商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 晶文社 |
発売年月日 | 2023/12/12 |
JAN | 9784794973986 |
- 書籍
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不完全な司書
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不完全な司書
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4
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奈良県東吉野村、杉林に囲まれる奥地で人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」の司書(館長は猫のかぼす。表紙の絵の子かな?)を務める青木さんによるエッセイ集。 およそ2000冊の個人の蔵書を「おすそ分け」として一般に公開している「ルチャ・リブロ」。 巻頭のスナップ写真を見ただけで、「なんていい雰囲気の場所なんでしょう、めちゃくちゃいい読書できそう」と憧れてしまう。 ただそこでの営みは、緩やかな時間の流れの中ではあるものの、ともするとそのおしゃれカフェのような雰囲気ほどには、上っ面な上質感だけで心和ませるような甘さはない。 本当に本を愛し、訪れる人のお悩みやお探し物に一緒になって向き合う青木さん。 また、そういった真摯な人々が集まる場としての磁力が凄い。 青木さんは現在に辿り着くまでに、図書館司書をされていて、その中で一度重篤に心を病んでしまった時期があった模様。 それでも、かねてからの「自宅を図書館として公開する」という構想を捨てきれず、開館に舵を切る。 現在でも精神障害を抱えながら司書を営み、自分も課題を抱えたまま、誰かの課題を手伝っている点を「不完全な司書」と表している。 来館される人々に接する青木さんの姿勢が胸を打つ。 なんで、そんな自分自身が痛みを抱えながら、他人のお悩みにそこまで真摯に寄り添えるの!?。 エッセイの中で語られる頭の中は、なかなか高尚な、自分では読んだことも無いような人文系の書物からの思索や引用で占められており、もう思考の土台の成り立ちが違うなとも思ってしまうのだが、行きつく結論というか主張は、いたく納得できるもので、書物を拠り所に世を渡り行く術を説くプロフェッショナルなお方だと感じ入りました。 また、この場に集う方々各々の突出するものはあれど、完璧なわけでもなく、スキル、得意なこと、専門性を補完し合うような関係性がとても好ましく思った。 全く関係ないけど、自分も小学校の父親会で代表の立場に居るが、そこに集まるパパ達の多種多様性と善意にいつも圧倒される。 これだけ色んな方面の力があればたいがいのことはできるんじゃないかと。 何となく集まってきた人達のコミュニティってほんと力強いと思う。 そんな中で自分は何でプロフェッショナルな一面を見せられるのか、今はまだないなぁ、もっと尖らなきゃなぁと改めて反省した。 家人と呼んでらっしゃる(旦那さんかな?)、「ルチャ・リブロ」の主宰者、青木真兵さんの本も気になる。
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生き苦しさを抱えながら過ごし、大きな怪我を経験した司書である著者が本当に自然に東吉野村に溶けこみ、私設図書館で穏やかに過ごしている。 私とはジャンルが違うけど、読書が【窓】であることはよくわかる。私の子供時代を支えてくれた
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私設図書館「ルチャ・リブロ」は本と向き合いながら、司書と利用者それぞれが心の内を共有する場所。 だからおしゃれな古民家カフェのような感覚で飛び込んじゃうと、ちょっとご迷惑になるかもね。
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