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この世界からは出ていくけれど
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この世界からは出ていくけれど

キム・チョヨプ(著者), カン・バンファ(訳者), ユン・ジヨン(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2023/09/20
JAN 9784152102683

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商品レビュー

3.9

12件のお客様レビュー

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2024/08/22
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※このレビューにはネタバレを含みます

 Kindleセールで積んでおいたのを読んだ。邦訳された過去二作の小説は当然のことながら、障害をテクノロジーの視点で考察した『サイボーグになる』も相当オモシロく、日本で読める韓国Sci-fi筆頭格という印象を著者に対して持っている。本作も間違いないクオリティで失われていく感覚を埋め合わせることの意味を考えさせられた。  7つの小説で構成される短編集であり、横の繋がりは特になく各作品は独立している。どの短編も他のSci-fiであまり見ない設定が多い上に主人公が女性ということもあって新鮮だった。本作では前述の『サイボーグになる』の影響もあるのか、障害を持っている人が登場し、周りとどうやって折り合いをつけていくのかを描いている。著者あとがきにもあったが「分かり合えないこと」は全体を通底するテーマと言える。ただネガティヴに「分断」を語るというよりも、そもそも分かり合えないのが人間の性であり、それを前提として我々は何ができるのだろうか?と読んでいるあいだ、問われている気がした。群像劇ではなく、メインの登場人物は障害の有無といったように立場が大きく異なる二人に絞り、彼らが関係性を探っていくがゆえにクローズドな親密さが小説に漂う。それはSci-fiらしからぬ柔らかい印象だった。  個人的に好きだったのは「認知空間」という話。さまざまな知識が一つの空間に集約されていく、それはつまりインターネットのアナロジーなんだろうが、集約されずに取りこぼされてしまうパーソナルな記憶の意味や、皆が同じものに巻かれるのではなく各自が思考する価値を改めて考えさせられる。そんなことを巨大な認知空間が物理的に存在し空に浮遊しているという突飛な状況から描いていくのだからたまらない。また「ローラ」は幻肢の感覚を打ち消すために三本目の腕を物理的に追加する話であるが、それだけ聞くと痛々しさがあるものの最後には愛とは何か?という議論に帰結していく。著者の小説はSci-fiにも関わらずレトロスペクティヴなバイブスも感じるのは、あくまで設定がSci-fi仕様なだけで描いていることは人間、機械の儚さだからなのかもしれない。次は長編を期待したい。

Posted by ブクログ

2024/08/22

『わたしたちが光の速さで進めないなら』も大変面白かったのですが、その期待に応えて更に越えてくる面白さで凄い短編集でした しかし面白い、そう、面白いのですが その一方で描かれている出来事や人物の悲哀、苦悩にひどくシンパシーを感じてしまい、読むのがとても辛い作品でもあります どうして...

『わたしたちが光の速さで進めないなら』も大変面白かったのですが、その期待に応えて更に越えてくる面白さで凄い短編集でした しかし面白い、そう、面白いのですが その一方で描かれている出来事や人物の悲哀、苦悩にひどくシンパシーを感じてしまい、読むのがとても辛い作品でもあります どうしてこんなに、自分ごとのように引き寄せて読んでしまうのだろう? 女性の作家さんで、書かれている人物は女性が多く、読者の自分も女だから?  (という発想はあまりにも安易に思える) あくまでも内容はSFであり、けっこうハードSFに近い風味の作品もあります しかしそこに生きる人々の心のありよう、他者への執着心や嫌悪感、愛情も何もかも、いまここに生きている我々とはっきり繋がっているし変わるものはないと感じます そしてこの短編に惹かれてひどく落ち込んでしまうのは、書かれている出来事が喪失や別れ、ままならなさ、無力感、哀しみの物語が多いから、それらの物語の人物の立場に置かれたら自分もきっとこうなるだろうという、納得しきってしまう感覚 短編集なので各話の感想も記入したいのですが、感想を言語化するのが凄く辛く感じます あんなに面白いのに、大好きなのに 推し話をあえてひとつ上げるなら『ローラ』がとても好きです 辛い 口絵の花を持った機械の右手を見返すと胸をえぐられるようです

Posted by ブクログ

2024/08/04

「感覚」について考えさせられる内容だった。自分が認知してる世界と、他人が認知している世界が違うかもしれない、ということに気付かされた。SFではあるものの実際の生物学的知識を用いている描写があり、説得力とリアリティがあって面白かった。 また、マイノリティとマジョリティの隔絶...

「感覚」について考えさせられる内容だった。自分が認知してる世界と、他人が認知している世界が違うかもしれない、ということに気付かされた。SFではあるものの実際の生物学的知識を用いている描写があり、説得力とリアリティがあって面白かった。 また、マイノリティとマジョリティの隔絶や、それぞれを理解しようとする葛藤が描かれていたのが印象的だった。それぞれの章で共感できるセリフや言い回しがあり、自分が何か人間関係で悩んだ際に読み直したいと思った。

Posted by ブクログ

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