税という社会の仕組み の商品レビュー
「納税は義務ではなく権利である」が肝になっているけど、市民革命のなかった日本では、どこまでいっても収奪されるだけのものとしか思えない。「公共サービスの対価」ってのは分かるけど、異議申し立ての機会が少なすぎるし、実効力にいたっては皆無だもんなぁ。 普通サービスに満足できなければ金は...
「納税は義務ではなく権利である」が肝になっているけど、市民革命のなかった日本では、どこまでいっても収奪されるだけのものとしか思えない。「公共サービスの対価」ってのは分かるけど、異議申し立ての機会が少なすぎるし、実効力にいたっては皆無だもんなぁ。 普通サービスに満足できなければ金は払わない。改善要求を突きつけ、改善がなされたなら払うけどね。とにかく払えだもんね。やっぱり収奪なんだよ。
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税金は、納税者が改善を求める権利を獲得するプロセス。納税は本来、権利である。 市民革命以降、発言のための権利のために税金を払うもの。 日本では、上から課されるもの=政府を選ぶ、という実感が持てない。 株主主権を徹底すると、タックスヘイブンを利用しない企業は、努力していない、と見なされる。リーマンショックで批判されて、納税を企業の社会的責任とする動きが出てきた。 王権神授説から社会契約説=国家と市民は契約によって国政という仕事を任せ、その対価として税金を払う。 かつては王家の財産で国民の面倒を見ていた。今は無産国家。国家にはなにもない。 税は権利か義務か。公共的仕事をして貰う権利がある。その対価として払う権利がある。 ドイツでは納税は義務=国家が国民を保護するから。 日本では、憲法が天皇から与えられた欽定憲法として成立した。 租税義務説=日本、韓国、中国、ロシアなど。 アメリカ、フランス、スイスは義務ではなく、課税を政府の権利と表現している。 所得とは何か=所得とは収益だけでなく、資産の増加分も含む。 ピグーの厚生経済学では、累進課税が経済厚生を最大化することを証明した。 経済学では、効率的という基準はあっても、公平に対する基準はない。 自由落下の法則=ほっておくと格差は広がる。
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政治学における税制分野に関して踏み込むまでには食指が動かないが、入門書としての歴史的な前提と今後の向き合い方といった実感的な学習案内としては確かな出来で、機会をみて読み返したい。
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税は奪われるものではなく、公共サービスに対する対価である。 対価に見あったサービスを享受出来ていないと思ったらノーを、出来ていると思ったらイエスを、よりサービスを受けたいと思ったら更なる課税をリクエストする機会は幾らでもある。選挙しかり、市民運動しかり、何なら国籍を替えて移住し...
税は奪われるものではなく、公共サービスに対する対価である。 対価に見あったサービスを享受出来ていないと思ったらノーを、出来ていると思ったらイエスを、よりサービスを受けたいと思ったら更なる課税をリクエストする機会は幾らでもある。選挙しかり、市民運動しかり、何なら国籍を替えて移住してもいい。 税額という分かり易いモノサシがあるのだから、それを基準にその先にある、ありたい社会について民衆同士で、又は首長や議員と話し続ければいい。 そう思う。 紀伊国屋書店天王寺ミオ店にて購入。
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社会科学、特に経済学には苦手意識を持ってきた。 それを払拭するきっかけを与えてくれたと断言まではできないが、経済の仕組みを税という観点から垣間見せてくれる。 世界と日本の課税制度の歴史を概説しているが、納税という行為を通して、民主主義に参加し積極的に社会を支え、担って...
社会科学、特に経済学には苦手意識を持ってきた。 それを払拭するきっかけを与えてくれたと断言まではできないが、経済の仕組みを税という観点から垣間見せてくれる。 世界と日本の課税制度の歴史を概説しているが、納税という行為を通して、民主主義に参加し積極的に社会を支え、担って行こうという意識を持たせてくれる。 本書の論点は、「納税を義務と考えるのではなく、権利と考えるべきである」というものだ。 納税者がその使途に対して発言を行い、改善を求める「権利」を獲得するプロセスだと理解すべき(p16) との主張が、個人的には新鮮で引き込まれた。 索引や参考文献表が備わっていないのが、残念である。
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税制の入門書としてとても分かりやすい。税の歴史を抑えつつ、納税者=主権者がどのような姿勢で政治に向き合うべきかを解説してくれている。
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