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悪なき殺人 新潮文庫
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悪なき殺人 新潮文庫

コラン・ニエル(著者), 田中裕子(訳者)

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悪なき殺人 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2023/10/30
JAN 9784102403518

悪なき殺人

¥440

商品レビュー

3.6

13件のお客様レビュー

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2024/07/29

吹雪の夜、フランス山間部の町で、一人の女性が失踪する。大規模な捜索がなされたが、その行方はなかなか知れない。さして大きくもない町で、噂は駆け巡る。皆、彼女は死んでいると思っている。 ・・・そう、(タイトルが示唆するように)彼女は死んでいる。ではその遺体はいったいどこにあるのだろ...

吹雪の夜、フランス山間部の町で、一人の女性が失踪する。大規模な捜索がなされたが、その行方はなかなか知れない。さして大きくもない町で、噂は駆け巡る。皆、彼女は死んでいると思っている。 ・・・そう、(タイトルが示唆するように)彼女は死んでいる。ではその遺体はいったいどこにあるのだろう? 誰が殺し、どこへ運んだのか。 1つの殺人を巡って、複数の人間の思惑が交錯する。 章ごとに語り手が入れ替わる。 ソーシャルワーカーとして働くアリス。 その愛人の孤独な羊飼い、ジョゼフ。 AV女優であったこともある若いデザイナーの卵、マリベ。 アフリカでネット詐欺に勤しむアルマン。 そしてアリスの夫で農場を経営するミシェル。 彼らのそれぞれの語りから、事件の全貌が見えてくる。 「悪なき」といってよいかどうかはわからないが、実は事件は誤解や不運が重なって起きている。犯人は虚像を憎んでいたのであり、被害者は犯人が思うような存在ではなかった。 中心となる殺人事件だけでなく、彼らを取り巻く事情はどこかちぐはぐだ。 出てくる人々は皆、それぞれの意味でそれぞれに孤独である。 それぞれ愛を追い求めているけれど、報われない。 てんでんばらばらの方向を向く矢印のように、それぞれの思いは交わりもせず、かみ合うこともない。 フランスの片田舎の閉鎖的な話で終わりそうなところで、いきなり舞台がアフリカ(コートジボワールであるらしい)に飛ぶのがなかなかアクロバティックである。 アフリカの風俗やロマンス詐欺の現場などの描写はなかなか興味深いが、しかし、アフリカとフランスをつなぐ展開は偶然が過ぎて作為が目立つ。 この虚構を許すかどうかが、本作を楽しめるかの1つの鍵になるかもしれない。 映画化もされていて、同じ出来事を複数の人物の視点で語りなおすことから、黒澤明の「羅生門」を思わせる手法だとの評もあるそうである。 原題は”Seules Les Bêtes”、直訳すると「動物たちだけが」となる。 著者によれば、「孤独に苦しんでいないのは動物たちだけであり、遺体がどこにあるのか知っているのも動物たちだけである」の意だそうである。 実際のところ、読者は、動物たちよりもなお事件の背景については多くを知るのだが、孤独については読者次第だろうか。 何だかそんなアンニュイな気分にさせる作品ではある。

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2024/06/14

ようやく読み終わった。 あまり自分には合わない内容だった。 本を読むと言うことは、自分の内的状況にも左右される。 そういった読書に向かない環境にいたために、読み進めるスピードが全く上がらなかったということもあるが、肌にあわなかった。 心理サスペンスと言うには緊張感がなく、とく...

ようやく読み終わった。 あまり自分には合わない内容だった。 本を読むと言うことは、自分の内的状況にも左右される。 そういった読書に向かない環境にいたために、読み進めるスピードが全く上がらなかったということもあるが、肌にあわなかった。 心理サスペンスと言うには緊張感がなく、とくにひねったミステリ要素もない。 途中で話の筋が予想できてしまうし、結末は意外だったがしっくりこない。 読者に全く集中できなかった。

Posted by ブクログ

2024/05/04

2024/5/4読了。本作の原題は『動物たちだけが』だそうな。映画化もされている。確かに思わぬ結末が待ちうる心理サスペンス。原題の意味するところもなんとなく想像出来る。

Posted by ブクログ