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心淋し川 集英社文庫歴史時代
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心淋し川 集英社文庫歴史時代

西條奈加(著者)

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心淋し川 集英社文庫歴史時代

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2023/09/20
JAN 9784087445657

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心淋し川

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商品レビュー

3.9

62件のお客様レビュー

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2026/06/13

江戸・千駄木町の片隅、心町(うらまち)と呼ばれる一角。そこに流れる小さく淀んだ「心淋し川」のどん詰まりにある長屋を舞台に、人々の悲哀を描いた連作短編集。短編集の形をとりながら、長屋の住人たちの人生がパズルのように絡み合う群像劇としての構成をとっている。 第一話の表題作「心淋し川...

江戸・千駄木町の片隅、心町(うらまち)と呼ばれる一角。そこに流れる小さく淀んだ「心淋し川」のどん詰まりにある長屋を舞台に、人々の悲哀を描いた連作短編集。短編集の形をとりながら、長屋の住人たちの人生がパズルのように絡み合う群像劇としての構成をとっている。 第一話の表題作「心淋し川」から、この町に生きる人々のままならない現実が丁寧に描かれ、読者を物語の世界へと導く。 それに続く「閨仏」では、不美人な妾ばかりを四人も同じ長屋に囲っている大隅屋六兵衛が登場。一見すると物好きな金持ちの奇行や歪んだ支配欲のようにも思えるが、物語を読み解いていくと、彼の内面にある複雑な背景が見えてくる。旦那を失えば明日からの生存権を失ってしまう、当時の女性たちの「寄る辺ない立場」の切なさが胸に迫る。 また、飯屋を営む与吾蔵の物語「はじめましょ」では、若い頃のつまらない男の独りよがりが招いた後悔と向き合うことになる。根津権現で耳にしたあの唄声をきっかけに、彼の止まっていた時間が再び動き出し、物語は予想もしない結末へと収束していく。 作中では、身体を売る女が、男よりもむしろ女に蔑まれるという、市井の生々しく悲しい理不尽からも目を背けない。男社会の構造に縛られているからこそ、狭い社会のなかで誰が惨めで誰がマシかという不毛な序列が生まれてしまう。そのドロドロとした人間の嫌な部分、心の淀みを、本作は綺麗なオブラートに包まずに描ききっている。 劇的な何かを起こすのではなく、ただ淡々と人々の暮らしが描かれていく。けれど、どんな境遇の中にも喜びと悲しみがあり、それを噛み締めながら1日1日を積み重ねて生きる。その営みそのものの愛おしさをじんわり感じる作品だった。

Posted by ブクログ

2026/06/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おもしろかったです。 物語は全6話で構成された、連作短編です。 社会の底辺の貧しい環境にあっても、 主人公たちが小さな希望や幸せを願って、寄り添いながら生きていく姿が胸に……。 各短編に登場する人物たちが交錯し、最後には 長屋全体の連帯感へと収束していきます。 川のよどみに囚われていた人々が未来へ向けて動き出すのです。 孤独の「点」が、お互いを救う「線」になって行きます。 「澱み」から「流れ」へ 流れないドブ川(心淋し川)のほとりから、それぞれの人生の「流れ」を取り戻すラストへと進みます。 人は他者と関わることで、過去の傷を乗り越え、 生き直せることを……。 作品の完成度もかなり高いです。 第一話でグッと読み心をつかんで、 最終話で、ちゃんと最大に盛り上がるように 作ってあります。 「川」と「長屋」の使い方も、なるほどナルホド。 ただそこにあって、何もなさないのですが。 この川と長屋が、この物語にはなくてはならない エレメントです。 流れないドブ川という舞台設定そのものが、 登場人物たちの「行き詰まった人生」の 完璧な暗喩(メタファー)になっています。 視覚だけでなく、川の臭い、じめじめした空気感なども感じられました。 秀作です。

Posted by ブクログ

2026/03/28

江戸、千駄木町の心淋し川のそばの 長屋に住む人々の生活を綴った連作短編。 途中の一話以外は 最終的にささやかでも幸せを感じる話。 (その問題の話も、当人にとっては幸せ?) 決して順風満帆な人生ではない彼らの 嫉妬だったり、怒りだったり、憎しみだったり。 それを噛みしめて読み進...

江戸、千駄木町の心淋し川のそばの 長屋に住む人々の生活を綴った連作短編。 途中の一話以外は 最終的にささやかでも幸せを感じる話。 (その問題の話も、当人にとっては幸せ?) 決して順風満帆な人生ではない彼らの 嫉妬だったり、怒りだったり、憎しみだったり。 それを噛みしめて読み進めたあとの すーっと胸のつかえが取れるような結末。 ちょっと、じわりと目がゆるむ一冊でした。

Posted by ブクログ

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