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密室偏愛時代の殺人 閉ざされた村と八つのトリック 宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 宝島社 |
発売年月日 | 2024/07/03 |
JAN | 9784299057150 |
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密室偏愛時代の殺人
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商品レビュー
3.7
15件のお客様レビュー
シリーズ3作目。 主人公グループの癖も大体理解し、世界観もだいたいわかってきた中で、どの様な奇想天外な密室トリックを使って来るのか。 今回は冒頭から「密室仙人」こと、伊予川仙人掌に密室殺人の依頼が舞い込むところから物語がスタートする。つまり、犯人が冒頭から明示されている...
シリーズ3作目。 主人公グループの癖も大体理解し、世界観もだいたいわかってきた中で、どの様な奇想天外な密室トリックを使って来るのか。 今回は冒頭から「密室仙人」こと、伊予川仙人掌に密室殺人の依頼が舞い込むところから物語がスタートする。つまり、犯人が冒頭から明示されている状態だ。過去の作品から一筋縄でいかない事は重々理解しているが、どの様に物語を進めて行くのか楽しみだ。 葛白と蜜村は高校3年生で受験生な訳だが、受験勉強は捗っていない様だ。蜜村はこの時期にアルバイトを探している始末(受験は余裕そうだが)そんな中で、葛白はあいからわず夜月のUMA探しに連れ出され(今回は 多摩ニューネッシーを探しに)奥多摩に向かうが、途中で迷子になってしまい途方に暮れていた所、ウサギ狩りに来ていた青年、物柿カマンベールと出合い、密室推理小説作家一族である物柿家が生活する八つ箱村に招待される。八つ箱村は鍾乳洞の中に建てられた集落であり、最奥には物柿邸がある。(ここまで整理するとまるでコメディ作品だ) 冒頭で手紙を受け取った伊予川仙人掌と依頼人が顔を合わせていよいよ事件が幕を開けていくのだが、最初の事件から読者を混乱させる事件が発生し、作中では葛白と夜月がそれぞれ活動場を分断されてしまい.それぞれがそれぞれのエリアで探偵候補を立てながら密室殺人の謎を捜査して行く。 葛白、夜月の活躍は楽しく(今回は夜月視点も増えておりとても楽しい)、蜜村はどのように関わって来るのかとワクワクしながら物語を読み進めていく(ある程度想像はつくようにできているが)相変わらず大量殺人が発生してるのに、作品に重苦しさの空気が一切ない(他の作家であれば、ミステリーホラーのような立ち位置だろうか)特に今回、葛白に最大の基金を訪れるが、淡々と乗り越えられていき、読者としては恐怖感や絶望感を感じる事が出来なかった。 また、とある設定により、今回の密室殺人の一連のトリックは作中では実現可能なものであると言われているが、同じようなお金をかけながら、現実世界でそれが実現できるかどうか不明である。一作目では、もっとわかりやすい密室トリックにこだわっていたように見られたが、2作目にはさらに大味になっていき、3作目においては、まるでエソラごとのようなトリックを活用している。それはそれで充分楽しめるのだが、それぞれに解説図やトリックの説明が網羅されているので、どうしても少し中盤で中だるみしてしまうようなイメージだ。今回の作品では八つの密室がタイトルにもあるように売りになっているが、ほとんど全てが現実世界では見たことないような大味のトリックばかりであり、前からこの作品に感じているような細かい道具の手配や時間の推移等に関しては、どうしても疑問を持ってしまう(作中では検証しているが、本当にできるかどうかは甚だ疑問だ) ミステリー作品と言うよりかは、ある意味ミステリーファンタジーのようなそのような壮大な仕掛けが施されているが、それぞれの人間模様を土台としてとても楽しい作品ではあり、最後、犯人のある意味懺悔の部分に関しては、やはりこの作品特有の恐怖感の欠如によって、物語自体の重さが足りていないように感じてしまった。 殺人事件はいっぱい起きて欲しいが、密室の数はもうちょっと少なくていいなとどうしても思ってしまった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
密室偏愛シリーズの第3弾。 連続殺人の応酬にそこに伴う密室事件の数々。解き明かしたトリックのすさまじさに圧倒され、飽きずに読むことが出来てとても面白かったです。そしてその割にトリックがとても荒唐無稽で(特に村全体を○○するというのは呆然としてしまいました)かつ、犯人の動機もあまりにも軽く本当に密室殺人に“偏愛”している所が全面に押し出されていて、温度差が凄かったです。 まだまだ続編が描かれそうな終わり方で、これからどんな風に展開していくのか香澄は漆璃の作った日本最初の密室事件のトリックを明らかにすることができるのか、新作がとても楽しみです。 この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。 葛白香澄:堀江瞬 蜜村漆璃:沢城みゆき 朝比奈夜月:高橋李依 物柿涼一郎:中村悠一 物柿狂次郎:杉田智和 物柿医三郎:寺島拓篤 物柿カマンベール:土屋神葉 物柿双一花/双二花:種崎敦美 物柿芽衣:長縄まりあ 王城帝夏:佐倉綾音 駐財田毅:チョー 女将原愛美:豊崎愛生 村若良則:武内駿輔 伊予川仙人掌:植田佳奈
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面白っっ!! 好き嫌いの分かれる作品だけどハマる人はとにかくハマる、そんな一冊だと思いました 作風も、トリックも (軽いノリのキャラクター・文章、とんでもぶっとびトリック系、といった感じです) シリーズ三作目、歴代タイトルを見てもらえればわかるように、巻を追うごとにタイトル内の...
面白っっ!! 好き嫌いの分かれる作品だけどハマる人はとにかくハマる、そんな一冊だと思いました 作風も、トリックも (軽いノリのキャラクター・文章、とんでもぶっとびトリック系、といった感じです) シリーズ三作目、歴代タイトルを見てもらえればわかるように、巻を追うごとにタイトル内のトリック数が増えています そしてこれだけの密室トリックを書いてきてなお、披露されるトリックのパワーは増しているんです 文中の一節からも作者の気持ちが伝わります 『つまり最高の密室トリックが八つ入った小説になる。そして、その時点で話の質は関係なくなる。何故なら最高のトリックが八つも入っている時点で、仮にストーリーがどんなに稚拙だったとしても、それは最高の本格ミステリーになるからだ』(P.50) 本当に最高でした 密室トリックだけでなく、密室トリックのさらなる可能性を思わせるシン密室トリックとでも言うような使い方もしていて、作者の密室愛、いえ、タイトル通りの「偏愛」を強く感じました お気に入りの密室トリックは『血染め和室の密室』と『最後の密室』 謎解きシーンを読んでいるときの衝撃・高揚・戸惑い・笑い・興奮……等々 列挙しきれないありとあらゆる感情、たまりません ここまでやっちゃって次回作大丈夫? と、上がりに上がったハードルすらもさらに超えてきてくれそうな作者様への信頼感 四作目も楽しみに待ってます!!
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