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そして、「悪魔」が語りだす 司法精神科医が出会った狂気と共感の物語
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 海と月社 |
| 発売年月日 | 2024/05/31 |
| JAN | 9784903212852 |

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そして、「悪魔」が語りだす
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商品レビュー
4
9件のお客様レビュー
大変興味深く読んだ。もっとセラピーやカウンセリングに国の予算がつき、身近な存在になれば加害者(=被害者)が減るのではないかという考えが強くなった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
サブタイトルにある司法精神科医というところに目が止まり。どんな「悪魔」たちの話なのだろうかとも思ったのですが惹句としては効果抜群ではあるものの読後「悪魔」はちょっと違うというか、確かに所業としてはそうなのだけども彼らの悲しい人生の背景を知るとそう呼びたくない気持ちの方が自分は強くなった。 著者はアメリカにも研修に行ったことのあるイギリスの司法精神科医なので、ストーリーの中に出てくる医療体系や法体系が日本とは違うんだなという箇所が何点があり、そこも興味深かった。日本だったらこの場合どのように対処するだろうなどと考えつつ読んだ章もありました(特に後半、サムやデヴィッド) 章立ては次に章が進むにつれて考えさせられる手がかりやポイントが導き出されるような並びとなっており、おそらく時系列というわけではなくて、読み手がその事件や事件の背景、章の主人公(受刑者や患者)の生い立ちや人格形成について理解を深められるようにされています。 決して読みやすくはないですが(それは文体や訳のことではなく事件の内容の重さという意味合いです)、著者の医師としての逡巡や個人としての感情の動揺なども併記して展開されるのでぐいぐいと詠まされます。 全編通して考えたのは、人格を創る上で幼少期の愛着というものがどれほど大切なものなのかということでした。 悲惨な幼少期を過ごしてきた人は大人になって「ああ自分は悲惨な幼少期だった」と気づいてしまった時(人生として生きてきてるのだから気づくも何もなさそうですが、人と生育歴を比較したりこの本のようにそういう他人の人生を知った上で自分の来し方を振り返ったとき)、今更愛着形成が大事だったと言われても取り返せないじゃないか、自分は歪んでないだろうか、真っ当だろうかと悩みはしないだろうか⋯と考えてしまいました。 自分は、自分の身近にそういう人が今いて(本人はそういうことを考えそうにないですが)「あの人が今ああいう人生を生きているのはもしかして愛着形成不全だったのでは」と考えてしまったのでそんなことを思いついてしまいました。 ⋯そうであってもそうでなくても、そんなことを思ってしまうこと自体が悲しいですが。 最終章に出てくる「やさしいネグレクト」という言葉も悲しかった。 第2章ガブリエルが決して面談のあいだ脱がなかった帽子を自ら脱いだことに感動。 第3章p141、自分が過去にしてしまったこと、新たな出発のために失うものについて、ときにはちゃんと嘆き悲しむ必要がある これはとても大切な言葉だと思います。きちんと悲嘆すべき時に悲嘆せずに抑え込むことは心を壊すことや動けなくなることに繋がることもあると思いました。 第7章イアンの話はやりきれなかった。章の一番最後 恥辱という感情は、それほど魂を蝕むのだ(p282)という言葉はとても重かった。恥辱というものが尊厳に関わるからではないかと思う。 尊厳を損なうから消えたくなったり消したくなったりするのだろうと思う。 第8章リディアは恐ろしい人だった。 面談する立場の人の方が脅かされる。まるで小説のようだけど現実認識こういう人がいるのだなということに震撼する。病的執着心の凄まじさというか、ストーカーという心理病態の不条理さというか誰にも理解を求めない一途さには震え上がるしかない。こんな人間の標的にされたら逃げるのはとても困難だと思わざるをえなかった。 第10章サムの章にでてくるストーカー殺人の話にも似たようなことを感じた。そしてこの章に出てくる、守秘義務と秘密の暴露を通報するかという問題のせめぎ合いについてはとても考えさせられた。 これは国によっても違うだろうし、時代によっても変わるだろう。 この10章のケースを踏まえたうえでの最終章デヴィッドの結末は、対処としてはそうとしか出来なかったとしてもモヤモヤとしたものが残った。守秘義務を守る立場で面談した相手に犯罪を告白されて通報するかどうか、そこで脅しを受けたらどうするのかという判断は実際はとても難しいことと思う。 近頃読む本に「ネガティブケイパビリティ」という言葉をよく見かける気がする(自分がそういう本ばかり読んでるから?)TVでも先日その言葉を誰かが話しているのを聞いたことがあり、その概念は今の時代こそ必要なのではないかなと改めて思いました。詩人のキーツが表現した言葉と言うのは本書を読むまで知らなかったのですが。(もしかして以前読んだ本に出てきた気もしますが忘れてるんです。また覚えてきっとまた忘れる 笑) 本書の中で第9章シャロンの話が唯一救いでした。人は変われる。 こういう話も事実としてあることに少し希望を持てました。
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序文で「女性の精神疾患を抱えた犯罪者」の少なさを事実として記載しておきつつも公平さを保つために性別が半々くらいになるように取り上げた という文に、著者が精神疾患と犯罪者を取り上げるにあたってそういった偏見を招かないようにかなり慎重に考えているんだな…とまず思った。出てくるエピソー...
序文で「女性の精神疾患を抱えた犯罪者」の少なさを事実として記載しておきつつも公平さを保つために性別が半々くらいになるように取り上げた という文に、著者が精神疾患と犯罪者を取り上げるにあたってそういった偏見を招かないようにかなり慎重に考えているんだな…とまず思った。出てくるエピソードの中では妄想を隠しきっている女性のエピソードが一番怖かった。ホラー小説より怖い。人を殺してはいなかったけど放っておくとそのうち本当に殺しそうだし治る見込みも薄そうで、他のエピソードに出てくる殺人者のほうがまだなんとかなりそう。 著者が「地域で面倒をみる」ということは既に無理があり、破綻を招くと主張している部分は日本でもイギリスでも同じなんだな…と思うと読んでいて暗澹とした気持ちになってくる。
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