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ガチョウの本
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2024/07/19 |
JAN | 9784309208992 |
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ガチョウの本
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商品レビュー
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“ときには一人の人間の死が、別の人間を釈放する許可証になることがある。私は完全に解放されたわけではないかもしれないけれど、じゅうぶんに解放された。” かつての友への手向けの言葉としては、なんと哀しいのだろう。 ただの子供時代の友というだけではない。 私と彼女 ーアニエスとファビ...
“ときには一人の人間の死が、別の人間を釈放する許可証になることがある。私は完全に解放されたわけではないかもしれないけれど、じゅうぶんに解放された。” かつての友への手向けの言葉としては、なんと哀しいのだろう。 ただの子供時代の友というだけではない。 私と彼女 ーアニエスとファビエンヌという名の二人の少女ー は、アニエスの言葉を借りれば、一心同体のひとつのオレンジ。 “南を向いているオレンジの半分がもう片方の半分に、日差しがポカポカすると口にする必要はないだろう” ファビエンヌに言わせれば、昼と夜。 “昼と夜でもない時間なんてある?あんたとあたしが一緒にいれば、時間を全部占拠できる。あたしらの間にすべてがあるの” 対照的なな言い回しとはいえど、確かに完璧な組み合わせだった二人が離れていったのはなぜか? 切ったオレンジをくっつけても、一つには戻れない。 本書は、アニエスの成長物語のように読める。 華々しく文壇に登場したものの“偽りの神童”であったアニエスが、甘やかな少女期を超えて自我と自らの言葉を獲得し、本当に一冊の本を書き上げたのだから。 しかし、その読みはあまりににも表層的すぎるだろう。 アニエスが書き留めたかったこと- 取りも直さずイーユン・リーが書きたかったことでもあるわけだが -、それはファビエンヌが、何に復讐しようとし、敗れ去ったかだ。 ファビエンヌが挑んだ、勝ち目がなかった孤独な戦いの記録なのだ。 ファビエンヌは幼くして母と姉を亡くしてから、家事と農場の動物の世話に追われて学校に行くことをやめている。サン=レミは、女ならば家族の世話をして、成長したら結婚して労働力となる子供を産むことしか期待されないような、貧しく閉鎖的な田舎の農村だ。 誰からも価値を認められない彼女の強烈な個性は、アニエスというすべてを受け止めてくれる器以外には向かう先がない。 ファビエンヌの“ゲーム”は、退屈な現実を超越する手段だ。彼女こそがルールであり、現実が自分を無視するのなら、自分にふさわしい“現実”を作り出す。死さえも、彼女を捕らえることはできない。 ファビエンヌが、自身が女であること、男女の愛をどう思っていたかはわからない。でも、本を書くというゲームに深く関わることになった郵便配達夫のドゥーヴォーや、アニエスに与えた空想のボーイフレンドへの突き放すかのような仕打ちをみると、遠からず訪れる性的な成熟を前にした自らの女性性への怒りが感じられるのだ。 ファビエンヌは何と戦い、敗れたのか。 超えたと思っても上書きしてくる“現実”、抜け出せない世間、女性として求められる生き方。 いや彼女を本当に打ち負かしたのは、大人になってゆくこと、成長してしまうこと、そのものだろう。 蛹から羽化するように、硬い種子が割れるように子供時代に別れを告げる人もいる。 一方で、内から発する光が薄れてゆくように、湧き出していた泉が涸れてゆくように子供時代を終える人がいる。 残酷なまでに互いの未来が見えたとき、アニエスとファビエンヌは、離れてゆくしかなかった。 “互いを殺したいと望みながらできず、互いを救いたいと望みながらもできなかった”、あの日を境として。 もう一度、この言葉私引用したい。 “ときには一人の人間の死が、別の人間を釈放する許可証になることがある。私は完全に解放されたわけではないかもしれないけれど、じゅうぶんに解放された。” この言葉を誤解してはいけない。ファビエンヌの影響からの解放を意味するのではない。 死は、ファビエンヌと私の真実について沈黙する生き方を破るための、許可証となったのだ。 私たちが何ものだったかを、どう生きたかを今度こそ伝えるために。 “生きることはじゃんけんみたいだとよく思う。運命が希望を打ち負かし、希望が無知を打ち負かし、無知が運命を打ち負かす。”
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フランスの田舎町に住む13歳の少女アニエスとファビエンヌ。ストーリーを作るというゲームを2人きりで楽しんでいた。やがて、アニエスのほうが字がきれいということでストーリーを文字に起こし、町の郵便局長でやもめ暮らしのムッシュ・ドゥヴォーに見せると、ドゥヴォーは興味を示し本として出版す...
フランスの田舎町に住む13歳の少女アニエスとファビエンヌ。ストーリーを作るというゲームを2人きりで楽しんでいた。やがて、アニエスのほうが字がきれいということでストーリーを文字に起こし、町の郵便局長でやもめ暮らしのムッシュ・ドゥヴォーに見せると、ドゥヴォーは興味を示し本として出版することに力を貸すことになる。二人で作ったストーリーだが、ファビエンヌの提案でアニエスの名前で世に出ることになる。 アニエスは、天才少女とマスコミに取り上げられパリへ呼ばれる。やがて、将来のためにとイギリスのフィニィシングスクールで教養とマナーを教えられる事になり、家族やファビエンヌと離れ一人ロンドンへ。 フランソワーズ・サガンが十代でデビューし話題になった頃、十代の作家の登場が流行になったという。その中に、フランスの14歳の少女がいたが、実は偽物だったという事実に著者が興味をひかれ、この作品を書いたという。 もちろんアニエスは偽物ではなく、二人それぞれに才能があったのだが、二人がいてこその作品だった。ストーリー全体は、アニエス目線で描かれているが、二人の少女の哀しい友情の物語である。少女独特のとまどいとともにある残酷さ、二度と戻れない子ども時代の友情。心に残るストーリーだった。
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不思議な物語 作家は北京大学卒アイオワ大学大学院で免疫の研究をしていたが 進路変更して創作の世界へ 英語で執筆するようになった人 幼い頃に仲良しの二人は 世界を共有していた 一人が語り一人がそれを文章に 本にしようとした事で 子どもが書いたショッキングな話に いろんな大人が近づ...
不思議な物語 作家は北京大学卒アイオワ大学大学院で免疫の研究をしていたが 進路変更して創作の世界へ 英語で執筆するようになった人 幼い頃に仲良しの二人は 世界を共有していた 一人が語り一人がそれを文章に 本にしようとした事で 子どもが書いたショッキングな話に いろんな大人が近づいてくる しかも語りの友人は自分の名前は 出さないようにしたことで 文章を書いた少女は イギリスで教育を受けるべく フランスの田舎から出ていく しかし馴染めず再び故郷へ だが二人はもはや昔の二人には なれなかった
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