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なぜ働いていると本が読めなくなるのか 集英社新書1212
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 集英社 |
| 発売年月日 | 2024/04/17 |
| JAN | 9784087213126 |

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なぜ働いていると本が読めなくなるのか
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商品レビュー
3.8
1431件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読みやすい文章だった。 現代の働き方について自分があれこれ考えていたこと(私は読書ではなく出産育児の観点からだが)が見事に文章化されて、新たな働き方として提案されていて気持ちが良かった。 舞台観劇好きとしては、ドラマや映画などの映像作品が倍速などで「消費」されていく風潮への違和感が前からあったので、そこに言及していたのもすっきりした。 労働と読書の関係ははじめて触れたのでおもしろかった。
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AIに仕事を奪われることを怖がるより、むしろ「本も読めないくらい余裕を奪うような仕事」なら、どんどんAIに任せてしまえばいいという考え方に救われました。
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面白い部分もちょこちょこあった。 円本ブームのマーケティング戦略や、「ハウツー本」の走りの話なんかは、面白かった。 一方で、ミクロの話とマクロの話がごっちゃにされていて、全体的にいまいちわかりづらい。 もともと本を読んでいたのに、働き始めてから本を読めなくなった、という三宅さ...
面白い部分もちょこちょこあった。 円本ブームのマーケティング戦略や、「ハウツー本」の走りの話なんかは、面白かった。 一方で、ミクロの話とマクロの話がごっちゃにされていて、全体的にいまいちわかりづらい。 もともと本を読んでいたのに、働き始めてから本を読めなくなった、という三宅さんの個人的な問題意識が出発点。それなのに、日本国民全体の読書史というマクロの話に飛び、ありきたりな新自由主義批判に至った結果、「全身」ではなく「半身」で労働しましょうという自己啓発的な解決に着地してしまう。 現代社会の構造的な問題を批判したいのであれば、過去においてはもともと本を読んでいた層は、働き始めてからも本を読み続けられていたのかという点についての分析が欲しい。個人的な問題意識の解決が目的ならば、日本国民全体の読書史の話とのつながりが見えづらい。 「もともと本を読んでいた層」の読書量が減っている原因についても、「全身」で労働する社会が問題だとしているが、ここもありきたりな考察である上に、議論として弱い。 余暇時間は統計的に増加しており、動画視聴やSNSに使う時間が増える一方、読書量は相対的に減少している。この状況について、前者はノイズがない情報だから労働にとって有意で、後者はノイズがある情報だから労働にとって意味をなさず、ゆえに後者が減少しているという論証は、果たして正しいだろうか。動画やSNSなんて、読書以上に「労働」にとってはノイズでしかないものが多いのではないか。 そもそも、読書にはノイズ=他者性が含まれ、生きてく上で必要なのに、今の社会では読書ができない、という嘆きは、三宅さんが批判めいた書き方をする読書のエリート主義そのものではないだろうか。 気になる点は多いし、三宅さんの提言も、みんなが広く共感できそうな感想、という域を出ない(学術書ではないのだからそりゃそうなのだけど)。三宅さんの提言こそが、ノイズレスなものになってしまっている。 一方で、本を読みたいけど読めないという人の多くにぶっ刺す内容であったこと、三宅さんには多くの人の共感を嗅ぎつける才能があることは間違いない。それが読書=ノイズ、という三宅さんの図式と整合しているのかはわからんけど。 人は何に共感するのか、ということを知れるのは意外と重要だ。他の本も売れてるようだし、時間を見つけて読んでみようと思う。
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