不完全な司書

青木海青子(著者)

• 販売会社／発売会社: 晶文社
• 発売年月日: 2023/12/12
• JAN: 9784794973986

商品レビュー

2025/11/20

世の中には読みたい本がありすぎる。すでに人生で読みきれないことはわかっていますが、それを他者と協力することで少しでも多くの本を読めないかと常々考えていました。

そんな私に「私設図書館という方法」を提案してくれたのが、奈良県で私設図書館ルチャ・リブロを営む青木海青子さんのエッセイ『不完全な司書』でした。

無限性・完全性を備える図書館と、有限で不完全な司書（人間）を対比させて、ご自身の存在に思いを馳せている箇所が特に気に入っており、私はそこを読んで、読みきれないほど本があるからこそ、人とつながる意味が生まれるのではないかと、ハッとさせられました。

私がいつか私設図書館を開いたら、それはきっとこの本と出会ったおかげです。

2025/09/15

管理する側と管理される側の間に消しがたい線が引かれる瞬間があり、そこには「ものすごい暴力性」が含まれていて、それを物分かり良さそうに飲み込んだことで、その暴力性が後の人にも向かう、という部分が印象に残っている。
これは病院で、学校で、親子で、夫婦で、いろんな場面に当てはまる。声を上げないことは自分だけの問題ではない。

山奥の人文系私設図書館の司書が綴るエッセイ。
いつか訪れてみたい。

2025/07/30

ルチャリブロの存在を教えて、連れてって下さったときにこの本を受け取ったのがこの本を読むきっかけです。
物事の解釈が美しいなと思うのと同時に、現実を考えて不完全さを受け入れる日がわたしはくるのかと思いました。守られるということの覚悟