- 中古
- 書籍
- 新書
弱い円の正体 仮面の黒字国・日本 日経プレミアシリーズ515
定価 ¥1,100
825円 定価より275円(25%)おトク
獲得ポイント7P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日経BP/日経BPマーケティン |
発売年月日 | 2024/07/10 |
JAN | 9784296120345 |
- 書籍
- 新書
弱い円の正体 仮面の黒字国・日本
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
弱い円の正体 仮面の黒字国・日本
¥825
在庫なし
商品レビュー
4.1
12件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
貿易収支の赤字化を境に、円高の歴史が終わった。所得収支は蓄積されて円に戻らないから円高要因にならない。 「新時代の赤字」は米金利の低下では消えない。 国際収支の発展段階説では、成熟国は通貨高になるはずだが、新時代の赤字と、所得収支が戻らないことから赤字は消えない。 新時代の赤字とは、サービス収支の赤字のこと。 デジタル赤字、コンサルティングサービス、研究開発の赤字、知的財産権収支は黒字、著作権使用料はデジタル赤字とともに赤字。 保険、年金も積み上がると積立金の運用、再保険料が円安の一端となっている。 アイルランドは、デジタル貿易が大幅黒字=低法人税のため大企業の本社が置かれている。 研究開発投資も日本に残らなかった。 人口動態が高齢化することで社会のイノベーションが起きなくなっている。 シンガポールが子どもに補助金を支給しても出生率が戻らなかったように、出生率の増加に政府は無力。 イノベーションボックス税制の導入は世界的な動き。 同じ人口減少社会でも、韓国やスイスは貿易収支が悪くなっていない=研究開発を怠ったツケではないか。 旅行業も人手不足を考えると救世主にはなれない。インバウンドによって人手不足が加速=人件費の高騰=インフレの輸入。 デジタル収支はアメリカ、英国、EUの3強。通信コンピューター情報サービスで日本が弱い。 以前は円は逃避通貨だった。国難のとき円高になったが、今は国難になると円安になる=普通の通貨。安全資産、リスクオフの円買い、はもはやない。 家計部門も円売り=貯蓄から投資へ、海外投資信託が売れる。対外証券投資の半分が家計による投信買い。 すでに日本人は円安物価高になれている。 今後、NISAの拡充で、国内投資向け優遇策が出るかもしれない。英国のISAがその方針を発表した。 PPP(購買力平価)では円安は過剰になっている。どちらが訂正されるのか。円安=輸出数量増加、にならない。円安は株高を呼ぶ。 対内直接投資で変わるか。TSMCやコストコ、イケアなど。英語力の不足と行政手続きの煩雑さがネック。 スローバリゼーション=直接投資の分断化。耐久性のあるサプライチェーン作り=友好国回帰は日本に追い風になる。 対内直接投資は、外資の収益になるだけ。 アイルランドでおきたことは、GDPよりもGNIのほうが28%も小さい状態。国内の生産量は大きいが、居住者の所得合計は小さい、ということ。
Posted by
なぜ円が弱くなったのか、構造的にわかる名著。 海外に4年ほど住んでおり、この4年で大きく円安が進み、コロナ前よりも日本が圧倒的に弱くなった、というのを肌で感じてきた。その中で、要因が一体何で、今後どうなるのかを正しく把握したくて読んだ。 結論、非常にわかりやすく、また日本人とし...
なぜ円が弱くなったのか、構造的にわかる名著。 海外に4年ほど住んでおり、この4年で大きく円安が進み、コロナ前よりも日本が圧倒的に弱くなった、というのを肌で感じてきた。その中で、要因が一体何で、今後どうなるのかを正しく把握したくて読んだ。 結論、非常にわかりやすく、また日本人として何をすべきか考えさせられるものだった。 シンプルに要約すると以下。 日本の円安は国際収支構造に基づく構造的な円安であり、元には戻らないだろう。 今の日本は、経常収支は黒字だが、蓋を開けると貿易サービス収支が9兆円と大きく赤字、すでに貿易黒字国ではなくなっている。 黒字の要因は第一次所得収支と言われるもので、投資や配当金などによる不労所得のため、実はキャッシュフローを見ると円売りが大きく、赤字になっている。 貿易サービス収支の赤字は、コストカットによる海外生産へのシフトと、デジタル赤字と呼ばれるGAFAMのような外資大企業へ支払うプラットフォーム費用などが大きい。このデジタル赤字はプラットフォーム提供者が言い値でコントロールできるため、今後は肥大すると考えられる。 元々、日本では為替がFRBの金利施策と相関が高く、FRBの金利利下げ円高、利上げが円安につながってきた。ただし、貿易黒字だった時代は、需要のために結局円買いが発生していた。一方最近は、パンデミック後にFRBが大きく金利を上げており、かつ貿易赤字だったため円売りが加速してしまい、円安が進んでしまっている。 また、第一次所得収支が黒字でも、投資したお金の多くは海外で金融資産(保険など)として再投資されているため、日本に戻ってきていない。つまり、キャッシュフローでいうと円に戻ってきていない状態である。 このような背景の中で岸田政権が進めていた政策のひとつが、家計部門の「貯蓄から投資」への政策である。しかし投資先が円建てではなく外資建てになると、さらに円安が進むことになる。NISAなどによる外資投資も円安を誘発する一つの要因である。 とはいえ日本の家計部門は54%が預貯金であり、圧倒的に流動性がない、ここを動かすために将来は円建てに対する優遇策を考えることもひとつあるのではないか。 こういった中で日本は何ができるのか? インバウンド収支はひとつ大きな施策だが、労働集約的な業務でもあり、人手不足のなかでメインにはならない。 また日本の対内直接投資はグローバルでみても非常に小さく、北朝鮮以下の水準。 円安はもう戻らないことを考えると、日本国内への外資からの投資誘致が大きなメリットになるのではないか。地政学的にも直近は友好国かどうかといった点が投資判断に大きくなっている。 また、投資をしてきている国はもはや欧米ではなくアジアが中心となってきている。アジアからの投資を、非製造業に対して行う、というのがひとつのキーポイントとなっている。 日本の将来をどうしても憂いでしまうような内容だったが、現実を把握しないと課題解決はできない。また、示唆されている対策が本当にベストかは分からない。とはいえとても勉強になった本だった。
Posted by
専門外では、細かい数字は難解であるが、円安の背景、厳しい日本の経済環境は、理解できる。しっかり心して対応する気持ちになる。
Posted by