密室偏愛時代の殺人 の商品レビュー
八箱村(やつはこむら)…という、聞いたことあるような村で起こる、連続密室殺人事件。 この村は、大富豪で密室作家だった物柿零彦が鍾乳洞の中に栄えさせた場所で、それぞれが密室作家として活躍する物柿一族が暮らしている。 夜月のネッシー探しに付き合ってそこを訪れた香澄と、その村の旅館で...
八箱村(やつはこむら)…という、聞いたことあるような村で起こる、連続密室殺人事件。 この村は、大富豪で密室作家だった物柿零彦が鍾乳洞の中に栄えさせた場所で、それぞれが密室作家として活躍する物柿一族が暮らしている。 夜月のネッシー探しに付き合ってそこを訪れた香澄と、その村の旅館でバイト中の蜜村。 二人はまたしても、クローズドサークルの密室連続殺人に巻き込まれる。 蜜村の密室解きが高速すぎ、悩みなさすぎ。あいかわらず、ミステリの機微があったもんじゃないな。 わんこそばのように「はいつぎ!はいつぎ!」というペースで密室をといていく。 密室自体は、これまたよくまぁこんなトリック思いつくな!と感心してしまう。実現可能性がないのと、残酷でね。 このシリーズは、私の想像のはるか上空を行きすぎていて、なんでもありすぎて逆に驚きがないんだけど、今回の犯人の動機は「おぉ!?」と思ったなー(いい意味で)。 コナンにでてくる平次みたいな関西弁の、大人気密室作家、王城帝夏(おうじょうていか)。 彼女はまた出てくるのか? 前作で、強烈なインパクトを残したキャラが今回は全く関与しなかったし、ゲストキャラは一回限りなのだろうか? このシリーズ、読むのやたら時間かかるし、読むの自体が結構しんどいけど、なぜか読んでしまう笑。 香澄は、まだ蜜村の密室を解くことはできない。 蜜村がボスキャラすぎて、いっこうに解ける気がしないなぁ。
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トリックがシリーズを追うごとに増えていく。 密村漆璃がいないと本当にわからない。 大掛かりでぶっとんだトリックにも慣れたつもりでいたが、突然発火はまさかそんなことが!!と笑ってしまった。
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この作家さんの作品は初読。 いや、密室多すぎ。 そしてぶっ飛んでいる。 タイトル通り、「密室偏愛時代」に偽りなしだった。
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第3弾。 立て続けに起きる密室殺人事件に正直お腹いっぱいな感じですが、変わらない香澄と夜月と蜜村の様子が凄惨な場面に遭遇している印象を与えない不思議なシリーズです。 密室にするために大掛かりでなかなかグロテスクな描写が続くのですが、淡々と解明していく謎解き場面にギャップを感じます...
第3弾。 立て続けに起きる密室殺人事件に正直お腹いっぱいな感じですが、変わらない香澄と夜月と蜜村の様子が凄惨な場面に遭遇している印象を与えない不思議なシリーズです。 密室にするために大掛かりでなかなかグロテスクな描写が続くのですが、淡々と解明していく謎解き場面にギャップを感じます。何より、カマンベールって、、、。そんな名前をつけることに驚きです。
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今回も「密室おなかいっぱい!当分密室はいいや!」っていう読後感(笑) でももちろん、おもしろかった。 よくまぁこんなに壮大な密室を考えるものだよね。 犯人の動機は、作者さんの苦悩からきているのではないかと思った。 それにしても、犯人のタフさに脱帽。 だって全ての準備や犯行を一人...
今回も「密室おなかいっぱい!当分密室はいいや!」っていう読後感(笑) でももちろん、おもしろかった。 よくまぁこんなに壮大な密室を考えるものだよね。 犯人の動機は、作者さんの苦悩からきているのではないかと思った。 それにしても、犯人のタフさに脱帽。 だって全ての準備や犯行を一人でやりつつ、みんなとの日常を送っているわけでしょ? どれだけ体力あるのよって何度も笑ってしまった。 まだ蜜村のトリックが解かれてないから、続きがあるのかな? できれば少し密室を減らしてもらえれば助かる…これだけの密室を理解していくのにも体力を使うのでね(笑)
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シリーズ3作目。 主人公グループの癖も大体理解し、世界観もだいたいわかってきた中で、どの様な奇想天外な密室トリックを使って来るのか。 今回は冒頭から「密室仙人」こと、伊予川仙人掌に密室殺人の依頼が舞い込むところから物語がスタートする。つまり、犯人が冒頭から明示されている...
シリーズ3作目。 主人公グループの癖も大体理解し、世界観もだいたいわかってきた中で、どの様な奇想天外な密室トリックを使って来るのか。 今回は冒頭から「密室仙人」こと、伊予川仙人掌に密室殺人の依頼が舞い込むところから物語がスタートする。つまり、犯人が冒頭から明示されている状態だ。過去の作品から一筋縄でいかない事は重々理解しているが、どの様に物語を進めて行くのか楽しみだ。 葛白と蜜村は高校3年生で受験生な訳だが、受験勉強は捗っていない様だ。蜜村はこの時期にアルバイトを探している始末(受験は余裕そうだが)そんな中で、葛白はあいからわず夜月のUMA探しに連れ出され(今回は 多摩ニューネッシーを探しに)奥多摩に向かうが、途中で迷子になってしまい途方に暮れていた所、ウサギ狩りに来ていた青年、物柿カマンベールと出合い、密室推理小説作家一族である物柿家が生活する八つ箱村に招待される。八つ箱村は鍾乳洞の中に建てられた集落であり、最奥には物柿邸がある。(ここまで整理するとまるでコメディ作品だ) 冒頭で手紙を受け取った伊予川仙人掌と依頼人が顔を合わせていよいよ事件が幕を開けていくのだが、最初の事件から読者を混乱させる事件が発生し、作中では葛白と夜月がそれぞれ活動場を分断されてしまい.それぞれがそれぞれのエリアで探偵候補を立てながら密室殺人の謎を捜査して行く。 葛白、夜月の活躍は楽しく(今回は夜月視点も増えておりとても楽しい)、蜜村はどのように関わって来るのかとワクワクしながら物語を読み進めていく(ある程度想像はつくようにできているが)相変わらず大量殺人が発生してるのに、作品に重苦しさの空気が一切ない(他の作家であれば、ミステリーホラーのような立ち位置だろうか)特に今回、葛白に最大の基金を訪れるが、淡々と乗り越えられていき、読者としては恐怖感や絶望感を感じる事が出来なかった。 また、とある設定により、今回の密室殺人の一連のトリックは作中では実現可能なものであると言われているが、同じようなお金をかけながら、現実世界でそれが実現できるかどうか不明である。一作目では、もっとわかりやすい密室トリックにこだわっていたように見られたが、2作目にはさらに大味になっていき、3作目においては、まるでエソラごとのようなトリックを活用している。それはそれで充分楽しめるのだが、それぞれに解説図やトリックの説明が網羅されているので、どうしても少し中盤で中だるみしてしまうようなイメージだ。今回の作品では八つの密室がタイトルにもあるように売りになっているが、ほとんど全てが現実世界では見たことないような大味のトリックばかりであり、前からこの作品に感じているような細かい道具の手配や時間の推移等に関しては、どうしても疑問を持ってしまう(作中では検証しているが、本当にできるかどうかは甚だ疑問だ) ミステリー作品と言うよりかは、ある意味ミステリーファンタジーのようなそのような壮大な仕掛けが施されているが、それぞれの人間模様を土台としてとても楽しい作品ではあり、最後、犯人のある意味懺悔の部分に関しては、やはりこの作品特有の恐怖感の欠如によって、物語自体の重さが足りていないように感じてしまった。 殺人事件はいっぱい起きて欲しいが、密室の数はもうちょっと少なくていいなとどうしても思ってしまった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
密室偏愛シリーズの第3弾。 連続殺人の応酬にそこに伴う密室事件の数々。解き明かしたトリックのすさまじさに圧倒され、飽きずに読むことが出来てとても面白かったです。そしてその割にトリックがとても荒唐無稽で(特に村全体を○○するというのは呆然としてしまいました)かつ、犯人の動機もあまりにも軽く本当に密室殺人に“偏愛”している所が全面に押し出されていて、温度差が凄かったです。 まだまだ続編が描かれそうな終わり方で、これからどんな風に展開していくのか香澄は漆璃の作った日本最初の密室事件のトリックを明らかにすることができるのか、新作がとても楽しみです。 この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。 葛白香澄:堀江瞬 蜜村漆璃:沢城みゆき 朝比奈夜月:高橋李依 物柿涼一郎:中村悠一 物柿狂次郎:杉田智和 物柿医三郎:寺島拓篤 物柿カマンベール:土屋神葉 物柿双一花/双二花:種崎敦美 物柿芽衣:長縄まりあ 王城帝夏:佐倉綾音 駐財田毅:チョー 女将原愛美:豊崎愛生 村若良則:武内駿輔 伊予川仙人掌:植田佳奈
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面白っっ!! 好き嫌いの分かれる作品だけどハマる人はとにかくハマる、そんな一冊だと思いました 作風も、トリックも (軽いノリのキャラクター・文章、とんでもぶっとびトリック系、といった感じです) シリーズ三作目、歴代タイトルを見てもらえればわかるように、巻を追うごとにタイトル内の...
面白っっ!! 好き嫌いの分かれる作品だけどハマる人はとにかくハマる、そんな一冊だと思いました 作風も、トリックも (軽いノリのキャラクター・文章、とんでもぶっとびトリック系、といった感じです) シリーズ三作目、歴代タイトルを見てもらえればわかるように、巻を追うごとにタイトル内のトリック数が増えています そしてこれだけの密室トリックを書いてきてなお、披露されるトリックのパワーは増しているんです 文中の一節からも作者の気持ちが伝わります 『つまり最高の密室トリックが八つ入った小説になる。そして、その時点で話の質は関係なくなる。何故なら最高のトリックが八つも入っている時点で、仮にストーリーがどんなに稚拙だったとしても、それは最高の本格ミステリーになるからだ』(P.50) 本当に最高でした 密室トリックだけでなく、密室トリックのさらなる可能性を思わせるシン密室トリックとでも言うような使い方もしていて、作者の密室愛、いえ、タイトル通りの「偏愛」を強く感じました お気に入りの密室トリックは『血染め和室の密室』と『最後の密室』 謎解きシーンを読んでいるときの衝撃・高揚・戸惑い・笑い・興奮……等々 列挙しきれないありとあらゆる感情、たまりません ここまでやっちゃって次回作大丈夫? と、上がりに上がったハードルすらもさらに超えてきてくれそうな作者様への信頼感 四作目も楽しみに待ってます!!
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直近で読んだ数冊の中で群を抜いて面白かった。「十角館の殺人」とはまた違った意味でドラマ化不可能なトリックの数々で、個人的には令和のバカミスの帝王と呼びたいくらいである。トリックもさることながら、文章の読みやすさにおいても他の名だたる作品と比べても圧倒的に読みやすい。普段ミステリー...
直近で読んだ数冊の中で群を抜いて面白かった。「十角館の殺人」とはまた違った意味でドラマ化不可能なトリックの数々で、個人的には令和のバカミスの帝王と呼びたいくらいである。トリックもさることながら、文章の読みやすさにおいても他の名だたる作品と比べても圧倒的に読みやすい。普段ミステリーを読まない人にもぜひ薦めたい一冊だった。今回の終わり方的にまだ続編がありそうなので次もぜひ期待したい。
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Amazonの紹介より 巨大な鍾乳洞内部につくられた、白い直方体の建物が並ぶ奇妙な集落・八つ箱村。 祭りの最中に作家一族の娘が頭を撃ち抜かれ、村を出ようとした青年の体が突然発火し焼死体となったのを端緒とし、連続密室殺人事件の幕が切って落とされた。 事件の背後にはかつて村で死んだ昭...
Amazonの紹介より 巨大な鍾乳洞内部につくられた、白い直方体の建物が並ぶ奇妙な集落・八つ箱村。 祭りの最中に作家一族の娘が頭を撃ち抜かれ、村を出ようとした青年の体が突然発火し焼死体となったのを端緒とし、連続密室殺人事件の幕が切って落とされた。 事件の背後にはかつて村で死んだ昭和密室八傑の呪いが!? 山奥で遭難しかけ、たまたま村を訪れていた高校生の葛白香澄らが、次々と現れる密室の謎に挑む! いつもこれでもかと思うくらい、たくさんの密室殺人を提供してくれる鴨崎さんのシリーズ。 今回も、もういいっちゅうねんと思うくらい、てんこもりの密室殺人で面白かったです。 ただし、後半になっていくと、やや強引な部分も出てきたり、もうお腹いっぱいなのにまだ密室殺人続けるの⁉と思ったりしたので、結果的には普通かなと思ってしまいました。 それでも、よく思いつくなと思うくらい、密室のトリックの多さと面白さがありました。 特に今回は、昔の作品名をオマージュしている印象が強かったです。 「八つ箱村」「3姉妹」「○○一族」といった横溝正史作品を彷彿するような要素もちらほら登場するのも面白かったです。 それも相まってか、殺されるシーンも残虐さが窺えました。想像すると気持ち悪くなるくらい、普通に切断や血の多さが描かれています。 それにしても、せっかくここまで一見不可能な密室殺人を作り上げたのに、秒速のように瞬時に解く探偵が凄かったです。犯人の面目丸つぶれと思うくらい、すぐに解かれるので、もう少し猶予期間を設けて楽しみたい気持ちもありました。 ここまでして、犯人の目的は?そして誰なのか?ちょっとしたミスリードもありましたが、今迄の密室劇がお腹いっぱいだった分、驚きが薄れてしまいました。 犯行動機は、カオスな部分もあり、なかなか理解しがたい印象でした。後々考えてみると、この人に全ての犯罪を実行することができるの⁉と思うくらい体力と実行力、そして鮮やかさがあるのも、ちょっと疑問かなとも思ってしまいました。 そもそも現実的ではない要素ばかりなので、エンタメ性として考えればよいかなと思いました。 犯人よりも、密室といった色んなトリックを楽しみたい方にはお勧めです。
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