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アーナルデュル・インドリダソン(著者), 柳沢由実子(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2024/01/19
JAN 9784488011314

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商品レビュー

3.9

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2024/11/12

読書備忘録872号。 ★★★★☆。 これも大好物なシリーズです。 本作は7作目。 カテゴリは北欧警察(ミステリー)小説という感じでしょうか。 舞台はアイスランド。高緯度にある人口40万弱の小さな島国。 冬は極夜で一日中暗いイメージ。そんな暗くて寒い街で起きる犯罪をレイキャビ...

読書備忘録872号。 ★★★★☆。 これも大好物なシリーズです。 本作は7作目。 カテゴリは北欧警察(ミステリー)小説という感じでしょうか。 舞台はアイスランド。高緯度にある人口40万弱の小さな島国。 冬は極夜で一日中暗いイメージ。そんな暗くて寒い街で起きる犯罪をレイキャビク警察の主人公たちが陰気に解決していく!寒い寒い・・・。 本来このシリーズは犯罪捜査官のエーレンデュルが主人公なんですが、今作は同僚のエリンボルク(40代の女性、4人の子供と旦那あり)を主人公に据えたミステリー。 エーレンデュルはどこ行った? なんか2週間の休暇を取得し、東部に出かけていき行方不明・・・。謎でしょ? そうなんです。このシリーズの主人公や同僚は漏れなくプライベートに問題を抱えているんです。 犯罪捜査と並行して、このあたりの枝葉ストーリーが作品に深みを与えていることは間違いないです。 物語はレイキャビクの夜、パブらしき飲み屋で男が女を物色しているところから始まる。 どうやら男はレイプドラックを使ってレイプを企てている様子。 そして男のアパートの部屋で、男は下半身裸の状態で頸を鋭利なナイフで切られ殺されていた。 周りには使用済みのコンドームが。女性の髪の毛と思われる微細証拠。 口にはレイプドラックが押し込まれていた。 ベッドの下には女性の遺留品と思われるスカーフ。 男の名前はルノルフル。電気通信会社の技師。 現場にいたと思われるレイプ被害者?は誰なのか? ルノルフルを殺したのは誰なのか? 普通に考えれば、レイプ被害者が男の隙をついて殺害して逃げた? エーレンデュル不在のなか、エリンボルクが捜査の指揮を執る! ここにリンカーン・ライムがいれば現場の微細証拠の科学分析から全てを明らかにしていくことろですが、そこは北欧ミステリーです!ひたすら足を使った聞き込み捜査。 太陽に・・・の山さんか、踊る・・・の和久さんか!っていうくらい地道な捜査。 スカーフからインド料理の香辛料の匂いを手掛かりに・・・。 ルノルフルにレイプドラックを売ったと思われる売人に・・・。 ルノルフルが配線工事した家の聞き込み・・・。 ルノルフルの地元に、友人に、親族に聞き込み・・・。 登場人物の数が半端ない(巻頭に一覧があるので助かります)。 全ての登場人物から聞き取り、推理、聞き取り、推理を繰り返すエリンボルク。 そして、残り数ページでやっと事件の全容にたどり着く! エリンボルクと共に聞き取り捜査を体感するのがこの作品の醍醐味なので、毎度ですが全て割愛(;^ω^) そしてエリンボルクの抱える家庭問題。 4人の子供のうち、一番上の長男は夫の甥であり養子。 自分の子供たちと分け隔てなく育ててきた。それでも長男は家を出て行ってしまった。 それを母親のせいだと母親を目の敵にする次男。次男をお手本と崇める三男。唯一母親の味方の末っ子長女。 どこまでも優しい旦那。 だからこそ、捜査に明け暮れ、家のことが疎かになる葛藤に悩む。 レイプ事件と自分の娘を重ねて苦しむ。 エリンボルク家に幸あれ!と願わずにいられない! そして肝心のエーレンデュル。ホントにどこ行ってしまったのか・・・。 例によって亡き弟と向き合うために山を放浪しているのか・・・。 巻末の訳者柳沢由実子さんによれば、次作第8巻でもエーレンデュルは復活せず。 エリンボルクに代わり、同じく同僚のシグルデュル=オーリが主人公とのこと。 これまでちょろちょろとしか触れられなかった彼のプライベートが明らかになる!? めちゃくちゃ楽しみです。

Posted by ブクログ

2024/08/22

エーレンデュル捜査官シリーズ7作目。 エーレンデュルは行方不明中。なので同僚のエリンボルクが主役。女性と犯罪の関係に焦点が当たってて、どこの国も女性は弱者と暗い気分になってしまった。 エリンボルクが作るアジア料理を食べてみたい。

Posted by ブクログ

2024/08/15

もともとこのシリーズの良さは、 謎解きの楽しみというよりも、 事件の暗さに絡められた エーレンデュルの内面の深堀りにあると私は思う。 その片鱗は見られた。 エリンボルクの家庭の様子が描かれ、 親子の問題をどう語っていくのかに私は興味津々だった。 ラスト数十ページまで来たときに...

もともとこのシリーズの良さは、 謎解きの楽しみというよりも、 事件の暗さに絡められた エーレンデュルの内面の深堀りにあると私は思う。 その片鱗は見られた。 エリンボルクの家庭の様子が描かれ、 親子の問題をどう語っていくのかに私は興味津々だった。 ラスト数十ページまで来たときに、 この本は恐らく前編で、 もう1冊を後編として出して、 謎解きも、エリンボルクの子どもとの葛藤も、 深く描かれるのだろうと思っていた。 それが、事件はあっけなく解決し、 子どもとの話も描かれずじまいだった。 とても良い取っ掛かりを持った作品だっただけに、 もったいないなあと思う。 風呂敷を広げるだけ広げて、 終了までの時間が足りなくなって、 慌てて風呂敷を閉じてしまった印象。 もしかすると、 エリンボルク同様、 インドリダソン自身も、 問題がつかみ切れていないまま書き終えたのかも。 インドリダソンが得意とする内面の描写を、 エリンボルクとルノルフルにやってくれたら、 これもまた傑作のひとつになったと思うのだが。

Posted by ブクログ

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