1,800円以上の注文で送料無料

ガチョウの本
  • 新品
  • 書籍
  • 書籍

ガチョウの本

イーユン・リー(著者), 篠森ゆりこ(訳者)

追加する に追加する

ガチョウの本

2,970

獲得ポイント27P

在庫あり

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2024/07/19
JAN 9784309208992

ガチョウの本

¥2,970

商品レビュー

3.5

5件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/11/12

フランスの田舎町に住む13歳の少女アニエスとファビエンヌ。ストーリーを作るというゲームを2人きりで楽しんでいた。やがて、アニエスのほうが字がきれいということでストーリーを文字に起こし、町の郵便局長でやもめ暮らしのムッシュ・ドゥヴォーに見せると、ドゥヴォーは興味を示し本として出版す...

フランスの田舎町に住む13歳の少女アニエスとファビエンヌ。ストーリーを作るというゲームを2人きりで楽しんでいた。やがて、アニエスのほうが字がきれいということでストーリーを文字に起こし、町の郵便局長でやもめ暮らしのムッシュ・ドゥヴォーに見せると、ドゥヴォーは興味を示し本として出版することに力を貸すことになる。二人で作ったストーリーだが、ファビエンヌの提案でアニエスの名前で世に出ることになる。 アニエスは、天才少女とマスコミに取り上げられパリへ呼ばれる。やがて、将来のためにとイギリスのフィニィシングスクールで教養とマナーを教えられる事になり、家族やファビエンヌと離れ一人ロンドンへ。 フランソワーズ・サガンが十代でデビューし話題になった頃、十代の作家の登場が流行になったという。その中に、フランスの14歳の少女がいたが、実は偽物だったという事実に著者が興味をひかれ、この作品を書いたという。 もちろんアニエスは偽物ではなく、二人それぞれに才能があったのだが、二人がいてこその作品だった。ストーリー全体は、アニエス目線で描かれているが、二人の少女の哀しい友情の物語である。少女独特のとまどいとともにある残酷さ、二度と戻れない子ども時代の友情。心に残るストーリーだった。

Posted by ブクログ

2024/10/22

不思議な物語 作家は北京大学卒アイオワ大学大学院で免疫の研究をしていたが 進路変更して創作の世界へ 英語で執筆するようになった人 幼い頃に仲良しの二人は 世界を共有していた 一人が語り一人がそれを文章に 本にしようとした事で 子どもが書いたショッキングな話に いろんな大人が近づ...

不思議な物語 作家は北京大学卒アイオワ大学大学院で免疫の研究をしていたが 進路変更して創作の世界へ 英語で執筆するようになった人 幼い頃に仲良しの二人は 世界を共有していた 一人が語り一人がそれを文章に 本にしようとした事で 子どもが書いたショッキングな話に いろんな大人が近づいてくる しかも語りの友人は自分の名前は 出さないようにしたことで 文章を書いた少女は イギリスで教育を受けるべく フランスの田舎から出ていく しかし馴染めず再び故郷へ だが二人はもはや昔の二人には なれなかった

Posted by ブクログ

2024/10/21

著者、イーユン・リーは北京生まれ。北京大学で生物学を専攻し、アメリカに留学して大学院で研究を続けていたが、進路を変更して創作の道に入ったという、なかなか変わった経歴。 創作は中国語ではなく英語で行っている。 中国を舞台にした作品が多いが、本作はフランスに住む少女たちを主人公とする...

著者、イーユン・リーは北京生まれ。北京大学で生物学を専攻し、アメリカに留学して大学院で研究を続けていたが、進路を変更して創作の道に入ったという、なかなか変わった経歴。 創作は中国語ではなく英語で行っている。 中国を舞台にした作品が多いが、本作はフランスに住む少女たちを主人公とする。 訳者のあとがきによれば、著者はこう語っている。 人々は“中国について書けないか”と言います。ええ、中国について書けますけれども、中国だけが私のテーマではありません。私は友情についても書けますし、フランスの少女の友情について書くこともできるのです 作家たるもの、それはそうだろう。 主人公はアニエス。愚かではないが、才気煥発というわけではない。ある意味、普通の女の子である。 彼女の友達のファビエンヌは感性豊かで感情の起伏も激しい。 2人はフランスの片田舎に住む。性格の違う2人だが、結びつきは強く、お互いの間にしか通じない絆がある。2人には独自のルールの「遊び」があって、その延長線で「小説」を書くことにする。アイディアを出すのはもっぱらファビエンヌ。アニエスはそれを言葉にする役だ。2人は村の大人の助けも借り、「作品」を作り上げる。 それだけなら「遊び」で終わりだった。 だがそのちょっと風変わりな「作品」が都会の大人たちの興味を引く。 村の純真な少女がどこか暗さのある先鋭的な作品を書くとは。 大人たちは少女を都会に連れ出し、教育を施そうとする。原石を磨け、というわけだ。 だが、彼らは誤解していた。この作品を作っているのが1人の少女だと。 ファビエンヌは自身が都会に行くことを拒否し、アニエスに1人で行けという。それもまた、彼らの「遊び」の延長だったのだ。 そうして2人の人生の歯車は少しずつ食い違い、2人の友情も形を変えていく。 「神童」と(勝手に)言われた少女は、イギリスのフィニッシング・スクールに入れられる。そこで型にはめようとする教育を受けるのだが、アニエスにそれは合うはずもない。 村に残ったファビエンヌとは文通を続けるのだが、それすらも学校の先生のお眼鏡にはかなわない。 イギリスとフランスに隔てられた2人の間の物理的な距離。しかしそれ以上に、心の距離は開いていくのだ。 そして時は流れ。 ファビエンヌはもういない。お産の際に死んでしまった。 アニエスは流れ流れて今はアメリカにいる。そして家でガチョウを飼っている。 ガチョウはばかだと人は言う。でもガチョウが見る夢を人は誰も知らない。 アニエスは自身をガチョウになぞらえる。 彼女は真の作家になるだろうか。ガチョウの見る夢を描き切ることはできるだろうか。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品