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悪い男 の商品レビュー

3.9

16件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

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  4. 2つ

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  5. 1つ

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2024/08/22

エーレンデュル捜査官シリーズ7作目。 エーレンデュルは行方不明中。なので同僚のエリンボルクが主役。女性と犯罪の関係に焦点が当たってて、どこの国も女性は弱者と暗い気分になってしまった。 エリンボルクが作るアジア料理を食べてみたい。

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2024/08/15

もともとこのシリーズの良さは、 謎解きの楽しみというよりも、 事件の暗さに絡められた エーレンデュルの内面の深堀りにあると私は思う。 その片鱗は見られた。 エリンボルクの家庭の様子が描かれ、 親子の問題をどう語っていくのかに私は興味津々だった。 ラスト数十ページまで来たときに...

もともとこのシリーズの良さは、 謎解きの楽しみというよりも、 事件の暗さに絡められた エーレンデュルの内面の深堀りにあると私は思う。 その片鱗は見られた。 エリンボルクの家庭の様子が描かれ、 親子の問題をどう語っていくのかに私は興味津々だった。 ラスト数十ページまで来たときに、 この本は恐らく前編で、 もう1冊を後編として出して、 謎解きも、エリンボルクの子どもとの葛藤も、 深く描かれるのだろうと思っていた。 それが、事件はあっけなく解決し、 子どもとの話も描かれずじまいだった。 とても良い取っ掛かりを持った作品だっただけに、 もったいないなあと思う。 風呂敷を広げるだけ広げて、 終了までの時間が足りなくなって、 慌てて風呂敷を閉じてしまった印象。 もしかすると、 エリンボルク同様、 インドリダソン自身も、 問題がつかみ切れていないまま書き終えたのかも。 インドリダソンが得意とする内面の描写を、 エリンボルクとルノルフルにやってくれたら、 これもまた傑作のひとつになったと思うのだが。

Posted byブクログ

2024/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 アイスランドミステリー第7弾。  主人公のはずのエーレンデュルは行方不明。同僚エリンボルク女性刑事、既婚、子供は3人、養子に迎えた夫の姉の子がいる。しかし彼はよく知らない父親のもとへ行ってしまった。末っ子の女子テオドーラはエリンボルクのお気に入り。  事件は、若い男性が首を切られたというもの。口にはレイプドラッグが詰め込まれていた。彼は性犯罪の常習犯だったのかもしれない。手がかりは女性もののスカーフ。タンドリーチキンの匂いがした。実はエリンボルクは料理の名人。レシピ本も出版している。元々厳しい家庭に育ち、食には恵まれていなかった。彼女には離婚歴がある。当時は地理学を学んでいた。  事件はなかなか解決せず、エリンボルクは睡眠時間が少ない。しかし夫はよくサポートしてくれている。彼は自動車修理工場の共同経営者。料理はあまりできなくて、子供達にはテイクアウトのものを食べさせているが気楽だ。  エリンボルクの同僚シングルデュルオーリは癖が強い。相手にすぐ突っかかるし。  殺害された男と彼の友人だった高校教師。彼の教え子の一人が行方不明になっている。エリンボルクは彼女ももしかしたら関係があるのかもしれないと思っている。殺害された男性は電気通信技師として訪問した家を物色していた。  そして結末。殺害したのは被害者男性と同郷の男。彼の姉がかつて男に乱暴され、長年精神を病み自殺してしまったのだった。結局被害者男性の友人の教え子の行方もわからないままだ。エーレンデュルは車が打ち捨てられているだけで行方が分からない。 《感想》いつもなら安定して静かなはずのこの作品。今回は同僚エリンボルクにスポットライトが当たっているおかげで少し温かみが感じられる。事件よりも詳しく書かれているのはエリンボルクの日常。3人子供がいて、また頭の片隅には長男?養子の子供がいる。彼が家を出て行ったことで実子長男は反抗気味。ブログにいろいろ書いていて、それが余計エリンボルクを苛立たせる。彼女の心の慰めになっているのは末っ子。出来が良くて、飛び級なんかも勧められているけれども、エリンボルク夫妻はあんまり乗り気ではない。  ただ今回はその末っ子の絵本、自動車工場夫の服が決め手となって事件に進展が見られた。アイスランドは殺人事件の発生率がとても少ないらしい。そんな中でこのシリーズが7作も続いているのは、ただ事件の解決だけではなくて、そこに至る人々の気持ちや思い出がとてもとても詳しく書かれているからだと思う。次作はシグルシュルオーリにスポットライトが当てられているらしい。本当に楽しみにしている。

Posted byブクログ

2024/07/08

アパートで喉を切られた死体が発見される。レイプドラッグが口に詰められており、その時、部屋にいた親子が逮捕されるのだが、、、。北欧ミステリーらしい残酷な事件。今回はエリンボルクが主役たが期待を裏切らず、読み応えがある。 次作はシグルデュル=オーリが主役とのこと。エーレンデュルの行方...

アパートで喉を切られた死体が発見される。レイプドラッグが口に詰められており、その時、部屋にいた親子が逮捕されるのだが、、、。北欧ミステリーらしい残酷な事件。今回はエリンボルクが主役たが期待を裏切らず、読み応えがある。 次作はシグルデュル=オーリが主役とのこと。エーレンデュルの行方が気になる。

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2024/06/16

期待を裏切らないシリーズ、 今回はいつものエーレンデュルではなく 彼の部下の エリンボルクが主役。 面白かったー。 当たり前のことだけど 彼女にも家庭があり、 悩みがあり。 そして悪い男を征伐したのは誰か? そして終盤で誤植を見つけましたよ、 編集者さん。 再開→再会 で...

期待を裏切らないシリーズ、 今回はいつものエーレンデュルではなく 彼の部下の エリンボルクが主役。 面白かったー。 当たり前のことだけど 彼女にも家庭があり、 悩みがあり。 そして悪い男を征伐したのは誰か? そして終盤で誤植を見つけましたよ、 編集者さん。 再開→再会 ですよね。

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2024/05/31

エーレンデュル捜査官シリーズ第7弾。 6弾は、エーレンデュルがほぼ1人で捜査をしていたが、今作は女性であるエリンボルクが主人公として事件解決に乗り出す。 エーレンデュルの場合も家庭内のことも事件を追いながら絡めてきていたが、エリンボルクも同様に始めて知る彼女の家族ことが明らか...

エーレンデュル捜査官シリーズ第7弾。 6弾は、エーレンデュルがほぼ1人で捜査をしていたが、今作は女性であるエリンボルクが主人公として事件解決に乗り出す。 エーレンデュルの場合も家庭内のことも事件を追いながら絡めてきていたが、エリンボルクも同様に始めて知る彼女の家族ことが明らかにされる。 バツイチであることや夫が自動車修理工であり、夫の亡くなった姉の子どもを養子にしたことやそのあと3人の子どもを生み、今は高校生の長男の反抗期に悩まされていること。 料理が得意で、でき得る限り手料理をも食べさせたいと思っているなど。 今回、アパートの一室で喉を切り裂かれた男の死体が発見され、レイプドラッグが見つかっていることから常習のレイプ犯かと…。 被害者による復讐なのか?をエリンボルクが追う。 殺害現場に残っていたものを手掛かりに捜査するが、決めてとなったのは匂いである。 エリンボルクが料理好きなこともあり、スカーフに残っていた香辛料の匂い。 そして、夫が修理工であることでエンジンオイルの臭いなどを嗅ぎとる。 ラストには、まだ探しものがあるという雰囲気で終わる。 この余韻はいつも感じることなのだが今回はすっきりとしないという不穏さが強い。 それにエーレンデュルが行方不明であることが気になる。 これは繋がっていくのだろうか…。

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2024/05/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

このシリーズは外れがない気がする 一気読みだった 小さな国なので、隣近所知り合いばかりっぽいけど、レイプはあるんだ。おまけに捕まっても1年ちょっとの刑で終わるんだ 確かに殺したくなるね

Posted byブクログ

2024/04/14

アイスランド・レイキャビク警察のエーレンデュル捜査官シリーズ第七作。 と言っても、今回はエーレンデュルは休暇のため不在(長すぎるし連絡も取れなくてこっちも気になる)。 ということで、今回はこれまで脇役だったエリンボルク捜査官(女性)が主人公となる。 このシリーズは被害者が気分が...

アイスランド・レイキャビク警察のエーレンデュル捜査官シリーズ第七作。 と言っても、今回はエーレンデュルは休暇のため不在(長すぎるし連絡も取れなくてこっちも気になる)。 ということで、今回はこれまで脇役だったエリンボルク捜査官(女性)が主人公となる。 このシリーズは被害者が気分が悪くなるような『悪い男』であることが多いのだが、この作品もそうだった。 レイプドラッグと言われる薬品を女性に飲ませて強姦するレイピストが、自ら使っていたレイプドラッグを口に詰め込まれて殺されていた。 全く同情出来ない被害者なので、自業自得な最期については寧ろ良かったと思ってしまうのだが、警察としてはそうはいかない。 日本の警察小説だとアウトローな刑事ものでない限り二人一組で捜査をするのだが、このシリーズは基本単独捜査を行っている。 訳者あとがきによると、アイスランドでの殺人事件は年間4、5件、人口10万人単位での殺人事件発生率としては日本に近いくらい少ないようだ。ヨーロッパの中でも比較的平和な国ということでこういう捜査スタイルになっているのかも知れない。 だが今回の作品のような強姦だったり過去に扱われた虐待や暴行事件などはそれなりに起こっているようで、エリンボルクの母親は、娘が捜査官という職業を選んだことを心配している。 捜査の行方の方は、現場に残されていた女性ものと思われるスカーフやTシャツ、そして被害者の人間関係、さらに目撃者探しといったことをエリンボルク一人で担っているため、遅々として進まない。 この辺りは過去の作品で経験済みなのだが、訳者の柳沢さんの文章と相性が良いのか、読み進みやすかった。 同時にエリンボルクの家族関係についても描かれていて、こちらはエーレンデュルほど極端な家族ではないので親近感があった。 現在の夫・テディの大らかさに癒され、長女で三番目の子供のテオドーラに勇気づけられる一方で、長男ヴァルソルとの関係は全く上手く行っていないし、次男アーロンも徐々にエリンボルクから距離を置こうとしている。ヴァルソルとの確執が養子ビルキルが家を出たことに端を発していると知ったエリンボルクは過去の自分の対応に思い悩む。 こうしたことには正解というものはないので悩ましい。なるようにしかならないと大らかに構えるか、とことん藻掻くのか。距離を置いた方がいいのか、向き合ってとことん話し合うのか。 個人的にはエリンボルクは仕事も家事も家族にも頑張っている良いお母さんに見えるが、三人の子供たちそれぞれの観方は違うだろう。だから夫テディの大らかさは救いになるかも知れない。 一方で捜査の方も新展開を見せたりして面白くなってくる。『悪い男』だと思った被害者は『悪い男』ではなかったのか?別の側面があったのか? 信用ならないと思われていた証言や、見逃しそうな証言を丹念に探っていくエリンボルクはやはり優秀な捜査官だと思う。 そして強姦の被害者に対して『恥は暴行した男が感じるべきものよ』と言ったエリンボルクには共感するが、『彼らの受ける罰と言ったら、馬鹿馬鹿しいほど軽いのよ!』という被害者の言葉にも大きく頷く。 もっと被害者に寄り添った『正義を下す方法』があれば良いのだが。 もう一つ印象に残ったのは被害者の出身地である村の雰囲気。まるで横溝正史先生の作品に出てきそうな、排他的な空気でちょっと怖い。 事件としては解決したのだが、様々な謎は残っている。 次作はなんと、問題児(と私が勝手に呼んでいる)シグルデュル=オーリが主人公らしい。 時間軸としては今回の作品と同時らしいので、エーレンデュルはまだ不在らしい。こちらの作品のその後やエリンボルク家族のその後、エーレンデュルの行方なども描かれるだろうか。

Posted byブクログ

2024/04/04

殺害された被害者はレイプドラッグを所持しており… 家族の絆を細やかに描いた社会派ミステリ #悪い男 ■あらすじ アイスランドの首都レイキャヴィークで発生した殺人事件、アパートの一室で男の死体が発見されたのだ。部屋からは女性のスカーフが見つかり、さらに彼はレイプドラッグを所持して...

殺害された被害者はレイプドラッグを所持しており… 家族の絆を細やかに描いた社会派ミステリ #悪い男 ■あらすじ アイスランドの首都レイキャヴィークで発生した殺人事件、アパートの一室で男の死体が発見されたのだ。部屋からは女性のスカーフが見つかり、さらに彼はレイプドラッグを所持していたことが判明する。主人公である捜査官であるエリンブルクは、彼に乱暴された女性を探すために捜査を始めるのだった… ■きっと読みたくなるレビュー シンプルかつストレートな北欧ミステリーですね、胃にずっしりと来ました。タイトル『悪い男』とは間違いなくこの被害者であるのは想像がつく、一体この事件にはどんな背景があるのだろうか。 本作エーレンデュル捜査官シリーズの第七弾ということなんですが、実はこのシリーズまだ一冊も読めてないんですよね、あはは(湿地をはじめ、もちろん手元には何冊かあるけど)。でもシリーズ初読みでも前作以前のネタバレもなさそうでしたし、目一杯楽しませていただきました。 じっくり、本当にじっくりと捜査が進む。この静かさと重々しさが一番の魅力ですね。関係者や街の人々に聞きまわっても、解決の糸口すらつかめないというこの行き詰った重々しさ。それでもひたすら捜査を続けるエリンブルクの粘り強さが渋すぎて素敵です。 しかもこの女性捜査官であるエリンブルク、彼女の日常やプライベートがたびたび描写されるんです。夫との距離感、多感な年ごろの子ども達との関係性など、家族の間に吹く隙間風が針の筵のように彼女の背中に突き刺さってくる。 特に末っ子の娘に対して贔屓目に見てしまったり、猫かわいがりが転じて自分の甘える矛先になってしまう感覚なんかはホントよくわかるの。さらに娘を持つ親として、本事件の背景にある恐ろしさに対する震えを肌で感じ取ることができるのです。 そして物語の後半になってくると、他の家族との巡り合わせがやってくる。被害者家族と加害者家族が背負っている十字架が、彼らのとってあまりに重大過ぎて辛すぎますよ。読めば読むほど苦々しさが胸を襲ってきて、許せない感情が爆発しそうになりました。 ずっと水の底で本を読んでいるような錯覚に陥る、でも強い勇気も感じる渋いミステリーでした。 ■最近わたしが思っていること 性的同意アプリって知っていますか? 性的同意を証明するものとして、書面での手続きはその場の雰囲気を壊してしまうため、比較的手軽に手続きができるように作られたらしいです。効果とかセキュリティの問題など、いろいろ批判が多いですが、こんなアプリがでてくること自体が悲しくてならない。 そもそも手続きの問題なのではなく、愛している人とだけ性交渉に及びべきという、あたりまえの愛のカタチを目指すことのほうが重要ではないでしょうか。正しく教育され、ひとりひとりが成長していけば、同意なく人を襲うなんてことは起きないんですよ。 ただ…きれいごとだけでは問題がなくならないことも知ってまして。もし本作のような被害者を減らせるのであれば、この性的同意アプリもきっと意義があるのではないか。辛い思いをする人が、ひとりでも少なくなるようにしたいです。

Posted byブクログ

2024/03/08

作家、舞台共にアイスランド。 人口わずか30万人とはいえ、気骨が感じられる国と映る。 ヨナソンから食いつき、インドリダソンも邦訳は完読。 思い込みかもしれないが、独特の癖も含めて、他の国や作家のが読めないほど お気に入り。 いつの間にかエーレンデュル捜査官シリーズという看板がつ...

作家、舞台共にアイスランド。 人口わずか30万人とはいえ、気骨が感じられる国と映る。 ヨナソンから食いつき、インドリダソンも邦訳は完読。 思い込みかもしれないが、独特の癖も含めて、他の国や作家のが読めないほど お気に入り。 いつの間にかエーレンデュル捜査官シリーズという看板がついていたんだ・・ただし、今作は主役が休暇中で不在(弟探しの旅に出ているのか??)オーリが助っ人で登場しているのは嬉しい。 だが女性かちゅ役の国、主役留守とはいえ、女性捜査官エーレンデュルがじっくり、丹念な捜査をものにしている。 相変わらずの天気が背景となって作品の情念世界の暗さを表現している・・暗い、湿っている、そして雪空? エーレンデュル捜査官の家庭事情も何やら複雑、母子家庭のような状況を呈し、長ずるに従っての反抗的な息子に心をなやまっ姿は等身大の現実社会に酷似。 事件自体は、北欧にあるあるタイプ。ロヒプノール、連続レイプ魔・・・レイキャビクに蔓延したポリオ事情は史実と思われる。 ネットフリックスで放映されるアイスランドの刑事ものもはまってしまった‥日本と匂いが全く異なる社会事情と風土。でもしっかり人々が生きていることに小さく感動する。

Posted byブクログ