商品レビュー
3.2
13件のお客様レビュー
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目の前に溢れるあらゆる情報に対して、「リテラシーを身につけよう」という姿勢で立ち向かうことの限界を感じて、この本を手に取りました。 「耐えを忍ぶ」ネガティブ・リテラシーの大切さはその通りだと思いますが、アテンションエコノミー全盛のSNSがある中で、答えに飛びつかないことの難しさも感じました。
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2025.07.23-2025.10.04 この本を読み切るのにかなり苦労した。というのも、「ネガティブ・ケイパビリティ」を連想するタイトルに惹かれ心理学的な内容かと思い購入したところ、しっかりとデモクラシーやメディア論から取り上げて考える内容となっており、理解が追いつかない部分が多かったのである。これは私の基礎的な知識が十分ではなかったためで、メディア論や政治学などの知識があればすんなり読めると思われる。 そんな難しい本ではあったが、この夏東京国立近代美術館で見た『コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ』において、この本の内容を読んでいたからこそ、展示品の背景に躓くことなく、楽しむことができたと思っている。読んである本と、たまたま行った美術展がリンクする経験というのは初めてだったが、戦前戦中戦後という時間軸、前線と銃後という階級と環境、日本と世界という場所など多面的な軸での情報発信やその意図を、三章まで読んでいたことで、学術的視点と共に実物に触れ、体験することができた。 p191-l8 そもそも、サイバーシティズン(電脳市民)がどれほどクリティカルシンキング(吟味思考)をマスターしたところで、情報の真偽がそう簡単に見分けられられると考えるべきではない。私たちが何かの専門家になるということは、別の何かの専門家ではないということを意味する。あらゆる領域で情報を見分ける能力など、たとえ情報分析のプロフェッショナルであっても個人的には持ち合わせていない。 p195-l5 イエス/ノーの世論調査、すなわちON/OFF、白/黒のデジタル思考への抵抗力を高めること、あいまい情報の中で事態に耐える人間力こそが、AI時代に求められるリテラシーだからである。 多くのハッとさせられる文章があったが、中でもこの二つはとてもじっとりと張り付いた。私には心当たりがあった。 それは、コロナ禍において、外出自粛の際に外出している人への疑心暗鬼や不満(当時は怒りだと感じていたが、あれは我慢を強いられているのにずるい、という気持ちだったに違いない)を、IGの個人の鍵アカウントのストーリーで流したことである。 内容を端的に言えば、「身勝手な行動一つで、基礎疾患や既往症のある誰かの家族を薬のない病気に罹患させることになるのだから、遊ぶ、などの行動は控えるべき」ということを長文でお気持ち表明していた。当時それを見た友人たちはドン引きしたに違いない。 これはあいまいさに耐えられなかった結果である。死者や罹患者の数字だけが跳ね上がり、日常生活が制限され、緊急事態宣言という今まで体験したことのない緊張感に、私は恐怖し、耐えられず、結果私の行動によって誰かの不安を揺さぶったのだ。本当に恥ずかしい限りである。 この本を読んで、そんな自身のあいまいさに耐える人間力のなさに心が重たくなった。あの頃より、今は「耐えるを忍ぶ」力が時間経過と共についた、と思いたいが、たくさんの情報に溢れている今日で、あいまいさに耐えることはひどく苦しい。 けれど、未熟な人間なりに、速さやセンセーショナルさに飲まれず、その勢いを飲み込み、ぐっと腹に溜める力を鍛えたいと思った。
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東日本大震災後の論考なども含めて今の、ファスト世論への視点に富んでいる。ちょっと上から目線ではある。
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