などが解説されます。 樋口一葉: 父・則義の事業失敗や兄の早逝により困窮した樋口家の状況と、若くして家長となった一葉の苦労が、彼女の文学の背景として描かれます。 森鷗外: 「文づかひ」を中心に、エリスとの離別を巡る主人公の自己矛盾、友情との葛藤、将来への不安といった懊悩を、「屋根裏の灯」などの象徴的な描写を通して深く分析。晩年の「普請中」にも触れられます。 夏目漱石: 小説「門」の主人公夫婦が抱える過去と閉塞的な現在、劣等感や孤独感を、周囲の人物との関係性(地主・坂井など)から浮き彫りにします。漱石自身の病や満鉄総裁との交流など、執筆背景にある苦悩も示唆されます。 第二部:大正・昭和の潮流と文学の多様化 大正から昭和初期にかけての社会の変化と、それに伴う文学の多様な展開を追います。 作家たちの姿: 室生犀星の「片恋」改稿に見る繊細な感受性や晩年の変化、石川啄木の社会への抵抗意識(教育批判)と生活者からの共感、芥川龍之介の震災後の東京への驚き(「大東京鳥瞰図」)や安定した作家生活、文壇の動向(改造社の全集企画)などが紹介されます。 社会思潮と文学: 明治末期の芸術家集団「パンの会」と幸徳秋水らの思想的影響、警察の警戒など、社会思潮と芸術運動の関係性が示されます。 文学史的出来事: 中央公論社の「日本の文学」全集刊行を巡る、松本清張の収録に関する議論が詳細に語られ、選考に関わった谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫、ドナルド・キーンらの思惑や作家間の関係性が垣間見えます。 第三部:戦後日本の精神と文学の探求 戦後の日本の精神的な状況と、それに向き合った作家たちの多様な探求を描きます。 多様な作家たち: 三島由紀夫の戦後日本への批判、武士道への傾倒、行動と思想(徳岡孝夫との対談)。徳岡孝夫のジャーナリストとしての信念。伊丹十三のユーモアと独自の視点(「ヨーロッパ退屈日記」、「空っぽの容れ物」)。旧制高校という断面から近代を描く「教養」本。山田風太郎の「妖説」に見る独自の歴史解釈と戦争体験の影響。藤沢周平の時代小説における変化と農民精神への理解。小川洋(平野謙)の文学評論と近代文学史への視点(藤村「新生」論争)。原民喜の原爆体験と文学。阿川弘之の旅と回想に見る昭和史と老い。須賀敦子の繊細な感性と記憶の文学。浮谷東次郎の奔放な生き方。 同人誌「近代文学」: 戦後の重要な同人誌として、平野謙らによる「切実な自己表現」の追求と、日本文学への影響力が解説されます。 本書は、個々の文学作品や作家を孤立したものとしてではなく、歴史的・社会的文脈の中に位置づけ、経済状況や思想潮流、他の作家との関係性など、様々な要素を関連付けながら読み解く「重層的な視点」を提供します。文庫本という身近な入り口から、日本の近現代文学と文化の豊穣な世界へと読者を誘う、知的な刺激に満ちた読書案内です。
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