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税という社会の仕組み ちくまプリマー新書456
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税という社会の仕組み ちくまプリマー新書456

諸富徹(著者)

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税という社会の仕組み ちくまプリマー新書456

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2024/05/10
JAN 9784480684844

税という社会の仕組み

¥440

商品レビュー

3.9

7件のお客様レビュー

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2024/12/28

税の歴史と現在の税のあり方を概観するのにとてもよい本だと思います。 アメリカやイギリス、フランスでは、市民が権利を獲得していった経緯があるがゆえに、税金を権利(政府の方針を選んだり、予算の使い方に同意したりするための権利)と捉えている点は、初めて知りました。 それに対し、政府...

税の歴史と現在の税のあり方を概観するのにとてもよい本だと思います。 アメリカやイギリス、フランスでは、市民が権利を獲得していった経緯があるがゆえに、税金を権利(政府の方針を選んだり、予算の使い方に同意したりするための権利)と捉えている点は、初めて知りました。 それに対し、政府側が作った制度に則って政治が進められてきたドイツ、そして、そのドイツの制度を中心に取り入れた日本では、納税は義務と捉えられているわけですが、自分には、納税は義務(日本国憲法にもそうあるので)、という考えの方がしっくりきます。 が、民主主義のあり方を考えると、「権利」と捉える方が健全な気がします。 資産に課税するのか(固定資産税のような税)、所得に課税するのか(いわゆる所得税)、あるいは、累進課税にするのか(たとえば所得税)、多くの国民に一様に課税するのか(たとえば消費税)、といった視点は、小中学校などの教育の場で、もっと丁寧に教えるべきことのように思いました。 ちなみに、著者は、どんな制度や思想の中にもメリットを見出し、それを紹介するスタイルをとっており(もちろん、デメリットも紹介しています)、好感のもてる文体でした。 決して簡単ではない内容を、平易な文章で説明している点でも、優れていると思います。 ただ、若干、表現が下手な部分があり、そういった部分は、わかりにくい、というか、誤解を生じやすくなっているのが残念ではありました。

Posted by ブクログ

2024/09/01

「納税は義務ではなく権利である」が肝になっているけど、市民革命のなかった日本では、どこまでいっても収奪されるだけのものとしか思えない。「公共サービスの対価」ってのは分かるけど、異議申し立ての機会が少なすぎるし、実効力にいたっては皆無だもんなぁ。 普通サービスに満足できなければ金は...

「納税は義務ではなく権利である」が肝になっているけど、市民革命のなかった日本では、どこまでいっても収奪されるだけのものとしか思えない。「公共サービスの対価」ってのは分かるけど、異議申し立ての機会が少なすぎるし、実効力にいたっては皆無だもんなぁ。 普通サービスに満足できなければ金は払わない。改善要求を突きつけ、改善がなされたなら払うけどね。とにかく払えだもんね。やっぱり収奪なんだよ。

Posted by ブクログ

2024/08/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

税金は、納税者が改善を求める権利を獲得するプロセス。納税は本来、権利である。 市民革命以降、発言のための権利のために税金を払うもの。 日本では、上から課されるもの=政府を選ぶ、という実感が持てない。 株主主権を徹底すると、タックスヘイブンを利用しない企業は、努力していない、と見なされる。リーマンショックで批判されて、納税を企業の社会的責任とする動きが出てきた。 王権神授説から社会契約説=国家と市民は契約によって国政という仕事を任せ、その対価として税金を払う。 かつては王家の財産で国民の面倒を見ていた。今は無産国家。国家にはなにもない。 税は権利か義務か。公共的仕事をして貰う権利がある。その対価として払う権利がある。 ドイツでは納税は義務=国家が国民を保護するから。 日本では、憲法が天皇から与えられた欽定憲法として成立した。 租税義務説=日本、韓国、中国、ロシアなど。 アメリカ、フランス、スイスは義務ではなく、課税を政府の権利と表現している。 所得とは何か=所得とは収益だけでなく、資産の増加分も含む。 ピグーの厚生経済学では、累進課税が経済厚生を最大化することを証明した。 経済学では、効率的という基準はあっても、公平に対する基準はない。 自由落下の法則=ほっておくと格差は広がる。

Posted by ブクログ