ヤンキーと地元 解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち ちくま文庫

打越正行(著者)

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 2024/11/09
• JAN: 9784480439840

商品レビュー

2025/12/22

参与観察(質的調査の一部)による研究のまとめ。

本で繰り返し出てくる視点。
ただし沖縄の一部の面だけであると思うけど。

・地元から出られない／出ない
・学歴・資格・移動資本が乏しい
・仕事も人間関係も地元依存
・先輩後輩の絶対的地位
・暴力　建設現場、学校、恋人間でも
・地元ネットワーク

「ヤンキー＝地元密着型」

「外に出られない／出ない若者文化」

沖縄は特に
• 島嶼性（物理的に出にくい）
• 低賃金構造
• 本土進学＝経済的ハードルが高い

2025/12/16

沖縄の若者のハードな生活・労働環境について、自ら暴走族の仲間に加わり、一緒に働いたりして参与観察という研究方法を用いて書かれた作品。
参与観察の方法に度肝を抜かれた。

ただ、ここでも一番辛い立場に置かれるのは女性なのだなと思った。
風俗店の経営者となった男性の元で働くのは女性。
暴走族の先輩から殴られ、職場の先輩から殴られた男性は家庭で女性を殴る。
離婚歴のある男性が多数登場するが、皆子供の養育は元妻がしている状態。
そういった女性を研究しているのが上間陽子さんなのだなと。

最後、研究においてホモソーシャルに言及していたのがよかった。
この研究方法は男性でなければできないなと思ったので。

2025/12/12

当時のリアルな生活史ではあるが、沖縄の友人と話すと現状は古くなってしまっている印象。

肝はそこではなく、参与観察の手法や工夫においては、会社組織の形成、醸造にも活かせる部分もあると感じた。