商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2024/01/19 |
JAN | 9784488011314 |
- 書籍
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悪い男
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悪い男
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商品レビュー
3.9
11件のお客様レビュー
エーレンデュル捜査官シリーズ第7弾。 6弾は、エーレンデュルがほぼ1人で捜査をしていたが、今作は女性であるエリンボルクが主人公として事件解決に乗り出す。 エーレンデュルの場合も家庭内のことも事件を追いながら絡めてきていたが、エリンボルクも同様に始めて知る彼女の家族ことが明らか...
エーレンデュル捜査官シリーズ第7弾。 6弾は、エーレンデュルがほぼ1人で捜査をしていたが、今作は女性であるエリンボルクが主人公として事件解決に乗り出す。 エーレンデュルの場合も家庭内のことも事件を追いながら絡めてきていたが、エリンボルクも同様に始めて知る彼女の家族ことが明らかにされる。 バツイチであることや夫が自動車修理工であり、夫の亡くなった姉の子どもを養子にしたことやそのあと3人の子どもを生み、今は高校生の長男の反抗期に悩まされていること。 料理が得意で、でき得る限り手料理をも食べさせたいと思っているなど。 今回、アパートの一室で喉を切り裂かれた男の死体が発見され、レイプドラッグが見つかっていることから常習のレイプ犯かと…。 被害者による復讐なのか?をエリンボルクが追う。 殺害現場に残っていたものを手掛かりに捜査するが、決めてとなったのは匂いである。 エリンボルクが料理好きなこともあり、スカーフに残っていた香辛料の匂い。 そして、夫が修理工であることでエンジンオイルの臭いなどを嗅ぎとる。 ラストには、まだ探しものがあるという雰囲気で終わる。 この余韻はいつも感じることなのだが今回はすっきりとしないという不穏さが強い。 それにエーレンデュルが行方不明であることが気になる。 これは繋がっていくのだろうか…。
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このシリーズは外れがない気がする 一気読みだった 小さな国なので、隣近所知り合いばかりっぽいけど、レイプはあるんだ。おまけに捕まっても1年ちょっとの刑で終わるんだ 確かに殺したくなるね
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アイスランド・レイキャビク警察のエーレンデュル捜査官シリーズ第七作。 と言っても、今回はエーレンデュルは休暇のため不在(長すぎるし連絡も取れなくてこっちも気になる)。 ということで、今回はこれまで脇役だったエリンボルク捜査官(女性)が主人公となる。 このシリーズは被害者が気分が...
アイスランド・レイキャビク警察のエーレンデュル捜査官シリーズ第七作。 と言っても、今回はエーレンデュルは休暇のため不在(長すぎるし連絡も取れなくてこっちも気になる)。 ということで、今回はこれまで脇役だったエリンボルク捜査官(女性)が主人公となる。 このシリーズは被害者が気分が悪くなるような『悪い男』であることが多いのだが、この作品もそうだった。 レイプドラッグと言われる薬品を女性に飲ませて強姦するレイピストが、自ら使っていたレイプドラッグを口に詰め込まれて殺されていた。 全く同情出来ない被害者なので、自業自得な最期については寧ろ良かったと思ってしまうのだが、警察としてはそうはいかない。 日本の警察小説だとアウトローな刑事ものでない限り二人一組で捜査をするのだが、このシリーズは基本単独捜査を行っている。 訳者あとがきによると、アイスランドでの殺人事件は年間4、5件、人口10万人単位での殺人事件発生率としては日本に近いくらい少ないようだ。ヨーロッパの中でも比較的平和な国ということでこういう捜査スタイルになっているのかも知れない。 だが今回の作品のような強姦だったり過去に扱われた虐待や暴行事件などはそれなりに起こっているようで、エリンボルクの母親は、娘が捜査官という職業を選んだことを心配している。 捜査の行方の方は、現場に残されていた女性ものと思われるスカーフやTシャツ、そして被害者の人間関係、さらに目撃者探しといったことをエリンボルク一人で担っているため、遅々として進まない。 この辺りは過去の作品で経験済みなのだが、訳者の柳沢さんの文章と相性が良いのか、読み進みやすかった。 同時にエリンボルクの家族関係についても描かれていて、こちらはエーレンデュルほど極端な家族ではないので親近感があった。 現在の夫・テディの大らかさに癒され、長女で三番目の子供のテオドーラに勇気づけられる一方で、長男ヴァルソルとの関係は全く上手く行っていないし、次男アーロンも徐々にエリンボルクから距離を置こうとしている。ヴァルソルとの確執が養子ビルキルが家を出たことに端を発していると知ったエリンボルクは過去の自分の対応に思い悩む。 こうしたことには正解というものはないので悩ましい。なるようにしかならないと大らかに構えるか、とことん藻掻くのか。距離を置いた方がいいのか、向き合ってとことん話し合うのか。 個人的にはエリンボルクは仕事も家事も家族にも頑張っている良いお母さんに見えるが、三人の子供たちそれぞれの観方は違うだろう。だから夫テディの大らかさは救いになるかも知れない。 一方で捜査の方も新展開を見せたりして面白くなってくる。『悪い男』だと思った被害者は『悪い男』ではなかったのか?別の側面があったのか? 信用ならないと思われていた証言や、見逃しそうな証言を丹念に探っていくエリンボルクはやはり優秀な捜査官だと思う。 そして強姦の被害者に対して『恥は暴行した男が感じるべきものよ』と言ったエリンボルクには共感するが、『彼らの受ける罰と言ったら、馬鹿馬鹿しいほど軽いのよ!』という被害者の言葉にも大きく頷く。 もっと被害者に寄り添った『正義を下す方法』があれば良いのだが。 もう一つ印象に残ったのは被害者の出身地である村の雰囲気。まるで横溝正史先生の作品に出てきそうな、排他的な空気でちょっと怖い。 事件としては解決したのだが、様々な謎は残っている。 次作はなんと、問題児(と私が勝手に呼んでいる)シグルデュル=オーリが主人公らしい。 時間軸としては今回の作品と同時らしいので、エーレンデュルはまだ不在らしい。こちらの作品のその後やエリンボルク家族のその後、エーレンデュルの行方なども描かれるだろうか。
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