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火山のふもとで 新潮文庫
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火山のふもとで 新潮文庫

松家仁之(著者)

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火山のふもとで 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2025/01/29
JAN 9784101055718

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火山のふもとで

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商品レビュー

4.2

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2026/01/14

穏やかで静かな時間が流れているのに、少しずつ何かが動いている。 日常の細やかな描写が美しくとても心地良かった。 外から眺める浅間山は毎日 ただそこに悠然と佇んでいるように見える。でも実際はその地中、奥深くでフツフツとマグマが活動に備えて準備をしている。 坂西青年と彼を取り巻く設...

穏やかで静かな時間が流れているのに、少しずつ何かが動いている。 日常の細やかな描写が美しくとても心地良かった。 外から眺める浅間山は毎日 ただそこに悠然と佇んでいるように見える。でも実際はその地中、奥深くでフツフツとマグマが活動に備えて準備をしている。 坂西青年と彼を取り巻く設計事務所の人々、そして浅間山が連動しているようで、だから「火山のふもとで」なのだと納得した。 鳥や蝉の声、雨や風の音、レコードがら流れる音楽や車内での沈黙。 太陽の光と停電の暗闇、そして蝋燭の灯り。 桂の木が青々と茂る様子から黄葉し、やがて骨格標本のように枝だけになる様子。 桂の葉の甘い匂い、コーヒーの香りやお料理の匂い、石鹸の香り。 朝食のサラダや素朴だけど丁寧な料理、焼きたてのスコーン。 夏の暑さと嵐の風雨、冬の寒さと雪。 物語の中には沢山の鳥が鳴き声を奏で、光と闇がバランス良く訪れ、季節の移り変わりが桂の木を通して描かれ、色々な匂いが香り、美味しい料理を食べ、気温や風を肌で感じる。 常に五感の全てに働きかけてくる。 物語は1人称なのに登場人物1人1人のキャラクターが際立ち、1人称の物語であることを忘れてしまうことさえあった。 先生の建築家としての間取りの考え方やきめ細やかな配慮、そして控えめで穏やかな性格は多くを語らないのに大きな存在感を放っている。 品種改良されたスミレと、鉄やコンクリートでできた高層ビル。 藤沢さんと坂西くんの会話で構成されるこの場面で、作者は自然に対して人間が手を加えることへの警鐘を鳴らしたかったのでは無いかと思った。 人間の都合で作ってきた沢山のものは果たして本当に必要なのか。 私の中ではこのことは常に大きなテーマで、いつも自問自答している。作者が言いたいことが私の中にグッと食い込んできて共感する。 先生と奥さんと藤沢さん、坂西くんと真理子と雪子。坂西くんはそれぞれへの気持ちを持ちながら、この後も「夏の家」で過ごすのだろうか。 フランク・ロイド・ライトの落水荘、ミース・ファン・デル・ローエのグッゲンハイム美術館、アスプルンドのストックホルム市立図書館、マルティン・ニーロップのコペンバーゲン市庁舎など、世界の有名建築。 アルヴァ・アアルトのパイミオ・チェア、ハンス・J・ウェグナーのスリー・レッグド・シェルチェア、マーク・ロスコの抽象画など、家具や絵画。 これらを頭の中で思い浮かべると、一気に視界が広がり、そこも楽しい。

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2026/01/10

建築家の事務所に入所した青年が、北浅間の夏の家で過ごしたかけがえのない日々を綴った小説。まず浅間山や軽井沢で過ごす風景がありありと浮かんでくる、優しい・自然への愛情に満ちた主人公の描写が美しい。加えて建築に携わる者として、優しさと同時に建築に対する愛情が深い建築家の人柄(恐らく吉...

建築家の事務所に入所した青年が、北浅間の夏の家で過ごしたかけがえのない日々を綴った小説。まず浅間山や軽井沢で過ごす風景がありありと浮かんでくる、優しい・自然への愛情に満ちた主人公の描写が美しい。加えて建築に携わる者として、優しさと同時に建築に対する愛情が深い建築家の人柄(恐らく吉村順三がモチーフ)に惹かれた。建築家が建てた教会について語るシーンでは、「一般的に建築家が建てる建築は大きく歌いあげる様なものが多いが、先生の建築は朴訥で聴こえなければそれでいいというような静かな建築」、と語られていた。常々思うが建築家が作る作品を体験するとその人の人柄が見えることが多い。今回の先生もまさに人柄の描写と作られる建築のイメージが一致する描写だった。

Posted by ブクログ

2025/12/24

「軽井沢の山荘」で有名な建築家の吉村順三がこの本の「先生」のモデルになっている。 建築のディティールだけでなく、あらゆる描写が丁寧で、細かい。軽井沢の東京よりもひんやりとした澄んだ空気感、鳥の鳴き声や羽ばたき、建築素材の質感まで、頭の中で繊細に浮かび上がる。 小説として大きな...

「軽井沢の山荘」で有名な建築家の吉村順三がこの本の「先生」のモデルになっている。 建築のディティールだけでなく、あらゆる描写が丁寧で、細かい。軽井沢の東京よりもひんやりとした澄んだ空気感、鳥の鳴き声や羽ばたき、建築素材の質感まで、頭の中で繊細に浮かび上がる。 小説として大きな展開はほとんどないが、偉大な建築家の先生の元で過ごした、駆け出し建築家の青春がぎゅっとつまっている。 個人の建築設計事務所ってめちゃくちゃブラックで多忙で薄給のイメージがあるのだが、こんなにホワイトな事務所があるのだろうか…? 年末で仕事が忙しかったこともあり、細かい描写が多くて、物語の起伏も少ない本だったので、読みながら何度も寝落ちして、読み終わるのに物凄く時間がかかった。 寝る間を惜しんで読み耽るまでにはいたらなかったので、星3。

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