東大理三の悪魔

幸村百理男(著者)

• 販売会社／発売会社: 宝島社
• 発売年月日: 2025/01/28
• JAN: 9784299063083

商品レビュー

2025/03/16

「光あれ」と神は言った。すると、光子があった。

上記の文からこの本は始まる。この時点で、なんだこの本は！と好奇心がくすぐられる。聖書の創世記を物理学の理論で解釈するなんて考えたこともなかったので、私自身は物理が苦手なものの非常に興味深く面白く読めた。

個人的に一番好きな場面は主人公タムラが禁煙するところで、彼は禁煙のメカニズムを頭に入れ禁煙を実行するものの、大して美味さを感じていない百害あって一利なしのタバコが吸いたくて堪らなくなる。頭で理解できているのに体は思い通りにならず不条理さに苦しむ部分は実感を伴った言葉であるように感じた。(タムラがとても苦しんだのは別の精神的負担も原因と思われるが。)

作品の内容は面白いが、これを書いた時あるいはこの作品のネタを思いついた時の著者の精神状態が心配になったのは私が凡人だからだろうか。

2025/02/26

2025年2月26日、Yahooフリマでクーポン使おうと思い本棚を見てた。このブクログで「狂いのすすめ」のレビューを書いてる人の本棚を覗かせてもらったらこの本があり、理IIIがタイトルに！？って驚いて興味湧いた。

2025/02/19

「タムラノボル」や「小人」や「別次元の世界」など、村上春樹のオマージュ作品？と思いましたが、あとがきに特にそのような記述はありませんでした。
数学的要素が強いのに、文系の私でも「理解した気にさせる」文章でした。よくよく考えるとさっぱり分かっていないのに、何故？