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サヴァナの王国 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2024/07/29 |
| JAN | 9784102406212 |

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サヴァナの王国
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商品レビュー
4
5件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
途中までは文章だけを追ってシンプルに読書を楽しもうと思っていたけど、途中から我慢できずネットで検索しながら読んだ。サヴァナ(アメリカジョージア州サバンナ)って、ものすごく風光明媚でおしゃれな観光地で、ネットの観光情報の写真だけで感動。でも真っ先に検索したライト・スクエアのトモチチの石碑は、本文通り端におさまっているらしく、観光ツアー写真との落差を感じた。 読んでいてふと気になったのは、登場人物の肌の色がほとんどわからないこと。ジャクがウエイトレスの格好でソワレに参加するシーンまで気にも留めなかった。 でも、プロローグ含め随所随所で「白人」「黒人」と地の文で言及する場面がある。南部の歴史をまったく知らない自分でも数年前にニュースになった「ブラックライブズマター」運動は記憶に新しい。物語の重要な要素なのだとそのあたりで気づいた。 原題が『Kingdoms』と複数形になっているのも複数の意味があるよう。ストーニーのいう「王国」、歴史上の様々な権力、物語上に描かれる町の重鎮たち。はじめは、不動産王グスマンが町の一強って話かあ〜と思ったらそんなことはない。このあたり、自分の地元(日本)のいろいろな事象や人を思い浮かべた。 ジャクの情熱的な正義感と真っ直ぐな美しさは素晴らしかった。こういう子は必ず傷ついてしまう、とハラハラさせられた。ランサムもモルガナも、どんだけ魅力的なのか知りたい見たいので、映像化したらいいなと思う。 モルガナの安楽椅子探偵ぽいところもなんだか面白い・・と思ったらいざと言う時に行動に出て、男の脅しに屈しない、しなやかで聡明な強さを見せてくるので完璧でした。モルガナはくすまない。 歴史協会に寄付が集まり、オタクと評されたアーサーが立派に仕事をこなしているところもじんとした。会場を駆け抜けるキツネと犬は、何を模しているのかな。 ジャクが郷里を遠く離れ、許せないという気持ち・距離を置かなければという気持ちと、どうしようもなく惹かれる焦がれる気持ちは、複雑で正しくリアルな気がする。 Google mapを見ながら読み進めた。 夜から昼へ、貧から富へ、外から中へ、楽園から地獄へ、現在から過去へ、都市から郡部へ、地上から地下へ、一冊で縦横無尽に広がりを感じさせてくれる作品。 素晴らしかったです。
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素晴らしいのは登場人物の描き方が際立っていること。そのお陰でマスグローヴ家の面々はもちろんホームレスの人たちも個性的で人物の厚みが感じられた。 サヴァナを訪れたことはもちろんなく『真夜中のサヴァナ』を読んだだけだが、とても魅力のある町という印象を持っていた。この本でそこに新たにイ...
素晴らしいのは登場人物の描き方が際立っていること。そのお陰でマスグローヴ家の面々はもちろんホームレスの人たちも個性的で人物の厚みが感じられた。 サヴァナを訪れたことはもちろんなく『真夜中のサヴァナ』を読んだだけだが、とても魅力のある町という印象を持っていた。この本でそこに新たにイメージを付け足すことができた。 読後感も複雑で、とても厚みのある物語なのだと思う。
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アメリカ南部のサヴァナを舞台にしたミステリー。黒歴史の上に成り立つ謂わば王国の既得権や人種差別など奥深い。個人的にジャクを応援していたので、終わり方が切なかった。
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