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慶州は母の呼び声 新版 わが原郷 ちくま文庫
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慶州は母の呼び声 新版 わが原郷 ちくま文庫

森崎和江(著者)

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慶州は母の呼び声 新版 わが原郷 ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2023/11/13
JAN 9784480439192

慶州は母の呼び声 新版

¥605

商品レビュー

4.3

3件のお客様レビュー

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2024/09/29

「私たちの生活がそのまま侵略なのであった」 植民二世からの立場で書かれた本を初めて読みました。読んで良かったです。「書こうと心にきめたのは、ただただ、鬼の子ともいうべき日本人の子らを、人の子ゆえに否定せず守ってくれたオモニへの、ことばにならぬ想いによります。」と書かれていて、胸が...

「私たちの生活がそのまま侵略なのであった」 植民二世からの立場で書かれた本を初めて読みました。読んで良かったです。「書こうと心にきめたのは、ただただ、鬼の子ともいうべき日本人の子らを、人の子ゆえに否定せず守ってくれたオモニへの、ことばにならぬ想いによります。」と書かれていて、胸が痛くなりました。そして弟さんの弁論「敗戦の得物」は1人でも多くの人に読んでもらいたいです。

Posted by ブクログ

2024/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この一年半ほど、 「まっくら―女坑夫からの聞き書き―」1961、 ラジオ「にっぽんの子守唄~出稼ぎの女たち(F面)」、 ラジオドラマ「海鳴り」「いのちの木の方へ」「産湯の里」、 現代詩文庫の「森崎和江詩集」、 「からゆきさん」1976、 とぼちぼち読んでいる。 本書は1984。 作者の著作は膨大なので全容を把握するのは難しそうだが、本書は作者にとっての根っこを描いているので、読んでよかった。 まずは朝鮮植民二世としての、原罪意識。 これだけなら辛さ一辺倒になりかねないが、さらに、生きて在ることのエロスを文章の端々から感じる。 これは例えばこうの史代と片渕須直の「この世界の片隅に」や、おざわゆきの漫画「あとかたの街」に通じる、少女の目から戦争を証言する作品だと思った。 作者は他の著作でいわゆる証言文学をものしているが、本書は自分の声を散文で残した証言文学でもあるだろう。 「からゆきさん」の感想で、以下のように書いた。 ・ 一人の少女が、成長過程で得た根拠地を引き剝がされた後、得たり失ったりした挙句、回顧するときどう思うか……その機微にまで、さすがに一読者は至れない。 が、当人や関係者から話を聞いた森崎和江は、身が震えたのだろうな。 ・ これはおヨシさんという女性の話を森崎和江が書いていることを受けての感想なのだが、このときの「震え」は自分自身のものでもあったのだろう、と感想が深まった。 また、以下のような詩がある。 ・ おはよう!/おはようと夜明けの空がこたえた/うれしくてからだがふるえたの/でもその空/にほんが攻めこんだくにの空でした ・ これはそのまんま。 所謂ポストコロニアル文学としても拡大して考えたい作品。 それにしても、お父さんの偉大さに敬服。 (森崎庫次についての研究論文が検索するとヒットする。) @ ■序章 007 ■第一章 天の川 012 ■第二章 しょうぶの葉 072 ■第三章 王陵 110  ■第四章 魂の火 169  ■余章 226 ■あとがき 247 ◇解説 松井理恵 252

Posted by ブクログ

2023/11/27

 著者のことはサークル村の主要人物の一人ということは知っていたが、その著作で読んだのは『からゆきさん』と『まっくら』の二冊。本書は、著者が自らの原郷とする生まれ育った朝鮮での17年間の生活を回想したもの。  著者は、理想化肌の朝鮮学校の教師である父と、優しく慈しんでくれる母との間...

 著者のことはサークル村の主要人物の一人ということは知っていたが、その著作で読んだのは『からゆきさん』と『まっくら』の二冊。本書は、著者が自らの原郷とする生まれ育った朝鮮での17年間の生活を回想したもの。  著者は、理想化肌の朝鮮学校の教師である父と、優しく慈しんでくれる母との間の長女であった。そして父の学校異動の関係で、慶尚北道の大邱、慶州そして金泉に住んだ。   幼き日の思い出から著者は朝鮮での生活を細部まできめ細かく描いていく。朝鮮人のアブジやオモニの姿も自らの見たままに生き生きと描かれる。こんなにも瑞々しく記憶にとどめ文章として表現できるというのは本当にすごい。  愛情を注いでくれる両親ー特に父はあの時代に ”自由放任” を教育方針と言っていたほどの人物であったがーの下で育つ著者は、ある意味では内地の日本より伸び伸びと育ったのであるが、当時の朝鮮での体験を今の時点で書く著者の思いは苦い。自らの愛した故郷が日本が植民地としていた地であることを知り、オモニやアブジが日々の生活に痛みを感じ、日本人をどのように思っていたかを振り返って考えるようになったから。  戦後ずいぶんの年月が経過したが、今なお重い問いを投げかけている一冊だと思う。

Posted by ブクログ

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