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旅する練習 講談社文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2024/01/16 |
| JAN | 9784065338438 |
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旅する練習
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旅する練習
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商品レビュー
3.6
69件のお客様レビュー
下世話な言い方になるが、著者はセックスがたいそう上手な人に違いない。人物の描写に無理がなく、流れるがままに小さな旅物語へ誘い、様々な知識を披露して好奇心を満足させつつ、飽きがきた頃を見計らって新事実を投入し、それでも間延びしかけたらさっと女性を錬成して場を繋ぐ。余計な説明を捨てて...
下世話な言い方になるが、著者はセックスがたいそう上手な人に違いない。人物の描写に無理がなく、流れるがままに小さな旅物語へ誘い、様々な知識を披露して好奇心を満足させつつ、飽きがきた頃を見計らって新事実を投入し、それでも間延びしかけたらさっと女性を錬成して場を繋ぐ。余計な説明を捨ててちょっとしたセリフや動きの描写で色付けをする技術も高く、ほどよい満足感に包まれたまま一定のリズムを保って最後まで読み切ることができるようになっている。安定した快感を求める人におあつらえ向きのパートナーといえる作品。 しかしまあ、絶対に読むべきと人に勧めるかといえばそんなことはない。本なんて別に読まなくても生きていけると考えている人にはまったく取るに足らない一冊でしかないと思う。はっきりいって、これは誰かの人生を変える力を持つ作品ではない。
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常に日本ならではの趣深いものに対する胸の締め付けられるような感動と隣り合わせになりながら読み進めていた。綴られている文章から温かみと自然の美しさ、目の前に広がる風景の細やかな描写に読み手である私もその場にいるような気持ちになる。 読みながら何度か胸がグッと詰まるような、感動では収まらないような思いを抱きながら、涙ぐんでしまう場面もあった。 途中で(恐らくこの物語は叔父が旅を終えたあとに書いているものなのだろう)と気づいた。そして、ラストの数ページにかけて(そんな書き方をされるとまるで亜美ちゃんが死んでしまったみたいじゃないか)と思ってしまったが、まさか本当にそうだとは思わず。こんな終わり方だなんて思っておらず、しかし、どこか温かみの中に感じる切なさはそれゆえなのだろうかとも思う。どこか淡い、しかしながらに鮮やかで美しい記憶なのだろうと。
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この作者の作品の中で最も好き。 叔父は描写の、姪はドリブルの練習をしながら目的地に向けて旅をする様子が描かれる。語り手の位置が絶妙で、物語時現在において語っているのかと思いきや、実は語り手は過去の出来事の回想として書いていた、という反転がある。(この辺は解説で松家仁之が指摘している。)だから、物語上いきなり姪が死んだのではなく、姪が死んだがゆえにこの物語が書かれたと捉えるべきなのだろうと感じる。 この物語全体を回想・描写する「私」は、海辺で姪と鳥を重ね合わせつつ「この歓びを何と言えばいいのか」とノートに書きつける「私」と、同じ位置にある(それはこの物語自体を「終わりのない練習」と語ることからもわかる)。だから、物語を語り描写する「私」にもまた、同じ「歓び」があると思う。他にも、「ればよかった」式の後悔や、描写の対象が描写の中でしか現れてこないという悲しみ、姪が唱える真言を写しとることで行われる祈りなど、この旅の描写には「私」の思いがあふれている。描写って、客観的で無機質な営みでは決してないんだなぁ。
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