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死の貝 日本住血吸虫症との闘い 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2024/04/24 |
JAN | 9784101433226 |
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商品レビュー
4.5
27件のお客様レビュー
江戸時代以前から山梨を蝕む、腹が膨れ死ぬ奇病。原因や発生過程を特定し対処法を考える医者、研究者、官民の闘い。 wikipedia三大文学の一つとも言われる日本住血吸虫の話。一つの病気を絶滅するのにこれだけの苦労と工夫があるのかと圧倒された。
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「Wikipedia3大文学」としても有名な「地方病(日本住血吸虫)」の治療に関わった医師の記録である。山梨県に発生していた病の解明と治療法を見つけるために、多くの人の努力と熱意があったかがわかる本である。 現在の日本で、寄生虫病とはほぼ無縁の生活をしている自分には到底理解し切れない恐怖、不安があっただろうと想像できる。現代の日本に生まれたありがたみを感じずにはいられなかった。 また、未知の病を研究するために、原因究明の方法や患者にどのようにアプローチするかも興味深かった。
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古来から日本各地に発生し、原因不明の奇病として恐れられてきた「日本住血吸虫症」。その寄生虫病との戦いの歴史を描いたノンフィクション作品。 本書は以前読んだ『羆嵐』、および『八甲田山死の彷徨』と共にWikipedia三大文学と呼ばれている。どれも実話を基にした壮絶なもので、対応する...
古来から日本各地に発生し、原因不明の奇病として恐れられてきた「日本住血吸虫症」。その寄生虫病との戦いの歴史を描いたノンフィクション作品。 本書は以前読んだ『羆嵐』、および『八甲田山死の彷徨』と共にWikipedia三大文学と呼ばれている。どれも実話を基にした壮絶なもので、対応するWikipedia記事がある。本書は「地方病 (日本住血吸虫症)」の記事が対応する。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E6%96%B9%E7%97%85_(%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BD%8F%E8%A1%80%E5%90%B8%E8%99%AB%E7%97%87) 100年以上に渡る寄生虫病との戦いは凄まじく、本書とWikipediaの「地方病 (日本住血吸虫症)」記事を読み、圧倒されてしまった。ただ、膨大な情報量にも関わらず、どちらも読みやすく整理・構成されている。小説を読み、記事を読み、その出典など関連情報を見たり、舞台となった地をGoogleマップで見たりしていると、果てしなく世界が広がる感覚を覚えた。地方病が蔓延していた頃には得られなかった膨大な情報がPCの前で得られる。 -------------------------------------------------- ・本書で扱われるのは、かつて「水腫脹満」、「地方病」などと呼ばれ、現在では「日本住血吸虫症」とされている奇病との戦いの歴史。この奇病は古くは江戸時代(1582年)の文献にも残っており、それが撲滅に至るまでの大正〜明治〜昭和にかけての戦いがわかる。その後、最大の有病地であった山梨県で平成8年(1996年)に地方病終息宣言が出されている。ひとつの病気を撲滅したというのは、これまでに日本のみが成し遂げた偉業であるとされている(海外では今でもこの病に苦しむ人が多くいる)。 ・この奇病に因んだ口碑(ことわざ)がまず印象に残る。これらの口碑が伝わっていた土地では、「水腫脹満」と呼ばれる病があり、手足は痩せ細り、太鼓腹になり、そうなれば確実に死ぬということが知られていた。その有病地に嫁いでいく悲運を表現している。 - 「水腫脹満 茶碗のかけら」 - 「中の割に嫁に行くには 買ってやるぞや 経帷子に棺桶」 - 「竜地 団子に嫁に行くには 棺桶を背負っていけ」 - 「嫁には嫌よ 野牛島は 能蔵池の葦水飲む辛さよ」 ・冒頭ページには当時の患者の写真が二つ掲載されている。ひとつは患者の大きく膨れた腹。そしてもうひとつは18歳の健康者、18歳/25歳の患者の3人が並んだ写真。健康者と患者の大きな違いに衝撃。本文中には、徴兵検査で特定地域にあまりにも体格不良者が多く見られたことから調査に繋がったという記載もある。 ・その他、衝撃的なエピソードに事欠かない。そして、戦前・戦後を跨いだ時代も感じさせる。 - 死を悟った患者が自身の死体解剖を願い出た『死体解剖御願』(原文が示される)。当時山梨県で初の病理解剖。 - 病気の原因解明に尽力し、愛猫を解剖に差し出した三神医師。 - 病原体が判明後も、その感染経路(経皮感染 or 経口感染)を解明するため、ウシを使った大規模な感染実験。 - 中間宿主であるミヤイリガイの発見とその後の涙ぐましい農民たちの駆除活動(ミヤイリガイの拾い集め)。しかし、貝の強い繁殖力のため効果なし。 - 地域住民への予防啓発活動と殺貝剤散布による駆除活動。 ・本書は全5章からなる。そのうち第4章の時点で、(1)病原体の日本住血吸虫の発見、(2)日本住血吸虫の感染経路が経皮感染であると解明、(3)中間宿主の「ミヤイリガイ」の発見、(4)ミヤイリガイの殺貝に生石灰が効果的と判明、(5)治療薬「スチブナール」の開発までができている。それにも関わらず、この時点で小説の半分ほどのページが残っている。原因や治療法などがわかってからも、地道な努力が必要だったことがよくわかる。 ・かつての有病地には、今も石碑や伝承館などがあるらしい。訪れることがあれば、見てみたい。日本住血吸虫症の解明から撲滅に至るまでは、とても多くの人の偉業が積み重なっていて、それらが現在の衛生的な生活に繋がっていると分かった。
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