人間標本

湊かなえ(著者)

• 販売会社／発売会社: KADOKAWA
• 発売年月日: 2023/12/13
• JAN: 9784041142233

商品レビュー

2025/03/05

さすがともいうべきイヤミスの傑作。
湊かなえさんの著書はおしなべてそうだが、ラストのどんでんどんでん返しに驚愕。
この事件を引き起こすきっかけとなったのは才能の枯渇というか消失。それが本人には一大事。ゴッホやムンク然り、天才が故の苦悩に苦しんだ結果引き起こされた、というか引き起こさせた事件。
題名からなんと無く内容は分かっていたので、途中までは客観的な事実の列記の様に読んでいたが、途中から物語の根本が変わり一気にのめり込んで読んだ。
読了後の疲労感とモヤっと感は湊かなえさん特有のものだが嫌いでは無い。

2025/03/04

人間標本という恐ろしくも強くダイナミックなタイトルに惹かれて購入。
人間を標本にしたいという考えを持った男のミステリーだと思っていたが全く違っていた。
読み進めれば進めるほど感情が次々と変わり、
2章に入った時には全く違う話になったのかとも思った。
親と子は似る似ないにフォーカスを当てた話？とも思ったが違った。
とにかくもおしろい、後半は読む手が止まらなかった。ラストで自分のしてしまったこと現状に様々な言葉が走馬灯のように頭を駆け巡り落ちていく榊史郎には自分もそこにいるかのような没入感と快感を体感した。

読んだ後作品を頭の中で一から追っているうちに
今まで読んできた文章は誰の言葉だったのかと混乱した。
榊史郎が最低じゃないか、
至が父を苦しめたんだ、
SNSのユーザーは皆知ったように話しすぎている
杏奈が、留美が、
何度も何度も誰かを責めたけど全部違ったのかと思うと、人の本質は一生分からないと感じた。
最後裏切られたと思ったけど自分が気づけなかっただけなのかと思うと救いようがない

2025/03/04

久々に湊かなえ作品を読んで、こういう感じだったなと思い出した…二転三転しておもしろかったな〜蝶に詳しくないので標本のイメージができないのが悔しかった。蝶が見る世界、見てみたいな〜と思ったり。