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カフカ断片集 海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ 新潮文庫
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カフカ断片集 海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ 新潮文庫

カフカ(著者), 頭木弘樹(訳者)

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カフカ断片集 海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2024/05/29
JAN 9784102071076

カフカ断片集

¥440

商品レビュー

3.8

22件のお客様レビュー

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2025/01/13
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※このレビューにはネタバレを含みます

『変身』を読んだときに感じた、カフカ作品独特の読み心地をたっぷり堪能できる本だった。 どうしようもない不安、自己肯定感の欠如、悪夢のような断片。 そういうものがカフカの文章には漂っている。 あまりにも自分を卑下しすぎていて、「そんなに言わなくても……!」と逆におかしさを感じてしまうことすらあった。 しかし、起きている出来事も人物も自分とは違うのに、「これは私のことだ」と思ってしまうことも多かった。 カフカのこういう部分に惹かれるのだと思う。 編訳者解説で、カフカの作品は大半が未完だということを知って驚いた。 しかしその未完の状態こそが、カフカ作品の特徴で魅力だという。 この断片集を読んで、もっとカフカの作品を読んでみたくなった。 . いつもわたしをすりつぶしている石臼。その上下の石のあいだからわたしを引っぱり出してくれるものであれば、それがたとえ何であろうと、引っぱり出されるときの苦痛がひどすぎないかぎり、ありがたいことだ。 (P37) . 以前のわたしは、自分の問いかけになぜ答えが返ってこないのか、不思議だった。 今のわたしは、なぜ問いかけることができると信じていたのか、不思議だ。 いや、信じてなんかいなかった。ただ、問いかけてみただけだ。 (P64) . もっと下まで行けとおまえは言うが、もうわたしはどん底にいる。 息が詰まりそうだし、すでに深すぎるが、それでも、ここにいなければならないのなら、そうしよう。 なんてところだ! たぶんこれより下はないだろう。 それでもわたしはここにとどまろう。 だから、もうこれ以上、下に行かせようとしないでくれ。 (P111)

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2024/12/15

「変身」以来。「審判」は積読中。 『法の前に』は、カフカが感じた実際の法への失望なのかな? 絶望、混乱、孤独、喪失、迷い、息苦しさ、生き苦しさの中、訳者がつけてくれたタイトルのおかげでちょっとファニーな雰囲気もある。おかしな本でした。 〔失敗することさえできない〕 〔井戸〕 〔...

「変身」以来。「審判」は積読中。 『法の前に』は、カフカが感じた実際の法への失望なのかな? 絶望、混乱、孤独、喪失、迷い、息苦しさ、生き苦しさの中、訳者がつけてくれたタイトルのおかげでちょっとファニーな雰囲気もある。おかしな本でした。 〔失敗することさえできない〕 〔井戸〕 〔隣人までの距離〕 〔道に迷う〕 〔助けて!〕 〔何もわたしをとどめない〕 〔灌木かんぼく〕 〔問いかけ〕 〔道は無限〕 〔あいだの魚〕 『コメント』 〔すべて無駄だった〕 〔志願囚人〕 〔自分が生きていること〕 〔自由とは〕 「プロメテウス」 〔沈黙〕 ユーモア大賞は〔自分を建て直す〕かな。コサックダンスを踊るカフカを想像したらクスリとした。本人にとっては笑い事では無いだろうけど。 訳者によるフランツ・カフカ紹介を先に読むことによって、カフカの背景を前提に断片を読み進めることで、断片=カフカの当時の心情と考えながら読むことができる。 一方、カフカの背景を知らずに読むことで、断片と自分の内面が向き合って、断片が読者の心のひび割れに少し水を差してくれるような、そんな気分にもなる。 私は背景を知らずに読みました。 これから読む人は、どんな読み方が自分に合うか、楽しみながら読めるといいなと思います。

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2024/12/01

 カフカが手記やノートに書き遺したものを収録。大半が未完成あるいは断片的なものであるが、編者の解説によると、生前の発表された作品がごくわずかで、カフカ作品のほとんどが意向だったという。しかしだからといって、作品の魅力が損なわれるのではない。むしろ、未完だからこそ、カフカ独自の魅力...

 カフカが手記やノートに書き遺したものを収録。大半が未完成あるいは断片的なものであるが、編者の解説によると、生前の発表された作品がごくわずかで、カフカ作品のほとんどが意向だったという。しかしだからといって、作品の魅力が損なわれるのではない。むしろ、未完だからこそ、カフカ独自の魅力を醸し出しているという。

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