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中野京子と読み解く クリムトと黄昏のハプスブルク
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中野京子と読み解く クリムトと黄昏のハプスブルク

中野京子(著者)

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中野京子と読み解く クリムトと黄昏のハプスブルク

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2024/06/07
JAN 9784163918600

中野京子と読み解く クリムトと黄昏のハプスブルク

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2026/02/17
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中野京子と読み解く クリムトと黄昏のハプスブルク 中野京子 ∞----------------------∞ 先に読んだ「クリムト作品集」は画集だったので絵が主体で文章があんまり入って来なかったんだけど、さすが中野京子さんの本は文章も面白い。 同じ画家についての本をセットで見ると気づきが多くてより感動できるかも。 あの煌びやかだと思った「接吻」が実はかなりのエロスだったり、他にも多々エロス的なものがあることに気付かずのほほんと素敵と思って見てた私って...となんだか情けない気持ちになった。 ハプスブルクの時代と平行に、当時の画家が誰と出会いどうやって過ごし、どんな絵を描いたか。クリムトの他にも何人もの画家の絵画が載ってて比較されていた。 ベートーヴェンやシューベルトなど音楽家に関する絵も残っているのを知ると、芸術が融合していて面白いなと思う(実際はちょっとだけ生きてた時期がズレてるらしい)。 「ハプスブルク家12の物語」の内容を思い出しながら読むとなおよし。 この本はクリムトがいた頃の話ではあるので、ハプスブルクと言ってもかなり終盤のフランツ・ヨーゼフ一世界隈。そしてその皇帝にはなんだか淋しい影を感じてしまい、やはりガウゼの「1900年のウィーン宮廷舞踏会」という華やかな絵画の中で多くの女性に囲まれていても孤独に見えてしまう。 そういう目で見てる私のせいなのか、絵がそう見せてるのか。 なんだかんだ、クリムトとエミーリエのツーショット写真が1番好きだったかも(絵画じゃない)。あとは、エゴンシーレの絵は苦手。 2026/02/17 読了(図書館)

Posted by ブクログ

2025/12/18

クリムトの出自や経歴だけでなく、彼の生きた時代についても詳しく載っていて彼自身や作品についてよりくわしく知れて、より面白かった。 特にこの本の中でクリムトとは切っても切れない関係性を示すハプスブルク王朝、特にフランツ・ヨーゼフについての話がすごく印象的だった。 著者が表した「神話...

クリムトの出自や経歴だけでなく、彼の生きた時代についても詳しく載っていて彼自身や作品についてよりくわしく知れて、より面白かった。 特にこの本の中でクリムトとは切っても切れない関係性を示すハプスブルク王朝、特にフランツ・ヨーゼフについての話がすごく印象的だった。 著者が表した「神話上の悲劇の巨人」という表現があまりに的を得ていてすごい。と同時にすごく物悲しい気持ちになった。 彼の死をきっかけに終わっていくハプスブルクの歴史の流れが切なかった。 クリムト作品といえば、金箔の輝く艶やかで特徴的な作品を思い描いていたけど、当然クリムトらしさが生まれる以前、または描き方を模索したり試作したりしてきた時期もあったわけで、そんな作品達についても知れたのが嬉しかった。 そんな中で特に好きだったのが「旧ブルク劇場の観客席」という作品。一見全くクリムトらしさの見えない作品だけど、ぐわっとくる画面の広がりに一目で心を奪われた。

Posted by ブクログ

2025/10/30

ベルガモットさんのレビューを読んで、すぐに図書館へ。表紙の絵はクリムトの代表作『接吻』。寄りで見ると甘美で煌びやかな作品。けれど「引きで見ると危うい場であることが分かる」と中野氏。「帝国の死を目前にしたウィーンの視覚化であった」と言い切る潔さ。ハプスブルク家の盛衰と共に語られる画...

ベルガモットさんのレビューを読んで、すぐに図書館へ。表紙の絵はクリムトの代表作『接吻』。寄りで見ると甘美で煌びやかな作品。けれど「引きで見ると危うい場であることが分かる」と中野氏。「帝国の死を目前にしたウィーンの視覚化であった」と言い切る潔さ。ハプスブルク家の盛衰と共に語られる画家・クリムトの生涯には、伝記を読んでいるような臨場感がありました。 目次のあとは、ハプスブルク家の略系図。注目すべき人物についてはカラー画像が入っていて魅力的。次のページは、ハプスブルク家の領地が一目でわかる地図、16世紀と19世紀のものそれぞれ一枚。そして、作品中の見開きページには、美しい絵画の数々。豪華な装丁に心を奪われます。 13世紀から700年にわたって栄えたハプスブルク家。神聖ローマ皇帝位を世襲するほどの勢力があった一族の終焉にいたる過程が描かれていて、映画を観ているようなドキドキ感がありました。実質的な最後の皇帝フランツ・ヨーゼフ一世は、86歳で亡くなるまで70年近く世を治めた人物。毎日の仕事を規律正しく行う古いタイプの君主だったようです。しかし、そんな彼の母親と妻の個性が強いのです。母親のゾフィーは、自分が生んだ息子、フランツを戴冠させ、実質的な政治的権力をしっかり握ります。そして、フランツが唯一 母親に反抗して妻にしたエリザベートは、窮屈な宮廷生活と威圧的な姑から上手に距離を置き、ちゃっかり自分の人生を楽しみます。ふたりとも、あっぱれ! 話をクリムトに移します。金が散りばめられたエロティックな作品という印象ですが、初期には市議会の依頼を受けて壮大な劇場の絵を描いていました。記録としての絵画だったため、150人以上の実在の人物をそっくりに描き入れたそうです。これが認められて賞金と評判を得たというのですから、恵まれた船出だったと言っていいのではないでしょうか。仕事の依頼が次々と入ってくるクリムトに転機が訪れたのは、ウィーン大学講堂の天井絵『医学』事件。想像を超えた表現に大学はこれを拒否。これ以降のクリムトは徹底的に自分の作風にこだわるようになります。ただ、ユダヤ人のパトロンの支援で、画家として困ることはなかったようです。そして、1900年のパリ万博では作品が金メダルを取得。ほぼ同時代のゴッホやゴーギャンに比べて日の当たる場所にいた画家だったのですね。 中野氏は、クリムトの絵に象徴されるような強烈なエロスを、時代が求めたと分析します。600年以上続くハプスブルク王朝の先細りが感じられる中、生き残ることに対する欲求のあらわれだったのではないかと。また、ハプスブルク家の頑なな因習が、第一次世界大戦勃発に繋がったのではないかという見方も。ここはとても興味深く読みました。 フランツ皇帝が亡くなった一年半後、後を追うかのようにクリムトがこの世を去ります。あとがきに「作品に惜しげもなく使用された金箔は、王朝の黄昏時の美しい金色の輝きそのものだった」とありました。そして、本文の最後に現在のオーストリアの地図が一枚。目次のあとにあった二枚の地図と比べると、700年の盛衰が感じられて、ため息がもれます。表紙は煌びやかな『接吻』だったけれど、裏表紙は、ただただ漆黒…。すとんと腑に落ちました。

Posted by ブクログ