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量子力学の100年
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量子力学の100年

佐藤文隆(著者)

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量子力学の100年

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 青土社
発売年月日 2024/03/19
JAN 9784791776344

量子力学の100年

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2024/08/04

この本は痺れるくらいに面白かったです。来年2025年は量子力学100年の記念年とのこと。とするとハイゼンベルグの行列方程式が生まれた年が始まりなのか…そして2022年のノーベル物理学賞が「量子もつれ」についての研究に与えられたこともうっすらとしか知りませんでした。知ってても202...

この本は痺れるくらいに面白かったです。来年2025年は量子力学100年の記念年とのこと。とするとハイゼンベルグの行列方程式が生まれた年が始まりなのか…そして2022年のノーベル物理学賞が「量子もつれ」についての研究に与えられたこともうっすらとしか知りませんでした。知ってても2021年の眞鍋淑郎さんたちの「地球気候を物理的にモデル化して地球温暖化のシミュレーションした業績」みたいに社会に対して有用という観点での、いよいよ現実化してきた量子コンピュータ絡みの評価ぐらいに思っていたかも…しかし、それは量子力学の意味のターニングポイントである、と日本物理学の泰斗である著者は語り始めます。彼は100年近い量子力学の歴史を次の三段階に区分します。A コペンハーゲン解釈の成立…1927年(X線から量子力学まで:19世紀後半からの知的世界の新勢力である科学と人間をめぐる論議) B 第二次世界大戦後の冷戦期…1950〜60年代(原爆からクオークまで:イデオロギーの時代) C 量子情報の時代…20世紀後半(コンピュータと量子工学:1980年後半以後の量子技術の時代)。この進展によって量子力学の対象が「モノ」から「情報」に「転移」して、それが物理学者の心情を揺るがす、というエモい歴史を解き明かします。それは「実在」とはなにか、という哲学的な問いであり、「ボーア・アインシュタイン論争」の意味であるのです。その決着はつかないままニールス・ボーア研究所の「コペンハーゲン解釈」が時代の流れを作っていき、それに対する不満表明がアインシュタイン=ポドルスキー=ローゼンのパラドックス(EPR論文)であり、その決着が「量子もつれ」であり、旧量子から新量子の時代になる、それによって物理学と物理学者の意義が変わっていくであろう、と言っていると思いました。「黙って計算しろ!」「裏街道の課題」「恥じらいの実存主義者」「坊主から職人へ」「hのある量子力学」「hのない量子力学」「思想としての科学から力強い科学への変容」「思想で乗り切った量子力学誕生劇」「哲学としての力学」…魅力的なキーワードもざくざく。そして『科学は「人間がいてもいなくても変わらない」自然法則の探究ではないのである。』という結語へ。お腹いっぱい!いや頭いっぱいいっぱい!

Posted by ブクログ

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