- 中古
- 店舗受取可
- 書籍
- 文庫
スター・シェイカー ハヤカワ文庫JA
定価 ¥1,210
990円 定価より220円(18%)おトク
獲得ポイント9P
在庫あり
発送時期 1~5日以内に発送
店舗受取サービス対応商品
店舗受取なら1点でも送料無料!
店舗到着予定
11/29(金)~12/4(水)
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2024/03/21 |
JAN | 9784150315689 |
店舗受取サービス
対応商品
店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる
店舗到着予定
11/29(金)~12/4(水)
- 書籍
- 文庫
スター・シェイカー
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
スター・シェイカー
¥990
在庫あり
商品レビュー
3.5
4件のお客様レビュー
ちょっと荒削りかなとも思うけどアイディアは秀逸だしエンタメ性も充分。 最後の場面の理論的な種明かしがあればもっと良かったかも。
Posted by
21世紀晩年、社会は移動するのにはテレポートするようになっていた。このテレポート社会の描写がこれぞSFといった読み応え。 自身が自力で、あるいはWBワープボックスに入って業者によってテレポートする。なので住宅に玄関は無く、高層住宅に住む。しかし適応できない人は下層に住んだり、今...
21世紀晩年、社会は移動するのにはテレポートするようになっていた。このテレポート社会の描写がこれぞSFといった読み応え。 自身が自力で、あるいはWBワープボックスに入って業者によってテレポートする。なので住宅に玄関は無く、高層住宅に住む。しかし適応できない人は下層に住んだり、今や使われなくなった高速道路に住んで、サービスエリアに仮想政府を作って生活している「ロードピープル」という人たちもいる。しかしテレポートには失敗もあって、移動している人が途中で人間にぶつかりその内臓を突き破ってしまう、という事故も発生している。 主人公の赤川勇虎は、運送業務中に翔突事故(衝突ではなく翔突という字を使っている)を起こし、後遺症でテレポート能力を失った青年。ある日ゴミ箱に隠れていた少女ナクサを助けたことから「灰なる月」という組織に追われ始める。. テレポートは水平方向より垂直方向は何倍も難しいが、このナクサは世界にも稀有な能力、垂直方向への高いテレポート能力があり、地球の裏側へもテレポートできる。 後半は、テレポート能力者同士の戦いが本格化する。移動先の相手を裂殺するという設定を生かし、これは前半ではマイナスだったが、後半ではこれが一撃必殺の達人技になっている。WBワープボックスを使わずに心のみで自在にテレポート(古典テレポート)できる者は「奥義者」と呼ばれ、手練れ同士の戦いが繰り広げられる。 「奥義者」は「旦那」を必要とし、解説によれば、みんな誰かとつながろうとしていて、その切実な思いが荒唐無稽な設定や派手なバトルに奥行を与えている、と書いている。そして、「テレポート×振動」の設定を貫き、インフラであり、武器であり、恋愛や親子関係の核にもなり、宇宙存亡の鍵にまでなってしまう、というところが、この作品の力だという。 著者は大学浪人中に白血病になり治った、という経験を持つようだ。それがこういうつながりを描いた元になっているのか。「人間36度くらいの平熱で、健康でいるのが一番だよね」ということから「人間六度」というペンネームにしたそうだ、と解説にある。 2021年、第9回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作(6~8回は大賞受賞作無。優秀賞は安野貴博の「サーキット・スイチャー」 2022.1に単行本で出版 2024.3.24発行 図書館
Posted by
SFの醍醐味のひとつ「壮大なホラ話」をお腹いっぱい味わえる。サイコキネシスによる物体の破壊ではなくテレポーテーションによる衝突破壊、高速道路のサービスエリアが独立国となっている荒廃した未来社会など、「設定」の面白さ、発想の奔放さが際立っている。設定自体の凝りに凝ったアイデアだけで...
SFの醍醐味のひとつ「壮大なホラ話」をお腹いっぱい味わえる。サイコキネシスによる物体の破壊ではなくテレポーテーションによる衝突破壊、高速道路のサービスエリアが独立国となっている荒廃した未来社会など、「設定」の面白さ、発想の奔放さが際立っている。設定自体の凝りに凝ったアイデアだけで突っ走るくらいの乾いた娯楽作で行って欲しかったくらいだが時折感情がウェットになるところが個人的には少し好みに反した。もしウェットな感情を描くのであれば、個人的にはそのSFでなければ成立できない特殊な設定下におけるその世界の住人たちの心性の在り様が、「現実世界におけるわれわれの心性」に普遍的なものとして何かしら訴えかけてくるものが欲しかった。たとえば瞬時に移動するという距離感の喪失というものは、現実のわれわれの感情の中の何が変わってしまうことになるのかを想像して描くことで、SF以外の小説では書けない現実のわれわれの感性を再構築するような、そういうところに踏み込んだものがあればなお良かったかなと思った。
Posted by